「先生ビジネス「マーケティング」の教科書」五十嵐和也

【私の評価】★★★★★（94点）

要約と感想レビュー

研修講師の時給は低い

著者は会社員から中小企業診断士として独立しますが、顧客を獲得できず、800万円の借金を作ってしまいます。その後、一橋大学ビジネススクールで学び、研修講師として１年で256名の顧客獲得に成功します。ところが、研修講師の時給は低く、週130時間（1日平均19時間）も仕事をしていたという。

そこで仕事をパッケージ化して単価を高め、Web集客と顧客獲得型セミナーを組み合わせて、単価15倍での販売を成功するのです。この顧客獲得法を体系化し、先生業に特化した「志師塾」を開始し、1000名以上をサポート。コミュニティも1500名を超えるという。

志師塾のセミナーやコンサルティングにきていただく方の5割以上が、Facebook経由になっています（ｐ183）

高額商品パッケージを作る

まず、高く売れる商品を作る必要があります。つまり、顧客が高単価でも発注したくなるサービスをパッケージ化するのです。研修や講座であればカリキュラム、サービスならメニューを作ります。この本では、展示会営業に特化したコンサルタントや、高齢者福祉施設の空室率を減らす音楽療法「箏（こと）回想」などの事例が紹介されています。

商品パッケージを作るにあたって、顧客はなぜ、買うのか？顧客はなぜ、あなたから買うのか？という質問に答えられることが重要な視点になります。競合を調査することも必要でしょう。どんな競合がいて、競合の強み・弱みは何なのか、競合の進ない隙間領域はないか調べてみましょう。

これまでお付き合いしたお客様のうち、"好きな顧客"をターゲット顧客にしましょう（ｐ57）

顧客獲得型セミナーを開催する

次に見込み客を集めた「顧客獲得型セミナー」を開催します。セミナーを開催する理由は、見込み客に対して先生という立ち位置を確保するためです。「商品を買ってください」と見込み客にお願いするのではなく、見込み客から「先生、教えください」と言ってもらうのです。

「顧客獲得型セミナー」の場で契約を申し込まない慎重な見込み客は、個別相談に誘導しましょう。

セミナーは「先生業のコンサルティングや講座の価値を、疑似体験させる場である」（ｐ51）

個別相談での注意点

個別相談で注意するのは、解決策を具体的に話さず、見込み客の問題点を明確にするに留めることです。解決策を話してしまうと、「では、自分でやってみます」と考える見込み客が多いという。

個別相談で、問題点を明らかにしたうえで、「ご自身で勉強して解決しても良いですし、私がお手伝いして早く確実に進めることもできますが、どうされますか？」とクロージングすると受注しやすいという。

高く売れる商品を作りは、経歴や個性に合わせて考える必要があり、絶対的な答えはないので、各自試行錯誤が必要なのでしょう。そこに著者の指導が必要なのです。事例も多く、わかりやすいのがありがたいです。五十嵐さん、良い本をありがとうございました。

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この本で私が共感した名言

・SNSとは、対話と口コミのツールである（ｐ179）

・顧客獲得型セミナーのポイントは、断られる理由を洗い出し、その理由を潰すために、セミナーコンテンツを作り込んでいく（ｐ262）

・事業コンセプトに特化した専門サイトを作成・・・問題解決型ホームページを作成し、集客に繋げていきましょう（ｐ221）

▼引用は、この本からです

五十嵐和也、秀和システム

【私の評価】★★★★★（94点）

目次

第1章 素晴らしき先生業、でもその実態は
第2章 先生業における顧客獲得の全体像
第3章 あなたが選ばれる理由を作る「独自力」
第4章 価値を伝える「伝達力」
第5章 売れるパッケージをつくる「商品力」
第6章 Webを活用した「集客力」
第7章 セミナーブランディングによる「高額力」
第8章 契約を獲得する「決定力」
第9章 人脈を広げる「仲間力」
第10章 継続して成果を出し続けるために

著者紹介

五十嵐 和也（いがらし　かずや）・・・先生ビジネスプロデューサー、志師塾塾長。（株）エクスウィルパートナーズ代表取締役社長。1978年神戸生まれ、東京在住。
士業・コンサルタント・講師・コーチなど先生業の、受注力を高める専門家。「最短90日で新規顧客を２倍にする７つの能力」をベースに、Web集客・ブランディング・独立開業など、総合プロデュースを行っている。1,000名以上の先生業をサポートした実績を持つ。運営する先生業コミュニティは1,500名を超えている。

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