「なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか」二村ヒトシ
2022/12/19公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(84点)
要約と感想レビュー
「ヤリチン」の著者が、どうしてあなたは「ヤリチン」としか出会えないのか?について解説してくれます。「ヤリチン」とは「たくさんの女性とセックスできる」ことで、自分の心の穴を埋めようとしている男性のことです。ちなみに著者はアダルトビデオ男優から監督になって、アダルトビデオを作りながら、多くの女性を知ることができたという。
日本には「私は何かが欠けてる」と思い込んでいる「自己受容できない」女性が、とても多いと著者はいいます。そうした女性は、男性から「愛される女」になるために無理していることが、男性から大切にされない結果的につながっているのです。つまり、自分を大切にする女性には自分を大切にする女性が好きな男性が集まってきます。反対に自分を大切にしない女性には、「女性とセックスする」ことで、自分の心の穴を埋めようとしている男性が集まってくるのです。
・「インチキ自己肯定」をしている男ほど、他人を「支配」したがるんです(p107)
さらに自信がない女性の中には、オレ様系と呼ばれる他人にダメ出しをする男性に男らしさや頼りがいを感じてしまう人もいるという。また、自分が我慢することが「彼を愛することだ」と勘違いしたり、「彼を支えてあげられるのは、私だけ」と思ってしまう女性もいるらしいのです。
つまり、そうしたヤリチンやオレ様のような男を好きになってしまうというのは、女性の心に何らかの穴があるというのが著者の見立てです。その穴を埋めるために変な男を好きになってしまうわけです。実は、あなたが好きになれない「つまらない男」が、実は「まともな男」ではないのか?と著者は問うのです。
・自己受容していない人は、恋愛の相手を使って「自分の心の穴」を埋めようとする(p52)
誰にでも心の穴はあるものです。そして、人は本質のところでは、「このままの自分」で受容してほしいという思いを持っています。だから著者が提案するのは、心の穴を持つ男女が、一緒にいるいことで、お互いにいい方向に変わっていけるのが、恋愛というか良い関係ではないかということです。
心の穴を持つ男女が、お互いの穴を相手に埋めてもらおうとしても最終的には対立するだけでしょう。相手に求めるだけでは、永続できないのです。お互いを認めつつ、自然にいられる関係が良いのではないかということです。「心の穴」というやや抽象的な話でしたが、いろいろな種類の「心の穴」があるんだろうなと思いました。その組み合わせだけ男女の物語があるのです。二村さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・女性誌は・・女性にモノを売る」ための広告(p35)
・「親が自分にどんな心の穴をあけたのか」を知って・・・気づくことが大切なんです(p125)
・その瞬間は満たされたとしても、それであなたの「劣等感」や「さみしさ」が永遠に消えるわけではありません(p136)
・もしあなたが、相手の目を見てセックスするのが怖いんだとしたら、それは相手が「私を愛していないこと」が伝わってきたり・・するのが怖いからかもしれません(p174)
【私の評価】★★★★☆(84点)
目次
1章 なぜ、あなたの恋は「うまくいかない」のか?
2章 「恋する女は美しい」は、嘘。
3章 恋しても「心の穴」は埋まらない。
4章 ヤリチンとオタクだらけの男たち。
5章 「女は、しんどい」社会のしくみ。
6章 すべての「親」は子どもの心に穴をあける。
7章 「いいセックス」をするために。
8章 自分を受容できるようになるための7つの方法。
9章 運命の相手は、どこにいるのか?
10章 女性読者の恋のお悩みに答える
特別対談 信田さよ子×二村ヒトシ―どうして女性学はあるのに「男性学」はないんですか?
著者経歴
二村ヒトシ(にむら ひとし)・・・1964年東京生まれ。慶應大学中退。アダルトビデオ監督。著書に『すべてはモテるためである』(イースト・プレス)、『淑女のはらわた』(洋泉社)など。ソフト・オン・デマンド若手監督エロ教育顧問も務める。
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