「追及力 権力の暴走を食い止める」望月衣塑子 森ゆうこ
2019/01/05公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(65点)
要約と感想レビュー
思い込み、論点ずらし、感情的な議論ばかり
官邸での記者会見において東京新聞の望月衣塑子記者が、自分の意見を言うために質問とは思えない質問を繰り返していることが批判されています。官邸としては東京新聞の望月衣塑子記者のこうした質問に制限をつけようとしているようです。
私はこうした変な記者の質問を制限するのはやり方としては間違いだと思います。逆にどんどんくらだらない質問をしてもらい日本国民にマスコミがいかに劣化しているか、レベルが低いのか知らしめるほうが良いと思うのです。そのためには望月衣塑子記者のような人が必要なのです。
笑えるのは、事実に基づかない思い込み、論点ずらし、的外れ、感情的な議論ばかりで、批判するばかりで自分のことを顧みないということ。普通の企業は、一つ間違うと会社が消滅してしまうこともあるという厳しい中で生きています。それに対していかにマスコミがいいかげんなのか、誤報に対して責任を取らないのか自ら語っています。マスコミは真実・事実はどこにあるのか、真面目に取材、検証してもらいたいし、そうでなければ存在する意味はないと思います。
・望月 私は質問する中で感じたのですが、記者って文章で批判したりしても、自分が顔を出して矢面に立ち、結果責任を負うとうのはあまりないんですよね。万が一、誤報をしてしまってもクビになることもないですし(p66)
裏を取らない情報発信
裏を取らず、感覚や噂で発言をしているところが気になりました。本当に東京新聞のプロの記者なのか疑問に思います。このような人が会社の代表として官邸の記者会見に出てくる状況ですから、マスコミの暴走ここに極まれりです。
望月衣塑子記者は、加計学園の関係者から「たぶん安倍さんは2人で何かを食べたり飲んだり遊んだりしているときはほとんど加計さんに出してもらっていると思う」と言っていたということを伝聞で書いています。また、望月衣塑子記者は同じようにテレビ朝日の早河洋会長と安倍さんの関係によって、姜尚中(かんさんじゅん)や浜矩子といった安倍元首相を批判をしている人や『報道ステーション』の女性プロデューサーが外されたと書いています。
こうした裏を取らない情報発信が安部首相の暗殺につながったと私は感じるのです。マスコミという巨大権力・暴力を国民は監視していかなくてはならないのでしょう。そのことを気づかせてくれる一冊でした。望月さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・諦めない心と継続すること。そう考えると、追求力の根源は「パッション(情熱)」なのかもしれません(望月)(p7)
・社会部だと、汚職や金の流れなど、権力の裏側を取材して書くのが仕事ですから、権力を監視するのが大前提なんですね・・・一方で、政治部の記者の中には、権力の側とある意味で一体化することによってネタをもらい、権力者と同じ目線でものを書く人もいます(望月)(p74)
・森 東京電力柏崎刈羽原子力発電所に1発でもミサイルを撃ち込まれたらおしまいですよ。北朝鮮にしてみえば、戦争になれば後のことなんて知ったこっちゃないわけだから、そういう可能性もありますよ。それらを冷静に見て、それでもやりますかと。雰囲気だけで「けしからん北朝鮮、けしからん中国、けしからん韓国」とか言って、「北朝鮮なんかやっちまえ」みたいな、そういうムードをあおっているでしょう。ものすごく危険だと思いますよね(p191)
▼引用は下記の書籍からです。
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【私の評価】★★☆☆☆(65点)
目次
はじめに 「追及力」は記者や政治家だけのスキルではない
序章 私たちの原点
第1章 森友・加計問題の真実を求めて
第2章 権力の暴走を食い止めるために
第3章 問う技術
第4章 「国難」の本質を衝く
終章 出る杭として打たれても
おわりに カッコつけずにストレートに聞く
著者経歴
望月衣塑子(もちづき いそこ)・・・1975年、東京都生まれ。東京新聞記者。慶應義塾大学法学部卒業後、東京中日新聞社に入社。千葉支局、横浜支局を経て社会部で東京地検特捜部を担当。その後経済部などを経て社会部遊軍となり、官房長官記者会見で問題質問を連発。
森ゆうこ(もり ゆうこ)・・・1956年、新潟県生まれ。現在、立憲民主党所属の参議院議員(3期)。立憲民主党副代表・参議院幹事長・拉致問題対策本部長。新潟大学法文(現・人文)学部英文科卒業。元横越町議。元文部科学副大臣。
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