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「お金の原則」邱永漢

2022/10/13公開 更新
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「お金の原則」邱永漢


【私の評価】★★★★☆(85点)


要約と感想レビュー

 お金儲けの神様と呼ばれていた邱永漢さんの本はすべて読むことにしているので手にした一冊です。「小金持ち」という言葉を最初に使ったのは邱永漢さんなんですよ。


 まず、「どうしたらお金が貯まりますか」と聞かれたら、邱さんは「お金を使わなければお金は貯まりますよ」と答えることにしているという。お金は収入が多いから貯まるのではなく、入ってきたよりも少なく使うから貯まるわけです。ですから邱さんのお勧めは給料天引きで貯金することです。


 もちろん一生懸命働いて、自分を成長させることも大切です。朝早く起きて、仕事に打ち込めば、自分の能力を高めることができるし、給料も増えていくからです。


・意思の弱い人は、給料天引き貯金にするに限る(p89)


 この本はサラリーマンを意識して書かれてあるようで、まず500万円くらいでもお金を貯めたら、投資も考えてみようと勧めています。また、サラリーマンならお金だけでなく仕事の経験や人間関係も財産なのです。いつでも助けてもらえるような人脈があるとないとでは大違いなのです。


 サラリーマンをやり続けるのも一つの道ですし、途中で独立するのも一つの人生です。そういう意味で邱さんは、二十代は自分に投資する時代、三十代はそれを活用する時代と定義しています。若い時から、将来どうするのか、そのために何が必要なのか、その必要なもののために時間をどう使うのか考えて実行していくのです。


・若者は、「金がない」とグチる前に時間の活用法を考えよ(p44)


 最後に邱さんは、お金は使ってはじめて「お金」になると表現しています。つまり、いくらお金を貯めても使わなければただの紙屑なのです。お金を貯めるのはとても大変なことなのですが、そうして苦労して貯めたお金を使うのも一苦労なのです。


 お金持ち根がケチですから、高い物は買いません。でも20年使えるコートなら20万円でも買うような人たちなのです。邱さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・お金を貯めるというのは、余ったお金を貯金することではなくて、貯金を優先させること(p70)


・お金を貯めようと思うなら、天職を見つけるほうが先である(p147)


・お金を持つより、それを活用できる立場になるほうがたいせつ(p30)


・思わぬ大金は、ほとんど手元に残らない・・人間にはそれぞれ、お金を入れる「器」がある(p56)


・お金は、使わなければ貯まらない(p103)


▼引用は、この本からです
「お金の原則」邱永漢
邱永漢、光文社


【私の評価】★★★★☆(85点)


目次

プロローグ―「お金」を知ることは、人間を、社会を、経済を知ること
お金が貯まる原則1 お金をだいじにすること
お金が貯まる原則2 "小"を積むこと
お金が貯まる原則3 使わないこと
お金が貯まる原則4 一生懸命稼ぐこと
お金が貯まる原則5 借金は必ず返すこと
お金が貯まる原則6 使うべきお金は使うこと
お金が貯まる原則7 けじめをつけること



著者経歴

 邱永漢(きゅう えいかん)・・・1924(大正13)年、台湾の台南市に生まれる。東京帝国大学経済学部を卒業後、一時帰台し、台湾独立運動に関与。のち香港へ亡命し、対日貿易を手がける。1954(昭和29)年から日本に定住、1956年、「香港」で外国人として初めて直木賞を受賞し、作家生活に入る。1908年日本に帰化。実業の才を生かし、株式投資、マネー関係の入門書の執筆や、ビル経営など多角経営を行い、「金もうけの神様」と呼ばれた。2012(平成24)年、没。


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