「生きるヒント生かせるヒント―もしもしQさんQさんよ」邱 永漢
2014/10/25公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★☆☆(75点)
要約と感想レビュー
デフレ下の景気浮揚策
邱 永漢さんがホームページに書いていた人生のヒントです。平成13年に書かれたものですから当時はデフレのど真ん中です。邱さんに言わせれば、消費を増やすためには、消費者の心理に火をつければいいのです。
押しでダメなら、引いてみろ。金利を増やすことや、減税を提案しています。減税はアメリカで景気浮揚策として行われており、常識的な提案といえるでしょう。
消費を増やしたかったら、銀行を助けるより消費者を助けることです。金利を下げても効果がないなら反対に少しずつでも上げてみたらどうでしょうか。また消費税を一時的でもいいから下げるか、全免にしたらどうでしょうか(p33)
役人は増税で不景気維持
しかし、邱さんは、政府が景気のために減税なんてやりっこないことを知っています。役人が考えるのは法人税を外国並みに減らすこと。その分だけ消費税を上げていくことです。
見事に邱さんは大蔵省の増税の動きを的中させています。つまり政府は日本の景気を本気で上げようとはしないということです。あてにならないということです。
結局、お金は自分で稼ぐしかないようです。お金を増やすためには、収入を増やして、支出を減らす。そして貯まったお金を運用してお金を生んでもらう。これしかお金を増やす方法はありません。
法人税を安くしないと企業が海外に逃げ出して行く方向にありますから、結局は消費税を5%から8%、8%から10%と順次、引き上げて行くことになるでしょう。消費を増やさないと、企業が助からない時代に、消費を抑える政策を打ち出すことになれば、景気が立ち直るどころか、逆効果になることは目に見えています(p144)
役人は増税で不景気維持
邱さんの提案は、期限を切って目標を定めること。それを実現するために努力をすれば、実現する可能性が高くなるからです。また、時間が足りないと感ずる仕事を見つけること。好きなことをやっている時は時間のたつのを忘れてしまうからです。
邱さんは、世界を自分の足で歩いてきました。とりわけ海外旅行に出かける時は「金持ち気分」で旅行をしていたという。
77歳で死ぬと思って生きてきたら、77歳になってしまったと自分の年齢を指摘して、思い立った時にすぐやらないと人生はたちまち終わってしまうと指摘しています。旅行に行きたいと思ったら、すぐに行くべきなのです。邱さん、良い本をありがとうございました。
無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信) 3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。 |
この本で私が共感した名言
・私は毎月、中国大陸に行っています。私が大陸に行って見る大陸と、日本の新聞が報ずる大陸には大きなひらきがあります。どちらを信じたらいいかときかれたら、私はやはり自分の目や耳を信じたいですね(p18)
・人間のやる気は学歴とは関係がないと思っている・・・よく気がつくか、裏表なく働くか、人間として誠実であるかどうかの方がずっと大切です(p44)
・いくらに貸せるかが家の財産価値です・・・万一、自分がその家に住まなくなった時に、他人に貸して同じだけの支払いができるかどうか考えてみる必要があります(p80)
・サラリーマンをやめて成功できる可能性はそんなに多くありません。うまく行けば、サラリーマンをしている時の三倍くらいの収入があるようになりますが、その代わり、10倍以上も働かされます(p160)
▼引用は下記の書籍からです。
PHP研究所
売り上げランキング: 887,171
【私の評価】★★★☆☆(75点)
目次
情報より自分の目を信じましょう
ユニクロ現象が時の流れになります
お金持ちになれる簡単な法則
ない時間をつくるのが贅沢
中国投資視察団を再開します
マイホームは消耗品
サラリーマンも大家さんになれます
サラリーもらっても金持ちにはなれません
農業こそ変革期に来ています
農産物もブランド化の時代です
工業的豊作貧乏の根は深い
レストランは成長産業
二回目の中国視察団を組みました
中国の工業化はいま進行中
著者経歴
邱 永漢(きゅう えいかん)・・・実業家。1924年生まれ。東京大学経済学部卒業。台湾より香港へ亡命し、直木賞受賞作家となる。その後、株の神様、お金の神様といわれながら、事業活動を行い、現在も年間120回飛行機に乗って、東京、台北、上海を飛び回る。著作は約400冊にのぼる。
この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングへ
読んでいただきありがとうございました!
コメントする