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「身体構造力 日本人のからだと思考の関係論」伊東 義晃

2024/08/01公開 更新
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「身体構造力 日本人のからだと思考の関係論」伊東 義晃


【私の評価】★★★☆☆(76点)


要約と感想レビュー

身体のバランスを取り戻す

仙台に評判の整骨院があるということで読んでみました。首や肩や腰が痛いのに、病院では何とも治らないという人が整骨院を訪れるのだという。


レントゲンで背骨の中の脊柱管が狭窄して椎間板ヘルニアと診断された人でも、実は痛みの原因は別にあるということもあるそうです。人の骨格構造のバランスが崩れるような身体の使い方の間違い、運動量の不足、不良姿勢によって痛みが出ることがあるのです。


また、プラセボ効果といって、ニセ治療でも3~6割の患者に効果が出るというのですから、さらに、何が原因なのか、何が効果のある治療なのかわかりにくくなっているのです。そこで、身体全体を見て、バランスを取り戻すことによって痛みを減らすところに、整骨院の存在意義があるのです。


マニュアル化されたコンビニ医療に失望し・・人々は街の整骨院、整体院、鍼灸院などに救いを求めることになるわけです(p7)

人それぞれ身体の歪みはちがう

人の身体の構造の歪みは、脳や内蔵の働きから思考まで、大きな影響を与えるという。


例えば、首の骨である頸椎(けいつい)の中には椎骨(ついこつ)動脈が脳に血液を送っています。頸椎が歪むと、動脈が蛇行し、めまいや失神してしまうことがあるという。また、首の骨(頸椎)の歪みは脳脊髄液(のうせきずいえき)の循環の不具合を起こすことさえあるのです。


膝の痛みであれば、正座をして膝関節の完全屈曲による太もものストレッチで改善されることがあるという。太ももの筋肉が固まってしまうと、膝の皿の骨の動きが制限され、痛みの原因となることがあるのです。


結論から言うと、人それぞれ身体の歪みはちがうので治療法もばらばらだというわけです。


人間の歪みは心も身体も千差万別です(p175)

整骨は治療、整体はリラクゼーション

整骨院・接骨院とは別に、リラクゼーションを目的とした整体業界に新規参入者が増えてきました。著者は「波動整体」「宇宙整体」「量子整体」など根拠が薄いサービスに否定的なようです。宗教ビジネスの手法を活用したものや、飲食店経営のようなフランチャイズで安易な拡大経営が目に余るということなのでしょう。


私は痛みの治療とリラクゼーションは別物とすれば、保険適用されない「いい加減」な整体はお客が許容すれば問題ないと思いますが、著者としてはお客様が困っていることの根本を整骨で解決したいという思いが強いのでしょう。最近、太もものストレッチをしていないので、習慣に取り入れたいと思います。伊東さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・運動が脳ニューロンの大量新生を起こすことが分かっています(p38)


・クッション性の高い、高機能なランニングシューズは百害あって一利なしです。その登場によってアスリートの故障が増えた(p94)


・女性の犯罪の62%が月経直前に起こり、月経直後にはそれが2%にまで減少する(p83)


▼引用は、この本からです
「身体構造力 日本人のからだと思考の関係論」伊東 義晃
伊東 義晃、幻冬舎


【私の評価】★★★☆☆(76点)


目次

1 身体と構造の力
2 身体を忘れた日本人
3 混沌の整体業界


著者経歴

伊東義晃(いとう よしあき)・・・1970年宮城県仙台市生まれ。株式会社医道研究社代表 易筋洗髄堂伊東鍼灸整骨院 院長 龍水気功道場主幹 幼少より治療家であり気功師である父、伊東龍水の薫陶を受ける。日本大学芸術学部演劇学科入学(のちに転科)同学部文芸学科卒。日本大学大学院芸術学研究科博士後期課程単位取得。大学在学中に演劇集団を結成。帰郷し以降、20年間で延べ8万人以上の患者に施術を行う。幅広い横断的な知識と様々な治療方法を惜しみなく駆使する総合整体を行う。比較統合医療学会、日本柔道整復接骨医学会 日本ソマティック心理学協会会員 日本構造医学会会員。


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