「死なないように稼ぐ。: 生き残るビジネスと人材。」堀江 貴文

【私の評価】★★★★☆（85点）

要約と感想レビュー

アイデアがあればすぐに実行

2020年頃、コロナ禍の中でほりえもんこと、堀江貴文さんが自らのビジネスの取り組みを解説した一冊です。堀江貴文さんは「和牛」と「ロケット」を中心にビジネスを進めています。それ以外にも良さそうな仮説（アイデア）があれば、すぐに検証（実行）しているという。

例えば、ロケット開発で北海道大樹町に行っているときに、本格的なパン屋さんは過疎地でも繁盛できる仮説を検証するため「小麦の奴隷」というパン屋を作ったという。「小麦の奴隷」では、パン製造簡略化のため4時間もかかっていたパン生地製造を工場でまとめて作って冷凍。お店では冷凍生地からパンを成形して、焼くだけにし、製造時間を大幅に短縮し、誰でもパン屋に参入できるようにしているのです。

「小麦の奴隷」・・オンラインサロン「堀江イノベーション大学」のコミュニティに投げかけ、サロンメンバーが動き、爆速でプロジェクトを進めていった（ｐ6）

試行錯誤をハイスピードで繰り返す

それ以外にも、北海道で「蝦夷マルシェ」という居酒屋を作り、アルコール類はすべて缶でお客さんがセルフで取るようにして簡略化しているという。「和牛」では、営業時間は1時間限定で、1万円のラーメンしかない「マシのマシ」というラーメン店を展開しています。ラーメンに神戸ビーフを300グラム乗せて差別化しているのです。

堀江さんの頭にあるのは、検証する回数こそが成果を出すための唯一の方法ということです。ちょっとしたアイデアを実現するだけで差別化することができる可能性があるのです。でも結果はわからないから、そのときのベストと思われる方法を試し続けたら、突然売れるようになったという。こうした試行錯誤をハイスピードで死ぬほど繰り返すことで、無理やり成功させてきたと堀江さんは言うのです。

ピカソが世界一有名な画家になれたのは、作品数が圧倒的に多いからだ。秋元康が日本を代表する作詞家になれたのも圧倒的な作品数の賜物・・打席に立つ回数こそが成果を出すための唯一の方法なのだ（ｐ9）

人の10倍努力する

堀江さんは人の10倍は努力していると書いています。実際、メルマガ「堀江貴文のブログでは言えない話」は10年以上、毎週発行しています。家事をしないので、ホテルかウィークリーマンション住まいだし、移動はタクシーや個人ジェットだし、雑務はマネジャー任せ。すべての時間を、仕事のアウトプットに使って、自分の時間を最大化しているというのです。

堀江さんが伝えたいのは、何かにのめり込むことです。関心があることにのめり込んで、あとになって結果的にお金になったり、役に立つことがあるのではないかと語っています。

そして、人生で大切なのはお金よりも「健康」が重要でり、「健康」と「人間関係」さえあれば、お金はいらないといっています。お金が先にあるのではなく、お金はついてくるものだと理解しました。堀江さん、良い本をありがとうございました。

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この本で私が共感した名言

・「コンビニに勝てるかどうか？」と問うことが、これからのビジネスのキーになる（ｐ40）

・テレビ局を買収してやりたかったことは、まさに「アマゾンプライム」に近い・・サブスクでテレビのコンテンツなども見られる（ｐ60）

・時給換算してタクシーに乗れないような稼ぎだったら、その仕事に価値ははい。タクシー代をケチるような仕事はするな（ｐ171）

・Twitterをやっていると、小学生に戻った感覚になる。話が噛み合わない人ばかりなのだ（ｐ181）

・誹謗中傷は絶対にやめたほうがいい。心を傷つけるだけでなく、人の命を奪ってしまうこともあるからだ。命を奪うなら「殺人」と変わらない（ｐ194）

▼引用は、この本からです

堀江 貴文、ポプラ社

【私の評価】★★★★☆（85点）

目次

序　章　稼ぐための仮説と検証
第１章　変化できる者だけが生き残る
第２章　「世界観」と「体験」で稼ぐ―繁盛する飲食店と生き残る人材
第３章　生き残るための起業、挑戦、リスタート
第４章　「働き方改革」ではなく「生き方改革」
第５章　批判に負けないで

著者経歴

堀江貴文（ほりえ　たかふみ）・・・1972年福岡県生まれ。1991年東京大学入学、のち中退。1996年、有限会社オン・ザ・エッヂ設立。2002年、旧ライブドアから営業権を取得。2004年、社名を株式会社ライブドアに変更し、代表取締役ＣＥＯとなる。2006年１月、証券取引法違反で逮捕。2011年4月懲役2年6ヶ月の実刑判決が確定。2013年3月に仮出所。

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