60代以降の老後を考えるときに読みたい9冊
2021/07/24公開 更新
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老後といえば、会社員で言えば定年退職後であり、自営業の方であれば、第一線から引退したときでしょうか。老後に問題となるのは、毎日何をするのか、ということです。多くの人が、最初のうちは毎日が日曜日ということで、ワクワクしていますが、だんだんとやることがない日常に戸惑ってしまうという。
つまり、それまでの自分の社会的なつながりがなくなり、やるべきこともなく、自分の居場所がないという問題です。人と話す機会が減り、毎日やることがないので、暇を持て余してしまうのです。こうした状況を避けるためには、現役の頃から、仕事以外の興味のあることが大切になります。自分の居場所を作っておくということです。
老後は体力がどんどん低下していきます。若いころは、鍛えれば強くなったのに、最近は鍛えると痛くなってしまう。肩が痛い、膝が痛い、腰が痛いとあちこちのパーツが劣化してくるのも悲しくなってくる。若者は体力と時間はあるけど、お金がない。中年はお金と体力はあるけど、時間がない。老後は時間とお金はあるけど体力がないという現実があるのです。
そうした弱っていく自分を勇気づけながら、いかに老後を生きていくのか、今のうちに準備しておきたいものです。そのために参考となる書籍を9冊ご紹介します。
「定年まで待つな! 一生稼げる逆転のキャリア戦略」成毛 眞
https://1book.biz/2020/04/17/naruke.html
【私の評価】★★★★☆(81点)
著者は現役の時代から、毎日数時間自由な時間を作ることを推奨しています。その時間を使って勉強し、仕事を深化させるのもいいし、趣味に没頭してもよい。自分の能力を高めるということです。
そのためには仕事を効率化して、定時に退社できるようにしなくてはなりません。面白いことは趣味でも何でも自分で工夫して、ブランディングすることで稼げる可能性が高まるというわけです。
「知的余生の方法」渡部 昇一
https://1book.biz/2017/01/26/-watanabe.html
【私の評価】★★★★☆(81点)
渡部先生のお勧めは、定年後も好きな勉強を続けることです。勉強というと抵抗があるかもしれませんが、言い方を変えると、自分の興味のあることを調べるということです。例えば、地元の歴史を遡って調べてみる。自分の家系を遡っても面白いかもしれない。興味のあることなら、楽しくワクワクと活動できるのではないでしょうか。
「生きている意味―老年期の空白はこう埋める」邱 永漢
https://1book.biz/2013/10/23/post-2597.html
【私の評価】★★★★☆(83点)
著者のお勧めは、定年後リタイアするのではなく、仕事を続けることです。貯蓄をしても、どうせ大して貯まらないのだから、美味しいものを食べて、旅行をして、貯蓄を気にせず働き続ければよいのです。仕事を続けていれば、生活習慣も安定しますし、収入を心配することもないのです。
「ホスピスという希望: 緩和ケアでがんと共に生きる」佐藤 健
https://1book.biz/2017/06/14/post-3339.html
【私の評価】★★★★★(95点)
著者の意見は、がんが進行しているのであれば、残された時間を、いかに大切に生きるかが重要であり、痛みさえとってあげれば普通の生活ができるのです。そもそも80~90代の人ならば、がんと共存している人がたくさんいるのです。調子が悪いからといって無理に辛い検査をして、がんを見つける必要もないのです。
「「そのとき」までをどう生きるのか」山崎 章郎
https://1book.biz/2022/07/20/yamazaki-fumio.html
【私の評価】★★★★☆(89点)
この本で提示している医療の問題は、病院では忙しいのでどうしても表面的な対応になってしまうということです。実は、助からないのに治療の成績データを集めるための治療になっているのではないか、そのために貴重な患者に残された時間をムダに使っているのではないかと、著者は問題を投げかけるのです。
著者の回答は、在宅のホスピスケアなのですが、現実には患者の半分は余命1ヶ月もないということです。抗がん剤やがん治療を行い、ぎりぎりになってやっとホスピスにやってきても、余命はたったの1ヶ月。これが日本の現実なのです。
「大往生したけりゃ医療とかかわるな【介護編】 2025年問題の解決をめざして」中村 仁一
https://1book.biz/2017/05/01/-2025.html
【私の評価】★★★★☆(86点)
高齢者への延命医療は、患者にとって拷問となっていることを訴える一冊です。つまり、死期をちょっとだけ先送りするためだけに、患者を終わりのない苦しみを与えているのが、現状の病院なのです。
