【私の評価】★★☆☆☆(62点)
■朝日新聞出身の軍事ジャーナリストが
どんなことを言っているのかな、
と手にした一冊です。
2007年の本ですので、
ちょうど北朝鮮の核ミサイル開発が
問題となり、北朝鮮を米国が攻撃するのか、
それともどう対応するのか議論になっている
ときの書籍です。
■面白いのは、事実を並べつつ、
中国を共産党独裁と批判する人は、
バカ症候群であると断言していること。
中国を敵に仕立てるのは
良くないと主張していること。
中国の国防費の増加は、
日本の高度経済成長期と同じだから
問題ないとしていることです。
さすが朝日新聞出身だけあって
期待を裏切りませんね。
田岡 俊次さん
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・バカ派症候群・・数例を挙げておこう・・
中国が資本主義を採用して急速に発展し、
巨額の米国債を保有して米経済を支え、
証券取引所を設け、憲法を改正して
「私有財産の保護」を謳っていることや、
共産党が経営者の加入を求めて商工会議所化
しているなどの根本的変化を無視して、
「共産党独裁国家」と言う(p21)
・中国の公表国防費は1988年から2006年の
19年間で13.0倍・・
消費者物価の上昇率は・・86年から
05年の20年間で見ると、3.32倍だから、
実質3.91倍の増だ・・
日本の高度成長期と同等の
伸びであることは確かだ(p139)
・防衛省は、「中台紛争の際、中国軍が
琉球諸島の島を占拠する」ことを想定して・・
これは滑稽は想定だ。
1 中、台、米、日は「現状維持」で一致し、
中台間の戦争が起きる公算がそもそも小さい・・(p238)
・中国を敵に仕立てるな・・
国際政治の要諦は、敵はできる限り中立に近づけ、
中立国はなるたけ味方とすることにあり、
わざわざ中国を敵に仕立てるようなことは
愚の骨頂ではないかと考える(p268)
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【私の評価】★★☆☆☆(62点)
■目次
「バカ派」の増殖を危惧する
第1部 北朝鮮の核
第2部 中国の軍事力