【書評】「1100億円アイデアの生み出しかた」津谷祐司
2025/11/19公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(88点)
要約と感想レビュー
事業のアイデアはやりたいことから
アプリゲームの世界で累計1100億円を売り上げてきた著者から、アイデアの出し方を教えてもらいましょう。
最初にブログや事業のアイデアを考えるときは、自分が本当にやりたいこと、魂を込められるネタを追求せよと助言しています。つまり、自分が熱中できることの中から市場性がありそうなものを選ぶのです。逆に言えば、売れているジャンルでも興味が持てないのであれば、手を出さないということです。
具体的には、A4用紙1枚に、仕事や趣味のスキル・経験を「自分は何が得意なのか?」と問いながら、書き出します。
大切なのは、自分の中にある「熱量」です(p159)
お客が興味を持ちそうなものを選別
自分のできそうなことを考えたら、次は市場性、事業性です。つまり、お客に受け入れられるのかということです。著者は「なぜ顧客は自社の商品を選ぶのか?」と考えているという。ビジネスとは「自分とお客の接点」を探ることなのです。
著者は携帯のiモード向けサービスを提供していたとき、ヒットが出ずに資金繰りが厳しくなっていました。その時、儲かっているのは、着メロ・占い・待ち受けの3つだけと知って、物語ゲームにこだわりすぎていた自分に気づいたという。
そこで、待ち受けサービスを開発して、業績は回復したというのです。それもアイデアは、デパートで見かけた真っ青な空と海のポスターから発想して、「恋のメッセージ付き待ち受け」を開発したのです。
ネタを考えるとは、「自分が提供できるもの」の中から「お客が興味を持ちそうなもの」を見つけ、それを「魅力的に膨らませる」ことです(p21)
アイデアを出す秘訣
アイデアが出やすいのは、歩いているときです。著者は、家やオフォス周辺を、メモ用紙を片手にぐるぐると歩きながら考えているという。
また、ベッドにはポストイットとボールペンを常備して、明け方にベッドで目が覚めたときは、そのまま目を閉じてアイデアを考えるという。
アイデアとは基本的に組み合わせであり、異業種・過去の経験・異文化・技術など意識的に異なるものを組み合わせて考えることもあるという。また、AIツールであるChatGPTも素早く大量の候補を出すツールとして活用しているようです。
「外から新しい要素を取り入れるか?」「今あるものを新しい視点で組み直すか?」(p88)
アイデアを磨く
事業のアイデアでは、それぞれ収益性、コスト、実現性、ニーズ、リスクなどで評価し、外部の人から評価を受けることもあるという。アイデアを絞り込んだら、簡単なテストを行うことで、評価が正しいのかどうか検証していきます。
結局、アイデアの出し方は他の書籍と同じようなものでした。あとは、考え続けるしかないということなのでしょう。
それでも考える型が書かれてあるので、実務の参考になると思います。津谷さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・アイデアを評価し、絞り込む・・外部視点を活用し、客観的な評価を得る・・簡易テストの実施(p139)
・私にとって「2年3年追いかけてきた得意分野」は広告と映画でした(p161)
・実体のあるビジネスでは「実現可能なアイデア」が求められる(p25)
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津谷祐司 (著)、ぱる出版
【私の評価】★★★★☆(88点)
目次
第1章 稼げるアイデア発想の「型」と「手順」を見極める
第2章 解決アイデア 問題の在りかと原因をはっきりさせ、変化を与える
第3章 ネタアイデア 多様に掛け合わせ、アイデアの数を出す
第4章 広がったアイデアを評価し、絞り込む
第5章 新事業アイデアは、4要素の一致点を探る
著者経歴
津谷祐司(つたに ゆうじ)・・・株式会社ボルテージ 代表取締役社長。東京大学工学部卒業後、博報堂に入社。29才から3年間休職しカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA) 映画学部・監督コースに自費留学。帰国後は博報堂で社内ベンチャーを立ち上げ、1年で黒字化させる。独立後、携帯マルチ対戦ゲームでMCF特別賞を受賞、資金3億円を集める。その後4年の赤字に苦しむも、7年目に恋愛ゲームをリリースし成長軌道に乗る。売上120億円、同分野で世界一の規模となる。47才で東証マザーズ上場。翌年に東証一部に市場替え(当時、史上最短)。年30%成長を10年続け、デロイトFast50を8年連続で受賞。累計売上は1100億円を超えている。
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