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【書評】「社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法」長友 大典

2025/12/02公開 更新
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「社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法」長友 大典


【私の評価】★★★★★(93点)


要約と感想レビュー


月50万円の社外CFO

税理士や会計士など単価3万円や5万円で時間を切り売りしている人に、高単価で継続的に雇われるコツを教えてくれる一冊です。


著者は自分が資金繰りで苦労したことから、自分の経験をもとに月50万円で中小企業の社長のお金の不安を解決するサービスを提供するようになったのです。このサービスが「社外CFO」です。今は、社外CFOになるコツを教えて稼いでいるというわけです。


3万円で税理相談などをしている人は、時間を切り売りしている人です。一方、単価月50万円の人は、「顧客の抱えている不安を解決」または「ビジョン達成のお手伝い」をしているわけです。


また、単価3万円だと他社と比較され値切られますが、月50万円だと財務責任者を雇用した場合と比較するので安く感じるのです。


税理士の主な仕事は「過去の整理」、CFOは社長が求める「未来のお金戦略」をサポートする(p21)

社外CFO採用で売ることだけに集中

まず、中小企業の社長には会計や財務の知識が十分でない人がけっこういるというのです。サービスを売るのは得意ですが、資金繰り、銀行との交渉、投資判断が苦手な人がいるのです。


また、お金の相談をするにしても、役員報酬や交際費を社員に知られることに抵抗がある社長も多いのです。そこで、資金繰りや銀行交渉、投資判断を助けてくれる社外CFOがいることで、社長は売ることだけに集中できるというわけです。


実際、社外CFOを採用して売上が2倍、3倍になった例があるという。


社長は孤独なまま、毎日の経営判断を迫られています。「この設備投資、本当にやって大丈夫かな?」・・・「資金がショートしないか?いつまで大丈夫なのか?」(p39)

社外CFOの仕事はお金の不安解決

社外CFOの仕事は「投資の判断」と「銀行との関係構築」です。


例えば、投資計画があれば、「全体最適になっているかどうか、ちょっと確認してみませんか?」と提案してみる。「社長のゴールに近づくために必要な投資でしょうか?」と問いかけてみる。


資金繰りについては、「売上が半減したら?」「大口顧客が離れたら?」など最悪を想定してもらう。商売の全体最適を考えるために、仕入先と販売先について、リードタイム(発注してから納品までの期間)、支払サイト(締め日と支払日)を整理してみる。


社外CFOの仕事は問題の解決策を提案することではなく、問題を提起をすることなのです。社長自身が課題に「気づく」ことで、社長は動き出すのです。


「具体的な行動計画の作成」・・・社外CFOに求められているのは「賢い助言者」ではなく、問いを通じて「動き出せる計画」を一緒に組み立てる役割です(p119)

見込み客の探し方

見込み客は、経営者インタビューと紹介で探します。


つまり、経営者に「仕事の時間、取れていますか?」「どうして、今の仕事に?」「売上をつくるのとお金の管理、どちらが好きですか?」と聞きながら、どういう体制で、どんな志を持って仕事をしているのか確認していくのです。


それは売り込みではなく、社外CFOが必要な急成長中で、採用が追い付かず、銀行との関係構築ができていない会社を選別するためです。もし、社外CFOが不要な会社であれば、他のインタビュー先を紹介してもらいます。


社外CFOが必要な会社であれば、実際に社外CFOを採用して成果の出た事例を紹介をします。そのうえで、「私も同じようなサポートをしているのですが、ご興味はありますか?」と聞くわけです。


社長のゴールと想いを確認する・・EXIT戦略・・3年後のゴール・・創業時の想い(p75)

会社の未来を一緒に考えるのが社外CFO

自分で実務をしてきただけあって、「解決するのではなく、問題に気づいてもらう」、「この人となら、会社の未来を一緒に考えていけそうと思ってもらう」など、経営者に寄り添うことの本質を強調している点に好感を持ちました。


そして、著者はターゲットとなる業界を絞ることを提案しています。これも、言うのは簡単で、実際は難しいでしょう。しかし、絞らないと紹介ももらいにくいのも事実なのです。
 

実務的な一冊でした。★5とします。長友さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・「経営者インタビューをさせてほしい」とお願いする・・・紹介された経営者側も「話くらいなら」と応じてくれる可能性がぐんと高まります(p217)


・ミーティングの途中で「解決策」を話すと、単発の仕事で終わってしまい長期契約にならない(p251)


・ダウンセル(高単価から低単価へ)・・月50万円の社外CFO契約・・スポットの10万円の融資サポート・・月3万円の税務顧問(p186)


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「社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法」長友 大典
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長友 大典 (著)、すばる舎


【私の評価】★★★★★(93点)


目次


第1章 3か月ほど勉強した会計知識があれば、あなたも「社外CFO]を始められる
第2章 「社外CFO」になるためのステップの踏み方
第3章 当てはめるだけでだれでも正しい判断ができる「財務の7マインド?」
第4章 「資金調達」が9割成功する日々の銀行との接し方
第5章 月額3万円で受注する人と月額50万円で受注する人の考え方の違い
第6章 人脈ゼロから見込み客に出会う方法
第7章 長期契約が続く「社外CFO」のセールス・テンプレート
第8章 顧客の成長に貢献するために押さえておきたいポイント


著者経歴


長友 大典(ながとも だいすけ)・・・中小専属CFO養成アカデミー 主宰/社外CFO・財務コンサルタント/有限会社トークファイブ 代表取締役。
アミューズメント企業の経営に携わる父のもとで育つ。西南学院大学法学部卒業後、九州松下電器株式会社に入社。半導体の外販部門でトップセールスマンとなり、27歳で父とともにアミューズメント会社を設立して独立する。不況の影響を受けて業績・資金繰りともに厳しい状況が続く。
金融機関と粘り強く交渉を重ねる。以後は資金調達も順調に進み、投資判断の仕組みを確立し、年間5,000万円以上の経常収支を安定して確保。
これらの経験を活かし、社外CFO(CFO代行)としての活動。現在では、月額50万円のサービスを5社に提供中。1時間の相談料10万円。
「中小専属CFO養成アカデミー」を主宰し、社外CFOになるためのメソッドを指導する。趣味はゴルフと野球。毎日30分の散歩が至福の時間。


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