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【書評】「カラダが20歳若返る!和儀 医師もみとめた狂言トレーニング」茂山千三郎

2025/11/18公開 更新
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「カラダが20歳若返る!和儀 医師もみとめた狂言トレーニング」茂山千三郎


【私の評価】★★★☆☆(77点)


要約と感想レビュー


狂言師の歩き方

京都を毎日2万歩以上歩いて、膝が痛くなってきたとき、この本の歩き方をしたら楽になったのでご紹介します。和儀とは「狂言」から生まれた健康法です。「狂言」の呼吸法、姿勢、歩き方が健康寿命を伸ばすと主張しています。


まず、歩き方は「ナンバ歩き」です。昔の日本の歩行法で、腕は振らず、足のかかとから着地せず、身体もねじりません。武士や飛脚や忍者などが、長距離を疲れずに移動するために用いたのが「ナンバ歩き」なのです。相撲のすり足も「ナンバ歩き」です。


「ナンバ歩き」をすると、膝や腰の関節にかかるストレスが減りと、膝や腰の病気予防になるという。負担が少ないのは、間違いありません!


狂言の摺り足は、上半身のブレをなくし、床をなでるように足を運ぶ独特な歩行法です(p17)

狂言師の構え

狂言の構えとは、身体の軸を垂直にし、膝を軽く曲げて腰を落とします。足のかかとは拳一個分分けて、足はやや逆ハの字になります。身体の軸は垂直なので、腰を反らさず突き出さず垂直のまま落とします。


この正しい狂言の構えにより骨盤が正しい位置に保たれ、腰への負担が減るという。確かに、楽になりました!


狂言では、この仙骨を立てた構えから、摺り足で歩きます。ただ、実際にやってみると、摺り足だと遅くなるし、靴の底が減るような気がして実用性はないと思います。


腰を反らさずに落とすことで、骨盤が正しい位置に保たれ、腰椎への負担が軽減されます(p56)

狂言師の呼吸法

そして狂言師の呼吸法は、丹田(たんでん)を意識した深い腹式呼吸です。中村天風の丹田呼吸法と同じです!丹田呼吸法とは、腹が背中にくっつくまで息を吐き切り、横隔膜を上げる呼吸法です。


腹横筋、骨盤底筋など、体幹の深層筋肉が鍛えられ、内臓を刺激します。中村天風の丹田呼吸法では肛門を締めますが、狂言では肛門は締めず、つねに脱力を意識するという。


「吐き切る」動作は、単なる呼吸法の一部ではなく、体内の酸素供給を最適化するための重要なプロセスです(p34)

狂言師の礼儀

狂言では礼儀を大切にします。「礼」とは、感謝や敬意の表現すること。「儀」とは礼儀や儀式で調和すること。狂言では、観衆に感謝の気持ちを持って演じる者には「花がある」と表現するのです。


狂言の心と体の在り方が、よくわかりました。日本古来の考え方に光を当てる良い本だと思います。茂山さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・「和儀」は、670年以上続く狂言の伝統的な身体技法や呼吸法をもとにした新しい健康法です(p3)


・ナンバ歩きの場合、肩は動かさない、足のかかとから着地しない、身体はねじらない、上半身を上下に動かさず丹田から運ぶという動作になります(p71)


・狂言師は、喉は締めずにリラックスした状態で、丹田を使って声を出していきます(p42)


・草履は鼻緒を足の親指と人差し指などでつまんで歩きます(p71)


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「カラダが20歳若返る!和儀 医師もみとめた狂言トレーニング」茂山千三郎
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茂山千三郎 (著)、秀和システム新社


【私の評価】★★★☆☆(77点)


目次


第1章 和儀があなたの人生を変える
第2章 「丹田呼吸」の実践と効能
第3章 姿勢は「軸」を意識しよう
第4章 歩き方を変えよう。摺り足で「運ぶ」
第5章 大事な「丹田」を中心にした総合的健康法


著者経歴


茂山千三郎(しげやま せんざぶろう)・・・1964年生まれ。祖父・三世茂山千作(人間国宝)、父・四世茂山千作(人間国宝)に師事。三歳、「業平餅」童にて初舞台。50カ国におよぶ海外公演。デビュー作ミュージカルドラマ「ONATSU」では現代劇・オペラ・ミュージカル・狂言をユニットさせる。2013年堺シティーオペラ「ちゃんちき」の演出で「UFJ信託銀行奨励賞」受賞。京都大学前総長 霊長類学者 山極壽一とともにゴリラの一人狂言「ゴリラ楽」発表。1999年「京都府文化奨励賞」2004年「京都市芸術新人賞」2014年「京都府文化功労賞」受賞、2021年、茂山千五郎一門から独立、父・祖父から受けた薫陶を咀嚼し、自らの狂言道を極める決意をする。


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