「即買いされる技術 キャッチコピーはウリが9割」弓削徹
2021/07/26公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(95点)
要約と感想レビュー
「ウリを見つけるセミナー」で教えていること
プロのコピーライターが商品の「ウリを見つけるセミナー」で教えている内容を暴露する一冊です。ウリとは、その商品の強み。UPS(ユニーク・セリング・プロポジション)です。フェデックスなら「翌日配達」、アスクルなら「明日にはクル文房具」がUPSです。
ところが、企業の多くが商品のウリ(UPS)を勘違いしていることが多いという。その証拠にエジソンは、蓄音機を「ビジネスメモを録音できる事務機器」として売り込んでいたし、肌のシミを治すハイチオールCは当初、二日酔いの薬として販売されていたのです。
自ら決めた強みはたいてい間違っている・・・SONYが、はじめてテープレコーダーを開発したときも・・・最初は裁判所や法務省に売り込みをかけたのです(p4)
「なぜ商品を買ったのか」聞いてみる
なぜ、ウリがわからないのかといえば、プロであるがゆえの先入観であり、知りすぎているがゆえの罠なのです。だから、コピーライターに相談してみたり、お客様に直接「なぜ商品を買ったのか」聞いてみることが有効なのです。
著者の経験では、展示会で想定外のウリが見つかることもあれば、お客様に聞いてみると「会社が近くだから」という意外なウリが見つかるということもあるらしいのです。岡目八目、灯台下暗しとも言われるように無関係の素人のほうが、商品のウリに気づきやすいのでしょう。
総合展では、思わぬ出会いがあり、想定外のウリが見つかる・・・お客様がウリを見つけてくれる(p34)
圧倒的な数の事例
著者が教えてくれる圧倒的な数の事例に、びっくりしてしまいました。商品のウリには絶対的な法則があるわけでもなく、個別に考えていく必要があります。そうしたときに、我社の製品のウリを再発見できれば、もっと売れる可能性があるのではないか?、と思わせてくれる本でしたので★5とします。
良い商品が売れるのではなく良さそうな商品が売れる時代だからこそ、この本の価値があるのだと思います。弓削さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・「ブリーズライト」(鼻に貼ると気道が広がるシール)・・・発売当初は、「いびき防止」・・・一転して「つらい花粉症対策」と変わりました。さらに最近では「スポーツのパフォーマンスアップに」となっています(p85)
・駅から遠いことが弱点なら「雑踏を離れた隠れ家的レストラン」・・・回転率が低い状態なら「ゆったりくつろげるお店」・・・座席数が少ないなら「予約の取りづらいお店」(p161)
・イベント化・・・温泉旅館でも無数のネコと触れ合えるところ、鉄道模型が走っているところもあります・・非日常体験のできる演出もウリになるのです(p98)
【私の評価】★★★★★(95点)
目次
第1章 お客様が欲しくなる「セツジツ」を探す
第2章 広げるな! ターゲットは絶対に絞ろう
第3章 「商品」ではなく「使い方」を売ろう
第4章 強みを活かす? 弱みも立派な武器になる!
第5章 ウリを拡散するには「このやり方」でいく
著者経歴
弓削 徹 (ゆげ とおる)・・・コピーライター、製造業のマーケティング・コンサルタント。日本工業大学大学院教授。クリエイターとしてSONY、サントリー、JT、雪印などの大手企業から中小零細企業まで2,200社のマーケティング活動を担当して売上拡大に貢献する。「ノートパソコン」の命名者。これまで全国の商工会議所で「ウリを見つけるセミナー」など650回以上の登壇実績がある。中小機構の中小企業アドバイザー、復興庁の有識者会議委員を務めるほか、FMラジオJ-WAVE、TBSラジオなどの情報番組にコメンテイター出演。
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