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【書評】「「4割値上げ」で始まる小さな会社の"らしさ"ブランディング」吉田由佳

2025/03/18公開 更新
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「「4割値上げ」で始まる小さな会社の


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー


値上げで客層がよくなる

適正な値付けにするために「4割値上げ」しましょう!と提言する一冊です。デフレが30年続いた日本では、良い商品でも安く提供しているために、苦しんでいる経営者が多いのだと思います。


実際、「4割値上げ」したところ、クライアントからは、「客層が良くなった」「無理な要求をしてこない」「クレームが少なくなった」という感想をもらうことが多いという。そもそも価格が安すぎるのです。事業継続ができなくなったら、常連のお客様が困ることになるのですから、適正な価格設定が大事なのです。


4割値上げしないと、本当に困るのはお客様(p67)

値上げで営業時間短縮

「4割値上げ」の事例を数多く紹介してくれるのがありがたいところです。例えば、某ジュエリー販売のお店では、オーナーが「旅」が好きということで、すべてのジュエリーに「旅」を連想させる商品名をつけて、4割以上の値上げを行ったという。


また、パン屋から焼菓子へと業態転換したお店では、焼菓子の商品は「見映え」を意識したものにして、それを冷凍してネット販売、さらにショップの営業時間も大幅に短縮したという。このように「4割値上げ」により、オーナーは時間的にも資金的にも余裕ができることになるのです。


4割値上げにより、がむしゃらに働きすぎることをやめて「休むこと」と、適切に利益をだして「儲けること」(p61)

ブランド化で適切な価格を維持

商売では、お客様に商品の価値を伝えて、お客様が買ってくれるぎりぎりの高い値段をつけるのが鉄則です。例えば、コンビニの大福は100円ですが、無添加!北海道十勝産の有機栽培で育てた黒大豆をたっぷり使用したおばあちゃんの手作り大福は400円でも売れるのです。


著者はパリに行った時に、日本の百貨店で無理して買っていた憧れのフランスのブランド化粧品が、日本の2割程度の価格で売られていてショックを受けたという。このようにお客様にブランドとして認知してもらえれば、適切な価格で販売できるわけです。


ギフト(プレゼント)にすると金銭感覚が鈍る(p90)

専門家のアドバイスをもらおう

商売には値付け、商品ラインナップ、顧客管理、販促キャンペーン、人材採用・教育、仕組み化など幅広い実務的な工夫と知恵が必要となります。それが商売の面白いところであり、著者のようなコンサルタントの活躍の余地があるのでしょう。


最近は時間単位でプロの専門家のアドバイスをもらえる仕組みもあるので、経営者や個人事業主は活用してもよいのではないかと感じました。吉田さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・1000円までの価格設定においては、ワンコインで買える480円と、札一枚で買える980円しか値付けしません(p89)


・商売には売上が下がる傾向のある時期があります・・売上を作りにいくきっかけとしてイベントづくりは有用です(p163)


・お客様トライアングルの中は、「年間購入額」「累計購入額」「年間来店数」「最終来店日」に自社基準を設け、「A」「B」「C」3つのグレードに分けます(p166)


▼引用は、この本からです
「「4割値上げ」で始まる小さな会社の
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吉田由佳、同友館


【私の評価】★★★★☆(83点)


目次

第1章 万人ウケをやめる~理想のお客様像を見える化しよう
第2章 「NO罪悪感」で4割値上げする~頑張りすぎないゴールを設定しよう
第3章 "らしさ"ブランディングが価値を引き上げる
第4章 三方良し(自社・顧客・取引先)のビジネスモデルを「仕組み化」する


著者経歴

吉田由佳(よしだ ゆか)・・・ブランドビジネスコンサルタント。中小企業診断士。東洋大学大学院非常勤講師。日・米・欧の高級ファッションブランド(DRIES VAN NOTEN、HELMUT LANG)で企画・MD・営業・生産管理などを経験。独立後は、ブランドビジネスコンサルタントとして、国内外の企業や大学などに向けてコンサルティングやセミナーを実施するなど、企業・組織・人を育てる活動をしている。企業支援実績は、製造業、卸売業、小売業、サービス業と幅広く500社を超える。ビジネスをブランド化、エンターテイメント化することで、罪悪感なく値上げをして、利益を得る実践的なブランドビジネスは、広く共感を得て、実績に繋がったとの喜びの声が多数寄せられている


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