「生きている意味―老年期の空白はこう埋める」邱 永漢
2013/10/23公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(83点)
要約と感想レビュー
経験を貯めたほうがよい
サラリーマンのお金について考察した一冊です。人生60年と言われたときの定年が60歳。今は人生80年。多くの人は、定年後、20年間も生きていく必要があるのです。そういう意味では、20代でも30代でも40代でも定年後を見据えた人生設計が必要なのでしょう。
まず、大前提として普通のサラリーマンを考えると、いくら真面目に貯蓄しても、一生かかっても貯められるのはせいぜい五千万円です。邱さんから言わせれば、数千万円のために、やりたいこともやらず、食べたいものも食べずに節約してまで生きる意味があるのか、ということです。
だから、二十代の若者へのアドバイスは、何もかもがはじめての体験でどうせわからないのならば、経験を積むことに重点をおくということです。お金を貯めるのか、経験を貯めるのかといえば、邱さんは経験を貯めたほうがよいと助言しているのです。
まだ足腰のしっかりしているうちに、「死ぬまで現役」でいられるような仕事を探したほうがよい(p158)
老後の仕事の心配をしたほうがいい
著者のお勧めは、「知識」に投資をしたり、自分の「技術」に投資をしたり、また「人間関係づくり」に投資することです。お金を貯めるのではなく、お金が貯まるような自分になるのです。
邱 永漢さんのサラリーマンへのアドバイスは、老後のための貯蓄の心配をするな、ということです。老後のお金の心配よりも老後の仕事の心配をしたほうがいい。サラリーマンが貯蓄をしても大して貯まらないのですから、それなら貯蓄はそこそこにして、死ぬまで働ける仕事を探せばいいのです。
確かに、老後にお金があっても、やることがなければ面白くありません。生涯現役でやっていきたいと思いました。邱 さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・ヒマがあれば金がない。金があればヒマがない。それでもヒマも金もないよりはまし(p57)
・うちの食卓で最も頻度激しく登場した話題は、「オヤジが死んだとき、この家はどうなるか」「オヤジが倒産したとき、家族の生活はどうなるか」(p131)
・母親がいつも口癖のように、「金を持っているか、持っていないか、すぐわかってしまうようなお金の使い方をしてはいけない」と強く子供たちを戒めた(p69)
・まったく子供をファースト・クラスに乗せる甘い親の顔が見たい。子供に楽をさせたいというのが親の気持ちだが、それより独り立ちできなくなることが心配である(p135)
▼引用は下記の書籍からです。
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【私の評価】★★★★☆(83点)
目次
長生き時代の生活設計
お金とのつきあい方、使い方
贈与・相続の節税指南
家族への金銭教育
長生き時代の健康法
優雅人生へのアドバイス
上手に海外旅行を
世界食べ歩き、買い物めぐり
著者経歴
邱 永漢(きゅう えいかん)・・・実業家。1924年生まれ。東京大学経済学部卒業。台湾より香港へ亡命し、直木賞受賞作家となる。その後、株の神様、お金の神様といわれながら、事業活動を行い、現在も年間120回飛行機に乗って、東京、台北、上海を飛び回る。著作は約400冊にのぼる。
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