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【書評】「Passion Relations真・広報PR術 想いをこめた「物語」が共感の連鎖を呼ぶ」犬飼 奈津子

2025/12/26公開 更新
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「Passion Relations真・広報PR術 想いをこめた「物語」が共感の連鎖を呼ぶ」犬飼 奈津子


【私の評価】★★★★★(91点)


要約と感想レビュー


チョコレートが1日1億円売れる秘密

名古屋タカシマヤの広報部に、テレビ取材を年間500件、チョコレート催事売上40億円、1日1億円を達成したという伝説の広報ウーマンがいたという。企画をテレビ局に持ち込み、生中継でレポーターもやってしまう。「押しが強すぎる広報」「日本一テレビに出る広報」と呼ばれていたのです。


最初からうまくいったわけではありません。「忙しいから、もう来ないでくれ」と言われたこともあるし、目の前でプレスリリースをゴミ箱に捨てられたこともあるという。広報として、まずやってみて、改善を続けた結果、メディアから頼られるくらいの関係を築きあげたというのです。


「はじめての自分の企画は、犬飼さんと一緒につくりたい」と言ってもらったことが何度もありました(p40)

株式会社犬飼奈津子的な企画とは

「株式会社犬飼奈津子」的な企画とは、どんなものなのでしょうか。


例えば、ハロウィンなら、仮装して来店した顧客にお菓子を配るイベントを企画する。次の年には、役員が仮装して、お客様をお迎えしました。


クリスマスなら、夏からクリスマスソングを聴いてケーキの企画を考える社員の姿をメディアに取り上げてもらう。


テレビ局のディレクターから、「学生さんと有名なシェフがコラボしたら取材しやすい」と言われた時には、天才と称されるミッシェル・ブランが地元の製菓学校の学生を指導して商品を開発する企画を実現しました。


地元のクロガネモチの花から取れる超希少なハチミツ福来蜜の後継者が不足している問題を聞けば、ゴディバが福来蜜を使ってチョコレートを開発する企画を立ち上げているのです。


これら、一連のプロセスをテレビで密着取材するのですから、お客様が名古屋タカシマヤへ殺到するわけです。


「一宮に行ったら、幻のハチミツを食べてみたい。あのゴディバのシェフが認めた味なんだよ」そんなふうに言っていただける(p97)

専用のインスタグラムを立ち上げる

名古屋タカシマヤの広告チームが運営しているインスタグラムとは別に、チョコレート催事「アムール・デュ・ショコラ」専用のアカウントも立ち上げています。


インスタグラムのライブ配信では、一流シェフが互いのチョコレートを食べて率直に感想を述べ合う企画を流しています。自分でPRするよりも他のシェフから「おいしい」と評価されるほうが、はるかに説得力があるわけです。


シェフのライブ配信では、約束の時間になっても姿を見せないシェフに、「呼ばれて当然だと思ったら大間違いですよ」と冗談交じりに突っ込んだり、ライブ中に寝てしまうシェフがいたり魅力的なコンテンツなっているようです。


まったく異なる要素同士を掛け合わせて、唯一無二の「物語」を生み出すか。そして、その「物語」をどう広報の力で届けていくか(p99)

そこでしか体験できない企画や商品

著者は、名古屋タカシマヤのチョコレート催事「アムール・デュ・ショコラ」の「ディズニーランド化」と説明してます。つまり、そこでしか体験できない企画や限定グッズを提供するのです。商品以外でも、お客様が「シェフに会える」という企画は、名古屋タカシマヤでしか体験できないことです。


多分、企業の広報の人は、メディアに取り上げられるような切り口を常に考えていると思いますが、実際に メディアで取り上げられるのは非常に難しいのです。


具体例が多く参考になりました。しかし、「言うは易く、行うは難し」だと思います。犬飼さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・「パティシエ エス コヤマ」の小山進シェフに一宮市の特産品である木の芽と青梅を提案し、名古屋タカシマヤ限定商品を開発していただきました(p96)


・「シェ・シバタ」の柴田武シェフには一宮特産のイチジクを、「レ・トロワ・ショコラ パリ」の佐野恵美子シェフには、一宮市内の高校生が採蜜したハチミツを使った商品を開発していただく(p96)


・「久遠チョコレート」の夏目浩次さん・・・障がいのある方々が一般的な給与水準で働けることを目指し、商品開発や雇用の仕組みに工夫を重ねてきたブランドでした(p139)


▼引用は、この本からです
「Passion Relations真・広報PR術 想いをこめた「物語」が共感の連鎖を呼ぶ」犬飼 奈津子
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犬飼 奈津子 (著)、KADOKAWA


【私の評価】★★★★★(91点)


目次


第1章「心を動かす」
第2章「仲間を作る」
第3章「ファンの輪を広げていく」
第4章「パッション・リレーションズ」


著者経歴


犬飼 奈津子(いぬかい なつこ)・・・広報PRコンサルタント、株式会社Wo-one代表取締役。名古屋駅の百貨店「タカシマヤ」で15年広報を担当。『日本一露出する百貨店』を目標にテレビ取材を年間500件近くへと導く。バレンタイン催事「アムール・デュ・ショコラ」では、多数のメディア露出により30億円の売上に貢献。2023年6月に独立起業。


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「Passion Relations真・広報PR術 想いをこめた「物語」が共感の連鎖を呼ぶ」犬飼 奈津子


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