【書評】「売れ続ける士業・コンサルが実践してきた起業3年目までの最強の顧客獲得術」遠藤 晃
2025/10/06公開 更新

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【私の評価】★★★★★(95点)
要約と感想レビュー
ニッチなサービスを磨き込む
著者は生命保険会社の営業マンから独立後、生命保険の顧客獲得型セミナーを武器に、部門別契約数で全国No.1となりました。そして現在、著者は、その顧客獲得方法を士業・コンサルに教えています。
なぜなら、士業・コンサルは自分の時間を切り売りする商売で、毎日時間に追われている人が多いからです。著者は、時間にもお金にも余裕のある士業・コンサルを育成したいのです。
まず最初にやることは、士業・コンサルとして売る商品を作ることです。本当に提供したいサービスを決め、それを「ニッチのNo.1」に磨き上げ、理想の顧客をイメージしてメニューを作成し、選ばれる理由をつくり出すのです。サービスを決めるために、同業・競合のサービスをリサーチしてみましょう。
ニッチとは絞り込むことです。経営コンサルなら、病院の経営コンサルとか、運送業の経営コンサルが絞り込むということです。著者の経験では「リピート集客コンサルタント」が「テーマパークコンサルタント」と業態を絞ったら、活躍するようになったという。
「選ばれる理由」は、定量的でインパクトが必要です。「顧客契約継続率92.8%の信頼性」「年間200件の登記申請実績」など尖った「選ばれる理由」を作り、顧客に感想を聞いて修正していきましょう。
あなたのペルソナ=理想の顧客を考えてみましょう・・・すでに顧客がいる場合には、自分の顧客の中から理想の顧客を選んで言語化してみる(p59)
セミナーで先生と生徒になる
著者は顧客獲得の仕組みとして、「紹介」「異業種提携」「セミナー」が重要としています。ここでは「セミナー」の要点のみ要約します。
なぜ「セミナー」が重要かといえば、先生と生徒という立場になるからです。「セミナー」で、そうした関係性を構築し、サービスが必要ということを気づかせるのです。関係性を作るために、著者のセミナーの参加者上限人数は、会場でもオンラインでも「5人」だという。
そして「セミナー」の中で、契約に向けた個別相談を告知します。そのためにアンケートで「個別相談を希望する」の選択欄を記載し、セミナー中に「この場で申し込みができます」と告知し、終了後に1人ずつ声をかけて個別相談の意向を確認するのです。
アンケートでは他に、個別相談時に役立つ情報を質問し、今後の集客に使える「参加者の声」を集めるので、その記入と回収は、確実にセミナーの時間内に済ませましょう。
セミナーの場合、参加者の人数が増えれば増えるほど、個別相談の申込率は減少します(p31)
個別相談は問題点を明らかにする場
個別相談の場では、解決策を示しません。個別相談では、見込み客の問題点を明らかにするだけです。
そして、個別相談の場では、先生と生徒という関係性が大切です。だから最初に「先日のセミナーで、学びや気づきになったことを教えてください」と聞いて、先生と生徒の関係性を再認識してもらうという。
見込み客の問題点を明らかにして、最後に「この問題点をご自身で解決されますか。お手伝いもできますが、どうされますか」と問うのです。
多くのコンサルの失敗パターンは、個別相談の場で「解決策」を示してしまい、見込み客から「今回は自分でやってみます」とノウハウだけ取られてしまうことだという。
決定権者と個別相談を行う・・・前段階であるセミナーに決定権者に参加してもらえるような工夫が大切(p274)
「異業種提携」とは
セミナーや勉強会を行うにしても、集客が大きな課題です。そこで効果的なのが「異業種提携」です。これは顧客リストを持っている異業種と、お互いメリットのある形で提携することです。
例えば、あなたが歯科コンサルなら、歯科医院に納入している歯科材料卸会社と提携します。歯科材料卸会社に「歯科向け患者増セミナー」を共同開催するように提案するのです。
歯科材料卸会社から見れば、お客様である歯科院長に「患者を増やす情報」を提供できて、自分は「患者増サービス」を売り込めるというわけです。このように「異業種提携」は、提携先にメリットを与えることた重要で、セミナーや勉強会が最も提案しやすいという。
盛り沢山でポイントだけ紹介しました。遠藤 さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・あなたか契約したいサービスがなんなのか。契約の対象者が誰なのか。対象地域はどこなのか、ということを考えていくと、そもそもセミナー開催が有効なのかどうかなのはもちろん、セミナー参加者の集客方法もおのずと決まってきます(p26)
・セミナーや勉強会の参加人数は、1人でもOK・・・早く始めて、なるべく多くの経験を積むほうが賢明です(p256)
・たった2時間のセミナー1回で、関係性を構築し、あなたのサービスが必要ということを気づかせるのは経験上かなり厳しいです(p53)
▼引用は、この本からです
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遠藤 晃 (著)、日本実業出版社
【私の評価】★★★★★(95点)
目次
Prolougue 起業3年目までにやるべきこと
第1章 ここで差がつく!士業・コンサルタントの顧客獲得の考え方
第2章 理想の顧客に選ばれる「サービス設計」と「関係性の戦略」
第3章 「 あなたにお願いしたい」といわれるために
第4章 高確率成約のカギになる!顧客化導線とリスト構築の実践法
第5章 〈戦略的顧客獲得ノウハウ1〉「紹介」で顧客を増やす
第6章 〈戦略的顧客獲得ノウハウ2〉「ジョイントベンチャー(異業種提携)」で顧客を増やす
第7章 〈戦略的顧客獲得ノウハウ3〉「セミナーや勉強会」で顧客を増やす
第8章 個別相談での本気のクロージングテクニック
Epilogue 「労働集約型」から「価値拡張型」へ
著者経歴
遠藤 晃(えんどう あきら)・・・遠藤晃顧客教育研究所㈱ 代表取締役。チームNo.1代表。顧客教育の専門家。コンサル型ビジネスにおける集客から顧客獲得までの仕組みづくりをサポートし、ニッチな分野のNo.1を育成することを得意とする。養成塾の修了生は延べ2,600人を超え、主宰するコンサルタントのコミュティ「チームNo.1」は延べメンバー2,600人。
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