【書評】「2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全」堀江貴文
2025/10/08公開 更新

Tweet
【私の評価】★★★☆☆(77点)
要約と感想レビュー
ホリエモンの見たAIの未来
ホリエモンこと堀江貴文さんの未来予測です。未来は正確に予測することはできませんが、今、起きていることから推測することは可能なのです。
まず、AI(人工知能)の大きな可能性を指摘しています。例えば、2023年の琉球大学の卒業式で、卒業生代表がChatGPTの書いたテキストをもとにした答辞を読み上げた事例。ほんの数分で答辞を仕上げたという。
また、国際的な権威のある写真コンテスト「ソニー・ワールド・フォトグラフィー・アワード」2023年の入選作品の1つにAI画像が選ばれたという事例もあります。
ホリエモン自身も、取材を受ける際、先方からの質問に対し、ChatGPTの回答案を参考に回答しているという。AIの使い道としては、あれはなに?なんで?どうして?と質問する子どもの話し相手に最適でしょう。
街中の防犯カメラ映像とAIを組み合わせれば、犯罪者が犯行におよぶ事前の挙動から察知し、犯罪防止にAIが役立つし、中国では使われているのです。
将来は、資料作成などの作業はAIがやってくれるので、自分の強みに磨きをかけ、人材価値を高めておかないと仕事がなくなってしまう可能性があるのです。したがって、もっともおすすめの投資は、自分への投資であるとしています。
私が勧める投資は自己投資だ。大きなリターンを得たいなら起業がベストだろう(p64)
ホリエモンの社会問題解決
ホリエモンは起業家らしく、社会問題解決のためのアイデアが豊富です。例えば、「教師不足」の学校はどうするか。その答えは、塾と同じように「ビデオ授業」を導入すればいいと提案しています。
違法駐車を撲滅したいならば、緑のおじさんを使うのではなく、スマートフォンで撮影した駐車違反車両の写真を、そのまま警察に送信できるアプリを導入すればいい。
満員電車を解決したいならば、ラッシュ時間だけ運賃を上げればいい。ホテルのように、需要に応じて価格を変えればいいのです。
沖縄も世界のリゾートを参考にすれば、世界屈指のリゾート地になれるとしています。
ハワイのようにきちんとプロデュースすれば、沖縄は世界屈指のリゾート地になれる・・・課題は・・ホテル不足だ・・・2つめの課題は・・・基地経済である・・わざわざ観光客向けのビジネスに力を入れなくてもいい(p85)
日本経済の未来
日本円は円安となっていますが、円安はしばらく続きます。
円安によって、出稼ぎする人が増えます。例えば、手取り20万円だった介護士が英語を学びオーストラリアで働いたら月給80万円近くになった事例。日本で年収300万円だった寿司職人が、アメリカで年収8000万円になった事例があるという。
また、外国人の来日が増えて、観光収入伸び、外貨収入のある輸出産業も潤います。その結果、円安がしばらく続くと、為替レートは再び円高方向に振れていくことになりますが、それはかなり先のことでしょう。
課題としては、高度経済成長した1970年代に作られたインフラが耐用年数の50年を超えて、壊れはじめます。改修されていない橋の数は、全国で3万2000箇所もあるという。
また、寿命が伸びたことで、老人の定義が変わります。年金の受給年齢は上がり、就労する老人が増え、労働者不足をカバーすることになるでしょう。
老人の定義が変わる・・・現在の65歳はとても若い。あの明石家さんまさんは68歳だ(2023年現在)(p115)
今起きている未来
外国人技能実習制度については、安い賃金でこき使う「現代の奴隷制度」であるとし、適切な人件費で経営できな企業は潰れたほうが社会のため、とまで言っています。外国人を入れるなら富裕層であり、シンガポールやドバイのように経済特区をつくり、株式の譲渡益課税を低くすれば、富裕層や投資家を誘致できると提案しています。
ホリエモンは宇宙ロケット開発に投資していますが、ウクライナ戦争で、宇宙輸送の2割を担っていたロシア分が消えたのです。その分、日本の宇宙開発の拡大を予想しています。
また、光回線に匹敵する通信速度を達成しているStarlinkの技術により、ドコモやauが莫大なコストをかけた基地局が不要になると予測しています。
未来は今、起きているのですね。堀江さん、良い本をありがとうございました。
無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信) 3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。 |
この本で私が共感した名言
・狭いコミュニティで相性ぴったりの、まして一生を捧げるにふさわしい相手とめぐり合うのは宝くじに当たるようなものだ・・マッチングアプリなら、コミュニティは一気に拡がる(p018)
・リアルの強み・・・仲間たちとのホームパーティ・・・アイデアがどんどん膨らんでいく・・SNSやニュースでおもしろい人を見つけたら積極的にアポイントを取り、直接会うようにしている(p105)
・世間話めあてにコールセンターに電話してくる高齢者が増えているらしい・・・高齢者たちの「話したい欲求」をビジネスに活用する企業が増えていく(p153)
・地上波テレビがオワコンになりつつある・・・でもテレビ局はまだひとつだけ強力な武器を持っている・・・テレビ番組である商品が取り上げられると、その商品が飛ぶように売れる・・・私も、自分が主催するミュージカル公演の時期には、宣伝を兼ねて「サンデージャポン」に出演している(p172)
▼引用は、この本からです
Amazon.co.jpで詳細を見る
堀江貴文 (著)、徳間書店
【私の評価】★★★☆☆(77点)
目次
1 AI―シンギュラリティ到来。恐れるのか、それとも楽しむのか
2 お金・経済―史上空前の人口減、少子高齢化。あなたがいまやるべきことは?
3 仕事・暮らし―あらゆる局面でパラダイムシフトが起きる。本質を見抜け
4 産業―スケールするもの、縮小するもの。その明暗を読み解け
5 テクノロジー―すべての常識が覆される。未来は希望と興奮に満ちている
著者経歴
堀江貴文(ほりえ たかふみ)・・・1972年、福岡県生まれ。実業家。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事。会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」は、1500名近い会員。いくつかのプロジェクトを展開
この記事が参考になったと思った方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
この記事が気に入ったらいいね!
コメントする