「わたしが、認知症になったらー介護士の父が記していた20の手紙」原川大介
https://1book.biz/2022/11/08/kawahara-daisuke.html
【私の評価】★★★★★(92点)
まず最初に両親が認知症になったときに知っておくべきことは、介護する人の負担を減らすことを最優先することです。介護サービスが使えるのであれば、限度まで使えばいいし、お金の心配があれば、専門家に相談すればいいのです。また、介護をしてくれる人に介護される人の性格や好みや人生歴を教えてあげることが重要です。その人を理解できれば、介護もその人に合った対応ができるからです。
「ボケ日和―わが家に認知症がやって来た! どうする?どうなる?」長谷川 嘉哉
https://1book.biz/2021/05/07/hasegawa-yoshiya.html
【私の評価】★★★★★(96点)
認知症がどのように進行するかを知っておけば、感情的になったりオロオロしたりすることを避けることができます。認知症はゆっくりと進行していきます。認知症になると怒りっぽくなる、物忘れをする、着替えができなくなる。同じ話を何度もするようになる。
さらに進行してくると暴言、妄想、徘徊するようになり自宅での介護が難しくなってきます。一番困るのは怒りやすくなり、暴力を振るうようになったりすること。こうした場合は、気持ちを穏やかにする薬で対応できることを知っておきたいものです。
「認知症に備える」中澤 まゆみ , 村山 澄江
https://1book.biz/2021/11/08/70s.html
【私の評価】★★★★☆(85点)
この本では不動産、現金、株式などの資産を持つ高齢者は、認知症になる前に、事前の準備をしておくことをお勧めしています。事前の準備としては大きく分けて次の2つです。
一つは任意後見制度で、事前に後見人を「公正証書」の契約書で決めておくことです。家族を任意後見人にしておけば、親が認知症になったときに任意後見監督人への報酬支払いのみで任意後見人が財産管理を行うことができます。
もう一つは家族信託で、事前に不動産や現金などの財産管理を家族に託すのです。信託契約締結後に、不動産の名義変更もしてくことで、不動産の修繕や売却が可能となるのです。
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60代以降の老後になって考えること
老後といえば、会社員で言えば定年退職後であり、自営業の方であれば、第一線から引退したときでしょうか。老後に問題となるのは、毎日何をするのか、ということです。多くの人が、最初のうちは毎日が日曜日ということで、ワクワクしていますが、だんだんとやることがない日常に戸惑ってしまうという。
つまり、それまでの自分の社会的なつながりがなくなり、やるべきこともなく、自分の居場所がないという問題です。人と話す機会が減り、毎日やることがないので、暇を持て余してしまうのです。こうした状況を避けるためには、現役の頃から、仕事以外の興味のあることが大切になります。自分の居場所を作っておくということです。
老後は体力がどんどん低下していきます。若いころは、鍛えれば強くなったのに、最近は鍛えると痛くなってしまう。肩が痛い、膝が痛い、腰が痛いとあちこちのパーツが劣化してくるのも悲しくなってくる。若者は体力と時間はあるけど、お金がない。中年はお金と体力はあるけど、時間がない。老後は時間とお金はあるけど体力がないという現実があるのです。
そうした弱っていく自分を勇気づけながら、いかに老後を生きていくのか、今のうちに準備しておきたいものです。そのために参考となる書籍を9冊ご紹介します。
60代以降の老後を考えるときに読みたい9冊
老後を何に使うのか考える本
「定年まで待つな! 一生稼げる逆転のキャリア戦略」成毛 眞
https://1book.biz/2020/04/17/naruke.html
【私の評価】★★★★☆(81点)
著者は現役の時代から、毎日数時間自由な時間を作ることを推奨しています。その時間を使って勉強し、仕事を深化させるのもいいし、趣味に没頭してもよい。自分の能力を高めるということです。
そのためには仕事を効率化して、定時に退社できるようにしなくてはなりません。面白いことは趣味でも何でも自分で工夫して、ブランディングすることで稼げる可能性が高まるというわけです。
「知的余生の方法」渡部 昇一
https://1book.biz/2017/01/26/-watanabe.html
【私の評価】★★★★☆(81点)
渡部先生のお勧めは、定年後も好きな勉強を続けることです。勉強というと抵抗があるかもしれませんが、言い方を変えると、自分の興味のあることを調べるということです。例えば、地元の歴史を遡って調べてみる。自分の家系を遡っても面白いかもしれない。興味のあることなら、楽しくワクワクと活動できるのではないでしょうか。
