「資源争奪の世界史 スパイス、石油、サーキュラーエコノミー」平沼 光
2021/07/25公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(65点)
要約と感想レビュー
歴史の中で国際社会は、資源を武力で奪い合ってきました。最初の資源は、スパイスです。金と同じ価値があったスパイスを手に入れるために、西欧諸国は大海に乗り出し、リスクを分散して儲けるために株式会社を作ったのです。資本主義とは、資源争奪戦の中から生まれたともいえるのでしょう。資源は、石炭から石油からガスと移り替わってきました。
後半は、再生可能エネルギーと資源の再利用(サーキュラーエコノミー)を推奨しています。この主張に不信感を感じるのは、不安定電源である太陽光、風力を限界費用がゼロだから安いので経済的と推奨しているところでしょう。確かに限界費用はゼロですが、建設費が高いので、実際には高いコストを私たち需要家が負担しているという事実を知っているのでしょうか。
数字と事実で現実の本質をとらえることのできない文系さんの典型だと感じました。こうした人が政策を考えるとやばいので、専門家として情報発信するならば、もう少しだけでよいので現実を知ってもらいたいものです。平沼さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・胡椒(ペッパー)、クローブ(チョウジ)、ナツメグ、シナモンは、世界の歴史を動かした四大スパイス(p18)
・オランダ東インド会社の設立により統制され、オランダの力は増した。1605年にはポルトガルからモルッカ諸島を奪うことに成功(p30)
・クローブやナツメグをマレー半島西方のペナン島に移植するなど原産地以外の栽培地が広がっていった(p36)
・スタンダードオイル・・・石油の探索、産出といったリスクの高い石油産業の上流部門は避け、リスクの低い下流部門を掌握するというロックフェラーの戦略の勝利(p70)
【私の評価】★★☆☆☆(65点)
目次
第1章 スパイス戦争―資源争奪の大航海時代
第2章 近代化の扉を開けた石炭
第3章 資源獲得競争を加速させた石油、天然ガス
第4章 気候変動時代の資源エネルギー
第5章 エネルギー転換が生み出すエネルギーの新潮流
第6章 廃棄物が資源の主役となる未来
終章 日本が資源エネルギー争奪で生き残るために
著者経歴
平沼 光(ひらぬま ひかる)・・・東京財団政策研究所 研究員。日産自動車株式会社勤務を経て、2000年東京財団研究員兼政策プロデューサー、2018年より現職。外交・安全保障、資源エネルギー分野のプロジェクトを担当。
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