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【書評】「億万長者のコミュニティ資本論」嶋村吉洋

2025/12/09公開 更新
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「億万長者のコミュニティ資本論」嶋村吉洋


【私の評価】★★★★☆(81点)


要約と感想レビュー


自分のコミュニティは最強

自分を応援してくれるコミュニティをつろう!と提案する一冊です。著者はコミュニティの一例として、沖縄のある島のお店で、常連さんが自主的に掃除や料理をし、お店の売上アップの戦略会議まで開いている事例を紹介しています。


また、自分でお店を新規開店したり、保険の外交員になったとき友人や親戚がお客になって助けてくれるのもコミュニティの力でしょう。さらに中国を脱出した華僑も強い絆を持った仲間内でお金を循環させることで、ビジネスを成功させているのです。


そういえば、倫理法人会も会員が会費を払いながら、セミナー運営から講演者招請、新規会員募集までやって、会員相互で仲間意識を持って活動するまさにコミュニティです。


お店ができると、みんなが訪れるので、開店直後から、かなり盛り上がります・・コミュニティがあることで「失敗しにくい」(p92)

コミュニティの作り方

コミュニティづくりの第一歩は、価値観の合う人を3人見つけることだという。


著者は価値観の合う人を探すために、若い頃から他のコミュニティに参加していました。運がよければ、自分の考え方に賛同してくれる人と出会えるし、そうでなくてもコミュニティ運営のノウハウを学べるからです。


著者が10代のときは、早朝営業のフィットネスクラブの会員になり、お金持ちっぽい会員に「私は商売で成功したいと思っています」「よろしければ、仕事について教えていただけませんか?」と教えを請うていたという。


コミュニティに入れば、その会員から知識や経験を教えてもらう「きっかけ」が作れるというわけです。だから、日頃はどんな場所でも、「いい人材だな」と感じたら、自分のイベントに誘ったりしているという。


広い意味での人間関係であれば、私はできるだけ多くの人に声をかけて、「友だちになること」を目指します(p134)

著者のコミュニティビジネス

著者のコミュニティビジネスでは、1500名のメンバーと100以上のプロジェクトを動かしていると紹介されています。そして、メンバーはコミュニティ内でお金を使うという原則があり、勧誘もしているようです。


現在、著者が保有している資産が株式だけで100億円ということは、仮に相場の変動で2倍になっていたとして購入金額の50億円をどうやって手に入れたのでしょうか。


仮に1000人のメンバー、100のプロジェクトから50億円を作ったと仮定すれば、一人から500万円、1プロジェクトから5000万円を著者は得たことになります。1プロジェクトで5000万円のリターンを得るために1億の売上が必要と仮定すれば、1000人のメンバーが10人の顧客を連れてくるとして、一人当たり1万円の支出という計算になります。 


プロジェクト自体の成功確率を100%としてこの数字ですから、他に何かレバレッジする仕掛けがあるのかもしれません。


引っ越しする際は、不動産仲介をやっているコミュニティメンバーに依頼する。難しいですか?(p235)

お金に縛られない人生を目指す

著者は、自分の時間を切り売りする人生ではなく、お金を働かせる資本家か、ビジネスオーナーになることを推奨しています。


確かに、大きく儲けるためには資本家やビジネスオーナーとしてお金を投資するのが近道です。しかし、その対価として常に投資が失敗しないかどうか、不安になることでしょう。コミュニティがあれば、その心配が減るというのが著者の理論だと思いました。


著者は「成功者」の定義として、誰からも束縛されず、またお金にも縛られない自由な立場で、自分のやりたいことを実現できている人たちとしています。実はお金がなくてもやりたいことをできるという視点もあるので、著者のお勧めするコミュニティを無理して作ったり、コミュニティに無理に入る必要はないでしょう。


いずれにしろ、自分のコミュニティを持っていれば、何をやっても成功する可能性が高いはずです。素の自分を受け入れてくれる自分のコミュニティを育てていきたいものです。 嶋村さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・私は、「最低でも3年間は命がけでやる気がありますか?」と加入希望者に問い、答え場が曖昧な場合は、加入をお断りします(p106)


・中心メンバーは毎朝6時からリモートで会議を続けています(p108)


・私が評価するのは、やる気があって、前向きに行動する人です(p100)


・私がビジネスで最も大切にしている習慣、それがメールやLINEなどの「即レス」です(p204)


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「億万長者のコミュニティ資本論」嶋村吉洋
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嶋村吉洋 (著)、プレジデント社


【私の評価】★★★★☆(81点)


目次


第1章 会社組織の時代から、仲間(コミュニティ)の時代へ―「会社」という幻想の終焉と、新しい働き方のリアル
第2章 「コミュニティ」って一体何なのか?―ミクロの可能性を最大化する
第3章 「人を惹き寄せる仕組み」をつくる―どうすればコミュニティを拡大できるか
第4章 どんな組織よりも強い「チーム」になる―利益よりも信頼による「絆」をつくる
第5章 コミュニティビジネスを成功させる習慣術―今からでも実践できるマインドセット
第6章 みんなが儲かる、「ものすごい未来」へ―コミュニティの力で加速する無限の可能性


著者経歴


嶋村 吉洋(しまむら よしひろ)・・・実業家。投資家。兵庫県出身。10代で起業。投資家としてサイバーエージェント、テレビ東京、朝日放送HD、オリコンなど数社の大株主。資産は数百億円。また、ビジネスコミュニティ「ワクセル」を発足。1,500名に及ぶコラボレーター(協力者)が参画し、100以上のプロジェクトを創出。さらに、映画製作でエグゼクティブプロデューサーとして関わった作品が、アメリカやヨーロッパ、韓国などの国際映画祭で受賞を重ね、最新作はネットフリックスで6か国の1位と2位、アメリカの配信で初登場第1位にランクインしている。


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