「営業の神さまが笑うとき」高橋恵
2024/03/20公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(94点)
要約と感想レビュー
おばさん営業+提案営業
著者はトップ営業マンからPR会社を創業して、その(株)サニーサイドアップは中田英寿やコシノジュンコをサポートし、東証一部に上場しています。
著者の営業スタイルは、保険のおばさんスタイルです。飴をあげたり、お礼状を出したり、合コンをセットしたり、相手に頼まれた以上のことを提供してお客さま一人ひとりと、強いつながりを作っていくのです。そうして相手を喜ばせたいという気持ちで動いていると、不思議と困ったときに助けてくれる人が現れるのだという。
また、雑談の中からお客さまの真のニーズを引き出して、買った先にある生活やメリットを想像させたりするのが、販売のコツだというのです。保険のおばさんが提案営業できるのですから、これは無敵営業ウーマンだなと思いました。
愛情もお金もモノも、欲しがるばかりではなく与えてみる。いまの状況を嘆くのではなく、つれないお客さまにお菓子の一つでもおすそ分け(p157)
次はどんなお宅かな?とワクワク営業
特に保険営業や飛び込み営業のようにほどんど断られる場合、10人に断られても「11人目に会えば、今度こそいけるかも」と思える前向きさが大切になります。お客さまに断られて、「あと少しだったのに」とか「どうしてだめなんだろう」などと悩んでしまうと、負のオーラが出てきて、さらに状況は悪くなっていくといのです。
著者は保険営業で団地などで飛び込み営業していたとき、主婦としてのお手本探しをしようと考えたという。この家の玄関には感じよくお花が飾ってある、真似してみよう。この家の玄関ではキレイに靴が揃えられている、真似してみよう。そう考えているうちに、「次はどんなお宅かな?」とかえってやる気がわいてきたというのです。「また断られるかも」と思いながら飛び込み営業するのと、「次はどんなお宅かな?」とワクワクしながら営業するのは全く成果が違うのです。
「あと少しだったのに」とぐずぐず未練がましく追いかけていると、負のオーラが出てきて、うまくいくものもいかなくなってしまいます(p51)
できそうなことを試して続けていく
70代となって著者が「おせっかい協会」でやっているのは、人を育てるおせっかいです。著者が若い人に言っているのは、周囲を気にするよりも、遠慮はほどほどにして、自分が思ったことを言葉に出し、行動していくことです。うまくいかなければ、反省して自分を成長させればよいのです。
また、「これなら自分でもできそう」「これをやってみたら面白くなりそう」ということを試して、続けていくことです。10年くらい続けると、その人の持ち味になっていくという。もし、「やる」か「やらない」かで悩んだとしたら、どちらのほうが、自分がより納得し、満足できるのか。自分軸で判断すればよいと、アドバイスしています。
著者の場合は、自分が飛び込み営業の大変さを知っているので、家に来た営業さんにはお茶を淹れたり、ときには食事をごちそうしたりするという。お客さまを紹介したこともあれば、自分の会社にスカウトしたこともあるというのです。著者に言わせれば、老後の心配するよりも、相手におせっかいを焼いてみる、焼かれてみる。そんな関係の人を持っていれば、老後も楽しいし、お金でも困らないようになるというのです。
自分を磨き、周囲から応援してもらえる人間的な魅力を高めよう(p217)
鳥のように自由に飛べるはず
著者は貧乏の中で10代であずけられた家で、ひどいいじめを受けました。いじめを受けてトラウマになってしまう人も多いのですが、著者はそれをエネルギーに変換したという。著者はトイレで泣いているとき、飛んでいく鳥を見て、頑張れば自分も鳥のように自由に飛べるはず、と考えたというのです。
自分を否定する厳しい環境に対し、「自分をダメな不要な人間」と思い込んでしまうのか、「やればできる」と考えて行動し続ける人になるのか。人間とは、考え方しだいでこんなにも変わるのか!とびっくりしました。
著者の「あなたはいま、5秒で動いていますか?」という問いに、「1秒でメルマガ書いています」と答えたいと思います。高橋さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・自分が「今日絶対に売る!」と決めたら、片道の新幹線の切符しか持たずに出張・・・お金もカードも持っていません・・決意通りに売り切りました(p36)
・全国の新聞社にプレスリリースを送るとき、商品の資料と一緒に、直筆の手紙を同封・・何百通も送りますから、作業は徹夜になってしまう・・その割に、反応はほとんどありません(p91)
・新しいことを続けていれば、日々、失敗だらけなんですから!悩んでいても仕方がない、失敗しないように今度はどうしようかと、考えられるようになっていく(p97)
・私を社外にいる社員として、一人分の給料を2か月払うつもりでお願いします(p120)
【私の評価】★★★★★(94点)
目次
第1章 5秒で行動しないことには成功も幸福もない
第2章 「スピードは失敗に勝る」と心得よう
第3章 常識で挑まない 人の心は情熱で動く
第4章 知識や経験を超える「愛情」を持とう
第5章 人間力とは「おせっかい力」のこと
著者経歴
高橋 恵(たかはし めぐみ)・・・1942年生まれ。一般社団法人おせっかい協会会長。3歳のときに父が戦死し、26歳でシングルマザーとなった母のもと、3人姉妹の次女として育つ。短大卒業後は広告代理店に勤務。同社を結婚退職後、2人の娘の子育てをしながらさまざまな商品の営業に従事し、トップセールスを記録。その後、40歳で離婚。42歳で当時高校生だった長女らと共に自宅のワンルームマンションで株式会社サニーサイドアップを創業。その後、長女に託した同社はジャスダック、東証二部を経て2018年に東証一部に上場する。60代は忙しく働く長女に代わって孫育てに精を出し、70代となった2013年には一般社団法人おせっかい協会を設立。全国各地の学校、商工会議所、企業などで講演活動をおこなう。
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