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「蓮舫「二重国籍」のデタラメ」八幡和郎

2019/01/06公開 更新
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蓮舫「二重国籍」のデタラメ


【私の評価】★★★☆☆(70点)


要約と感想レビュー

蓮舫は17歳までは中華民国単独国籍の謝蓮舫

2016年の民進党代表選挙の際、候補者である蓮舫(れんほう)が違法な二重国籍ではないかと著者は指摘しました。著者が疑問に思ったきっかけは、村田レンホウ氏がなぜか中国名のファーストネーム蓮舫で出馬するということでした。日本の政治家として国家への忠誠心・愛着を感じかなったため、蓮舫氏について記事を書くために情報収集したら蓮舫事務所から回答が来なかったのです。


蓮舫は17歳までは中華民国単独国籍の謝蓮舫であり、法律改正によって日本国籍を取得して二重国籍になって謝蓮舫と斉藤蓮舫、結婚して謝蓮舫と村田蓮舫とのダブルネームになっています。国会議員選挙は芸名など通名で出馬することが認められているので、選挙活動は蓮舫でよいが、参議院議員としての正式名は村田蓮舫のはずだからです。


民進党の代表選前に、蓮舫と民進党幹部は、「蓮舫の中華民国籍は中華人民共和国の国籍法によって無効になっているので二重国籍でない」と説明をしています。著者が疑問に思ったのは、台湾人であるはずの蓮舫が、北京側の解釈に基づいた「一つの中国原則」を持ち出し、台湾の人々の国籍についても中華人民共和国の国籍法が適用されるとしたことです。


その後、蓮舫は17歳のときに離脱した、台湾籍が抜かれているか確認中などと言い訳をしましたが、すべて嘘であることが発覚します。最終的に、蓮舫(れんほう)こと中国名、謝蓮舫、日本名、村田レンホウ(通称名、村田蓮舫)の二重国籍であることを認め、日本国籍を選択する手続きをしたのです。


蓮舫は2016年の党首討論で安倍首相をして「息をするようにウソをつく」と批判しましたが、二重国籍問題では自分がウソをついていたのです。二重国籍となった人は、原則22歳までに国籍選択をすることが法律で義務とされており、国籍を剥奪されることもありえるのです。蓮舫は自分が二重国籍である、あるいは台湾籍または中国籍を保持していることをたびたびマスコミに語っており、二重国籍は意図的なものであったと思われるのです。


蓮舫が、「台湾籍の離脱手続きを17歳のときにした」と言えば、台湾の国籍法では20歳までできないことがその夜には明らかになったし、「台湾籍が抜かれているか当局が調べるのにかなりの時間がかかる」と言えば、台湾の官報はすべてネット上で公開されているので、読者が手分けして調べた結果、24時間以内に国籍離脱はされていないことが判明した(p6)

二重国籍で野党第一党党首を目指す

著者が危機感を持ったのは、野党第一党の代表が二重国籍で、しかも指摘されても嘘をついて隠し通そうとしたことであり、著者の告発がなければ、二重国籍のまま自衛隊の最高指揮官であり、外交責任者たる「総理」を目指す野党第一党党首となっていた可能性があったということです。


さらに蓮舫氏の安倍首相の個人批判や、歴史問題への発言などを見ていると、日本国への思いに疑問を持ちます。蓮舫は、1985年に法務局で日本の国籍取得手続きを行い、大学生としてタレント活動を始めたときに「(日本の)赤いパスポートになるのがいやで、寂しかった」「在日の中国国籍の者としてアジアからの視点にこだわりたい」などと朝日新聞のインタビューで述べています。


また2011年8月、蓮舫氏が総理補佐官として北京で行われたフォーラムに参加したとき、「私たちの歴史の中で中国を侵略し、あのつらい侵略戦争があった・・・時として閣僚や発言力を持った人たちが、中国の人民の気持ちを傷つける発言をしてしまうことがある」と発言していたというのです。


皆さんはどう思いますか?八幡(やわた)さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・二重国籍は日本では違法である。ケースによってはやむを得ない事情もあるので厳しいチェックをしていないが、蓮舫に特別な事情もない(p57)


・連合の神津里季生会長が「二重国籍の国会議員はほかにもいるのでそんな問題じゃない」と発言した。法律に反していることをどうでもいいと言うのは・・・(p199)


・間違って二重国籍者を代表に選ばないように親切にも教えてあげた私たちに対して「人権問題だ」「ヘイトだ」などと誹謗中傷するとは言語道断だ(p231)


・蓮舫本人については、平気で嘘をついて、しかも言うことが頻繁に変わるのがいけないと言う人が多いようだ。虚言癖というような捉え方もあるが、私はむしろ、強気一点張りの華人気質だと思う。習近平でもそうだが、中国の政治家もビジネスマンも、ともかく強気で非を認めない。すぐに謝る日本人とは好対照である(p233)


蓮舫「二重国籍」のデタラメ
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八幡和郎
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【私の評価】★★★☆☆(70点)


目次

第1章 蓮舫「二重国籍」疑惑とは何だったのか
第2章 そもそも「二重国籍」問題とは何か
第3章 ドキュメント蓮舫事件Part1(2016年8月11日~9月12日)
第4章 ドキュメント蓮舫事件Part2(2016年9月13日~10月30日)
第5章 謝家の男と女三代の物語
第6章 「帰化政治家」のアイデンティティ
第7章「蓮舫」はファーストネーム
第8章 蓮舫への台湾人の複雑な気持ち



著者経歴

八幡和郎(やわた かずお)・・・1951年、滋賀県生まれ。東京大学法学部を卒業後、通商産業省に入省。北西アジア課長、大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任。在職中にフランスの国立行政学院(ENA)に留学。97年の退官後、現在は徳島文理大学教授、国士館大学大学院客員教授を務めるほか、作家・評論家として、テレビなどでも活躍中。


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