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森友学園問題の当事者が教える「籠池家を囲むこんな人たち」籠池佳茂

2020/09/09公開 更新
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「籠池家を囲むこんな人たち」籠池佳茂


【私の評価】★★★☆☆(71点)


要約と感想レビュー

森友学園側から鴻池事務所に陳情

「森友学園」問題とは何だったのか・・・。籠池家の長男である佳茂(よししげ)氏の書籍があるというので購入。まず、事実関係を時系列で見ていきましょう。


「森友学園」への土地売却問題は、平成25年頃から森友学園側から鴻池(こうのいけ)事務所に陳情。鴻池事務所も陳情に応えて大阪府(維新)と近畿理財局と調整して話が進んだことがわかります。「大阪府とは横の連携を取っているので、(土地)手当の件は大阪府からの確認が有ればOKと回答できる」という流れであったと、事務所の記録にあるというのです。


そして平成28年にゴミが地下にあるということが判明し、8億円値引きして「森友学園」に1億3400万円で国有地が売却されるのです。


大阪で誰が人を動かせるかといえば、それは維新しかないのです・・・なぜなら大阪の政権は維新だからです・・・土地取引の中で許可の判子を押すのは財務省側であり、瑕疵担保責任を取り、それで新たなゴミが出てきたということですから(p88)

財務省は近畿理財局に稟議書書換え指示

ところが、2017年2月9日、朝日新聞が「森友学園」が「金額非公表、近隣の1割か 大阪の国有地、学校法人に売却」の見出しで『森友学園問題』を報じました。籠池理事長は憲法改正を求めている日本会議大阪の役員であり、小学校設立のために国有地を格安で払い下げてもらい、安倍首相夫人を名誉校長にし、「安倍晋三記念小学校」の名目で寄付を集めていた、という内容です。


つまり、安倍首相夫人の影響力で格安で国有地を払い下げてもらったのではないか、という疑惑です。安倍首相は、もともと関与していませんので、国会で「森友学園」問題と関与していたら、国会議員を辞めると言い切ってしまいます。そしてなぜか財務省は近畿理財局に稟議書を書き換えを指示し、悩んだ担当が自殺してしまう。


安倍首相の関与は元々ありませんので、財務省の書き換えは、鴻池議員や大阪府(維新)との調整の経緯を消しつつ、安倍首相へのわずかな影響も消すためというのが事件の本質と推察されます。


森友学園問題で一番悪いのは、大阪府知事であり、私学課である(p64)

維新の会に近畿理財局が忖度していたのか

「森友学園」の籠池さんからすると、小学校を作ろうとしたら、朝日新聞から疑惑報道されてしまった。するとそれまで味方と思っていた人たちが「森友学園」と距離を取り、批判的な言動をするようになった。


著者の推測では、大阪府(維新の会)が、問題が大阪府に及ばないように籠池家側の弁護士であった酒井氏を通じて小学校の許認可を森友学園側から取り下げるように画策したとしています。維新の会に忖度して近畿理財局が「森友学園」土地を売却し、その維新の会が「森友学園」から梯子をはずしたというのが著者の主張です。 


何故、(3月10日に)認可適当が出ていた小学校の許認可を学園側から取り下げることになったのか・・・「認可を取り下げれば、他の責任も問わない」という様な言質を(弁護士の)酒井氏が父にしていたようなのです(p42)

左翼活動家が集まってくる

そうしたときに「私はあなたの味方です」と籠池氏の前に現れたのが菅野完(すがの たもつ)です。菅野は北朝鮮や韓国から支援を受けているといわれる「しばき隊」(右派系団体に対して暴力的抵抗活動を行う団体)のメンバーです。


著者の推測になりますが、孤立して疑心暗鬼になった両親に菅野が味方のふりをして取り入ったのです。その結果、菅野が「森友学園」の外部との窓口として一任されるようになったという。菅野は籠池氏に共産系の弁護士を付け、テレビ朝日、TBSといったマスコミ、野党議員との面談をセットしていきます。


