「PRのススメ―小さな会社こそ、社長が広報をしよう」阿部 重郎
2025/02/06公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(84点)
要約と感想レビュー
マスコミはニュースネタを探している
著者は無料でマスコミに取り上げてもらう専門家です。
新聞・テレビ・雑誌といったマスコミは、紙面やニュース枠を埋めるために、常に新しいニュースネタを探しているのです。実際、テレビのニュース番組には、1日に300~500通のプレスリリースが届いていており、その中からニュース担当者が取材すべきネタを選んでいという。
そこに、プレスリリースとして「ニュースネタ」をうまく提供すると、無料で取材してもらう可能性が高まるわけです。
PRの核は、「ニュースネタ」を「マスコミ」に提供することです(p14)
ニュース性とは新奇性・時節性・意外性・映え
まず、ニュースネタを考えることからはじめます。社内でアイデア会議を行い、常にマスコミに提供できるネタがないか考えていくのです。例えば、新店舗、新商品や新しいサービス、イベント開催、ユニークなキャンペーン、社会貢献活動などがニュースネタになるという。
ただ、マスコミが取り上げるのは新奇性が、時節性、意外性、映え(写真・映像)の要素があるものです。したがって、普通にプレスリリースしてもよほどのニュース性がなければ取り上げられません。そこで、ギネス記録に載るようなイベントを行うとか、ユニークな キャンペーンを行うなどのアイデアが大事になるのです。
裏技としては、マスコミの「読者プレゼントコーナー」向けに商品を提供して、取り上げてもらう。また、アンケート調査を行い、結果をニュースにしてもらうなどの裏技があるという。
イベントもキャンペーンも新規事業も、PR視点で考えていきましょう(p51)
日本経済新聞社だけに先に渡す
ニュース性の高いネタを作ったら、次はプレスリリースです。社会的にも記事になりそうな場合は、記者発表会を行います。また、いくつかのマスコミで記事にしてもらえそうなら記者クラブなどに一斉配信します。
次に、全国紙や通信社での扱いが難しそうなネタは、日本経済新聞社の記者だけに先に渡します。なぜなら、日経の記者なのかといえば、日経は他の新聞社よりも先に記事として取り上げたいと思っているからです。著者は企業のプレスリリースの9割は、日経だけに先に渡すべきと主張しています。
ただ、実際には確実に取り上げられるニュース性の高いネタは1%ほどしかなく、多くの場合は、まずは業界新聞を 攻略していくことからはじめることになるのです。
日本経済新聞社は一番影響力のある経済マスコミ・・・BtoBネタも載る(p54)
プレスリリースは無料の広告
「社長からご説明させて頂きたい」と伝えると、マスコミへの情報提供のアポイントが取りやすいなど細かいところまで、わかりやすい一冊でした。有料広告も必要だと思いますが、普通の企業が行っているプレスリリースも活用してできれば無料で広告してもらえばお得くらいに考えればよいのでしょうか。
マスコミも面白いネタを探しているわけで、マスコミも企業もWin-Winになれるのがマスコミ対応なのだと思いました。 阿部さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・当てはまる「地域」や「業界(テーマ)」があれば、複数の「記者クラブ」にプレスリリースを送った方が良いです(p92)
・アポを取る方法・・・ポイントは、プレスリリースの内容を簡単に説明することです。マスコミの人は、「ニュースはひと言」であると知っている(p111)
・マスコミに取り上げられたら、まずは、自社のウェブサイトはSNSに「メディア名」と「記事が公開された日」「記事タイトル」を記載し、記事のリンクを張って内外に告知しましょう(p172)
【私の評価】★★★★☆(84点)
目次
第1章 PRをはじめよう!
第2章 中小企業のリリースの9割は日経の記者だけに先に渡せ
第3章 マスコミに取り上げられる6つの手順
第4章 マスコミ訪問は、事前準備が9割
第5章 マスコミが欲しがるネタ3つの条件
第6章 ニュースネタをつくる裏ワザ4選
第7章 ここで差がつく! いつまでもおいしい、マスコミ2次利用の極意
第8章 やっぱり効果絶大! マスコミに取り上げられて売上が劇的に伸びた事例集
終章 まず「マスコミ回り」は何からはじめれば良い?
著者紹介
阿部 重郎(あべ しげお)・・・広報・PRアドバイザー。PR会社「プレイブ株式会社」 代表取締役。1972年生まれ。新潟県出身。新卒で当時業界3位の(株)オズマピーアールに入社。3年後に、当時業界2位の共同ピーアール(株)へ転職。大手PR会社2社で計12年経験を積む。2007年、お客様をテレビ、新聞、ネットニュースなどのマスコミに無料で取材させる専門家として独立。
企業PR関連書籍
「PRのススメ―小さな会社こそ、社長が広報をしよう」阿部 重郎
「人気情報番組の放送作家がこっそり教えるタダでテレビに取り上げられる方法」石田 章洋
「小さな会社の頭のいい社長がやっている「仕掛け営業術」」松尾 昭仁
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