「生きている意味―老年期の空白はこう埋める」邱 永漢
https://1book.biz/2013/10/23/post-2597.html
【私の評価】★★★★☆(83点)
著者のお勧めは、定年後リタイアするのではなく、仕事を続けることです。貯蓄をしても、どうせ大して貯まらないのだから、美味しいものを食べて、旅行をして、貯蓄を気にせず働き続ければよいのです。仕事を続けていれば、生活習慣も安定しますし、収入を心配することもないのです。
死を直視してみる本
「ホスピスという希望: 緩和ケアでがんと共に生きる」佐藤 健
https://1book.biz/2017/06/14/post-3339.html
【私の評価】★★★★★(95点)
著者の意見は、がんが進行しているのであれば、残された時間を、いかに大切に生きるかが重要であり、痛みさえとってあげれば普通の生活ができるのです。そもそも80~90代の人ならば、がんと共存している人がたくさんいるのです。調子が悪いからといって無理に辛い検査をして、がんを見つける必要もないのです。
「「そのとき」までをどう生きるのか」山崎 章郎
https://1book.biz/2022/07/20/yamazaki-fumio.html
【私の評価】★★★★☆(89点)
この本で提示している医療の問題は、病院では忙しいのでどうしても表面的な対応になってしまうということです。実は、助からないのに治療の成績データを集めるための治療になっているのではないか、そのために貴重な患者に残された時間をムダに使っているのではないかと、著者は問題を投げかけるのです。
著者の回答は、在宅のホスピスケアなのですが、現実には患者の半分は余命1ヶ月もないということです。抗がん剤やがん治療を行い、ぎりぎりになってやっとホスピスにやってきても、余命はたったの1ヶ月。これが日本の現実なのです。
「大往生したけりゃ医療とかかわるな【介護編】 2025年問題の解決をめざして」中村 仁一
https://1book.biz/2017/05/01/-2025.html
【私の評価】★★★★☆(86点)
高齢者への延命医療は、患者にとって拷問となっていることを訴える一冊です。つまり、死期をちょっとだけ先送りするためだけに、患者を終わりのない苦しみを与えているのが、現状の病院なのです。
老後に家族に読ませたい本
「わたしが、認知症になったらー介護士の父が記していた20の手紙」原川大介
https://1book.biz/2022/11/08/kawahara-daisuke.html
【私の評価】★★★★★(92点)
まず最初に両親が認知症になったときに知っておくべきことは、介護する人の負担を減らすことを最優先することです。介護サービスが使えるのであれば、限度まで使えばいいし、お金の心配があれば、専門家に相談すればいいのです。また、介護をしてくれる人に介護される人の性格や好みや人生歴を教えてあげることが重要です。その人を理解できれば、介護もその人に合った対応ができるからです。
「ボケ日和―わが家に認知症がやって来た! どうする?どうなる?」長谷川 嘉哉
https://1book.biz/2021/05/07/hasegawa-yoshiya.html
【私の評価】★★★★★(96点)
認知症がどのように進行するかを知っておけば、感情的になったりオロオロしたりすることを避けることができます。認知症はゆっくりと進行していきます。認知症になると怒りっぽくなる、物忘れをする、着替えができなくなる。同じ話を何度もするようになる。
さらに進行してくると暴言、妄想、徘徊するようになり自宅での介護が難しくなってきます。一番困るのは怒りやすくなり、暴力を振るうようになったりすること。こうした場合は、気持ちを穏やかにする薬で対応できることを知っておきたいものです。
「認知症に備える」中澤 まゆみ , 村山 澄江
https://1book.biz/2021/11/08/70s.html
【私の評価】★★★★☆(85点)
この本では不動産、現金、株式などの資産を持つ高齢者は、認知症になる前に、事前の準備をしておくことをお勧めしています。事前の準備としては大きく分けて次の2つです。
一つは任意後見制度で、事前に後見人を「公正証書」の契約書で決めておくことです。家族を任意後見人にしておけば、親が認知症になったときに任意後見監督人への報酬支払いのみで任意後見人が財産管理を行うことができます。
もう一つは家族信託で、事前に不動産や現金などの財産管理を家族に託すのです。信託契約締結後に、不動産の名義変更もしてくことで、不動産の修繕や売却が可能となるのです。
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