著者が菅野完に対して疑問を持ち始めたのは、2018年1月の打ち合わせで、「自分の庇護者は共産党である」とか、「弁護士費用を民団(在日本大韓民国民団:在日による活動団体)から工面する。数か月に分けて会社を通じて決済する」と話していたからです。実際、弁護士費用を含めてすべて、在日の民団の会社経営者が負担していたという。


その弁護団の中には共産党の顧問弁護士も入っており、共産党と立憲民主党、社民党は弁護士を通じて連携していたのです。弁護士との証人喚問前の帝国ホテルでの打ち合わせには、しんゆう法律事務所の秋田真志氏やリンク総合法律事務所の山口氏が出席していたという。


さらに3月16日には、野党4党の福島瑞穂議員、小池晃議員、森裕子議員、今井雅人議員が自宅に面会に来て、「大阪府と大阪市の補助金について心配なことがある」と伝えたものの完全に無視して首相夫人の関与にばかり注目していたという。


このように菅野氏と左派弁護士、立憲民主党、共産党に籠池氏が取り込まれ、籠池氏の証人喚問での冒頭証言が、明恵首相夫人の関与を感じさせる内容となったのです。


父の証人喚問時の冒頭発言・・・いわゆる「メディアによる印象操作」です・・・ベースはすべて菅野完が書いているのです(p82)

鴻池議員や大阪府(維新の会)の関与報道がない理由

私はこれまでテレビを見ているだけで、鴻池議員や大阪府(維新の会)の関与をまったく知りませんでした。「森友学園問題が安倍首相への忖度ではないか」と、一般市民に思い込ませるマスコミの力に驚愕しました。


著者はこの本で、全てのテレビやマスコミが全て左派で固められていると書いています。NHKや民法テレビなどは、朝から晩まで安倍さんを批判するばかりで、マスコミは国民を「助ける」と言いながら、自分たちの筋書きどおりに誘導していると著者は感じているのです。


「権力を監視する」と言いながら実は菅野完氏のような活動家、野党議員、左翼弁護士が連携しながら、それをマスコミが支えているのです。将来、事実検証を行なえば森友事件こそ、日本に存在する朝鮮系の資金に支援された弁護士、マスコミ、活動家の情報工作が成果を残した事件として記録されるのでしょう。


書籍としては自費出版なのか、全体的にまとまりのないところが残念でした。籠池さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・父の証人喚問時の冒頭発言・・・いわゆる「メディアによる印象操作」です・・・ベースはすべて菅野完が書いているのです(p82)


・最初にきっかけを提供した木村真議員の背後にある連帯ユニオン関西生コン支部は、北朝鮮との関わりの深い組合です(p135)


・TBSの金平氏・・・金平氏と会ったのは、籠池邸で、時期は一昨年の東京都議会選挙の投票日です。金平氏は自民党が大敗していたく喜んでいました(p33)


▼引用は、この本からです
「籠池家を囲むこんな人たち」籠池佳茂
籠池佳茂、青林堂


【私の評価】★★★☆☆(71点)


目次

第1章 森友学園の始まり
第2章 森友学園問題の本質
第3章 日本維新の会と認可取り下げの関係
第4章 証人喚問と両親
第5章 左翼側の思惑
第6章 愛国だからこその思い
第7章 菅野完からの脱却
第8章 父へのメッセージ



著者経歴

籠池佳茂(かごいけよししげ)・・・籠池泰典・諄子夫妻の長男。1981年生まれ。大阪府出身。立命館大学卒。


森友学園問題関係書籍

「徹底検証「森友・加計事件」―朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」小川榮太郎
「大手新聞・テレビが報道できない「官僚」の真実」高橋 洋一
「籠池家を囲むこんな人たち」籠池佳茂


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