ジャニー喜多川の犯罪暴露本「SMAPへ―そして、すべてのジャニーズタレントへ」木山 将吾
2020/06/02公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
要約と感想レビュー
ジャニー喜多川社長への性接待
西欧ではカトリック聖職者による未成年者や修道女への性虐待を告発する「MeToo運動」が起きています。同じように日本では、ジャニーズ事務所の創業者故ジャニー喜多川社長によるメンバーへの性加害を告発する人たちがいました。その一人が元光GENGIメンバーである木山さんで、この暴露本を出版しているのです。
著者は15歳から17歳にかけての2年間、ジャニー喜多川の愛人であり性の奴隷だったと告白しています。秘書のように連れていかれ、移動中の車の中では常時手をつなぎ、キスを迫られたという。さらに、風呂付の大部屋でジャニーズジュニアは寝かされ、暗くした部屋にジャニー喜多川がやってきて、一人ずつ犯されるという。隣で仲間が寝ている中で、ジャニー社長に精液を吸われていたというのです。
ジャニー社長からの性虐待は、本書以外にも元フォーリーブス北公次の「光GENJIへ」、中谷良の「ジャニーズの逆襲」、平本淳也の「ジャニーズのすべて 少年愛の館」、豊川誕の「ひとりぼっちの旅立ち」があり、書籍の中で告発されています。ジャニーさんへの性接待の表現がリアルでちょっと怖いです。
僕はもう我慢できずに、ジャニーさんの直腸の中に二度めの精液を噴出した。そして、その穴からペニスを抜こうとした。「抜いちゃだめ!」ジャニーさんは・・(p84)
性虐待裁判
1999年には「週刊文春」がジャニー社長の性癖・パワハラを連続掲載したことに対してジャニーズ事務所が提訴しています。第一審ではジャニーズ側勝訴、第二審では性虐待が一部認定され損害賠償額が880万円から、120万円に減額され確定しています。しかし、ジャニー社長の性虐待自体を提訴している人は、いなかったようです。そもそも報道さえないのです。
ということは、セックスするためにタレント事務所を作って、所属のタレントをセックスフレンドにするというハーレムのような仕組みを作っても、日本では罪に問えないということなのでしょう。「訴えられなければ犯罪にならない」とジャニー社長が発言していたと、著者は伝聞の形で伝えています。ジャニー社長にとって、芸能活動は少年を性加害するための手段だったのです。
著者を含めて被害者がジャニーズ事務所を告発できないのは、だれも信じられないからでしょう。例えば、マスコミがジャニーさんにインタビューするときも、その膝の上には著者が人形のように座らされていたのに、インタビュアーは何も言わないというのです。膝に乗せられていたのは、シブガキ隊の薬丸くんや、男闘呼組の岡本も光GENJIのメンバーも全員だという。テレビ局のプロデューサーがやってきても、ジャニーさんはお気に入りの少年を膝の上に抱えたまま対応していたというのです。
少年と性交をしたいが、レイプになる。レイプであっても、相手が訴えなければ犯罪にはならない、ということもしゃべっていたという(p154)
ジャニー社長はアンタッチャブル
本書を読むとテレビ局含むマスコミではジャニー社長の奇行・性癖はアンタッチャブルとなっていたようです。芸能界から干されるかもしれない、タレントを派遣してくれなくなるかもしれない、ジャニーズ事務所から裁判で訴えられるかもしれない。その恐怖に誰も逆らえないし、告発するなど想像もできなかったのでしょう。。
日本の芸能界やマスコミ業界は司法制度も含めて力のある人にとって、過ごしやすい世界なのだとわかりました。ジャニー社長は逃げ切って、地獄で笑っていることでしょう。ややネタバレで申し訳ないのですが、木山さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・僕は第二のだんなさまだといわれた。第一のだんなさまは、当時はトシちゃんだったのだ(p87)
・体の大きな土田が、自分に襲い掛かってきたジャニーさんのお腹を蹴り上げたのだ・・・その後、男闘呼組のメンバーから彼の名前がはずされ、いつのまにか四人グループになっていた(p99)
・相手の声はTBSの人気番組「ザ・ベストテン」のスタッフから・・ジャニーさんは「もちろん一位だろうな?」と聞いた。そして、「馬鹿ヤロー!少年隊を一位にしなければ、今後いっさいうちの他のタレントも出演させてやらないそ!一位だ!一位!」(p107)
・アップの肛門写真が次から次へと出てきたのだ・・・撮られたのは自覚しているし、みんなわかっている。自分の肛門もそこにあることを。何しろ、ご丁寧にも、肛門の写真にはその持ち主の名前が記載されているからだ。ジャニーさんの字だ(p130)
【私の評価】★★★☆☆(71点)
目次
序章 僕は嘘つきだった
第1章 ジャニー喜多川の愛人だった
第2章 僕は普通の少年だった
第3章 そして、それは始まった
第4章 僕はジャニー喜多川とセックスをした
第5章 ジャニーズ事務所の真実
第6章 ついにデビューへ
第7章 北公次の告発―僕らは立ち上がった
第8章 ジャニーズをやめてもつきまとう芸能界の汚濁
第9章 ジャニーズとの最終戦争
著者経歴
木山将吾(きやま しょうご)・・・本名、山崎正人。1970年生まれ。15歳の時にジャニーズ事務所に入る。ジャニーズジュニアとして雑誌やテレビで活動、「さくら隊・予備軍」を経て、「光GENJI」でデビューの予定であったが、ジャニー喜多川のセックス強要に耐えられずジャニーズを退所した。
ジャニー喜多川関係書籍
「SMAPへ―そして、すべてのジャニーズタレントへ」木山 将吾
「光GENJIへ―元フォーリーブス北公次の禁断の半生記」北 公次
「ジャニーズのすべて 少年愛の館」平本 淳也
「二丁目のジャニーズ最終戦争篇」原 吾一
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