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【書評】印象操作が印象的な「新聞記者」望月 衣塑子

2018/05/05公開 更新
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新聞記者 (角川新書)


【私の評価】★★☆☆☆(62点)


要約と感想レビュー

悪質な質問で有名な望月記者

官房長官の記者会見でのおなじみの、印象操作を狙った悪質な質問で有名な東京新聞の望月記者の一冊です。望月記者はすべてを分かっていて敢えてやっているプロなのか、それとも田嶋陽子のような人なのか知るために読んでみました。結論としては田嶋さんと同じタイプと思われます。もし、そうでなければ、優秀なことを隠した細胞なのでしょう。


なぜなら望月 衣塑子は、この本で、すべてを鵜呑みにせず、裏を取る。誤った情報をつかまされても、恨んだりしない。嘘をつかれたほうが悪い、と思うようにしてきたと言いながら、「森友学園の籠池泰典前理事長が当初はなぜ建設していた小学校を一時は「安倍晋三記念小学校」と命名しようとしたのか」と書いているからです。


私はといえば、社内外から集中砲火を浴びることも増えた。記者として知りたいことを聞いているだけなのに・・頑張りたいけど意味あるかな・・なぜこれほど叩かれるんだろう・・(p220)

なぜ批判を受けるのかさえわかっていない

書籍の内容が事実と仮定すれば、そもそもなぜ批判を受けるのかさえ、わかっていないように見えるのです。例えば、菅首相に対し、「木で鼻をくくったような態度で定型句を淡々と繰り返し、一方的にコミュニケーションを絶ってくる」と批判していますが、それは自分の質問に該当することなのです。


さらには天下りで処分され、出会い系バーに出入りいていた前川前文部科学省次官を良い人のように記載している点も不思議です。加計学園問題は文科省と獣医師会が暗躍して獣医学部の新設を制限していたことが、諸悪の根源であることさえ、新聞記者なのにわかっていないのです。


加計問題の背後では官邸の人間たちが暗躍しているのは、もう明らかだ。ならば、だれを攻めればいいのか。内閣官房を束ねる菅義偉長官だ(p140)

東京新聞の責任

望月 衣塑子は、おかしいと思えば、納得できるまで何があろうととことん食い下がり、警察や権力者が隠したいと思うことを明るみに出すことをテーマとしてきたと、この本で言っています。つまり、そもそもマスコミ自体が権力であることを、望月 衣塑子は理解していないのです。もう少し、納得するまで取材して真実を把握してもらいたいものです。


本質的にいえば、こういう人を表に出して言わせている東京新聞の責任と言えるでしょう。一生懸命ではあるものの、本質が見えない人ほど手に負えないものはありません。望月さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・刑事部の鑑識を務めていたベテランの捜査員からこんなことを言われた。「頭がいいとか、どこの社とかじゃない。自分が新聞記者に情報を話すかどうかは、事の本質に関して、その記者がどれだけの情熱を持って本気で考えているかどうかだ」(p65)


・出会い系バーに通ったことを「視察調査」と表現したのはちょっと仰々しかったと、前川さんは何ともあっけらかんと笑った。「探検と言えばよかったかな」出会い系バーで話をした女性のなかには、高校卒業資格をもっていないケースも少なくなかったという(p131)


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【私の評価】★★☆☆☆(62点)


目次

第1章 記者への憧れ
第2章 ほとばしる思いをぶつけて
第3章 傍観者でいいのか?
第4章 自分にできることはなにか
第5章 スクープ主義を超えて



著者経歴

望月衣塑子(もちづき いそこ)・・・1975年、東京都生まれ。東京新聞記者。慶應義塾大学法学部卒業後、東京中日新聞社に入社。千葉支局、横浜支局を経て社会部で東京地検特捜部を担当。その後経済部などを経て社会部遊軍となり、官房長官記者会見で問題質問を連発。


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