「日本人よ。成功の原点に戻れ」マハティール・ビン・モハマド

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日本人よ。成功の原点に戻れ

【私の評価】★★★☆☆(74点)


■マレーシアでは93歳のマハティールが
 首相に復帰し、中国への依存関係の
 見直しを進めています。


 この本はマハティールが引退した
 2003年に書かれたもので、
 中国との共存を強調しているところが
 面白いところ。


 日本では株価が最低となっている時期で、
 銀行が不良債権の処理を進め、
 融資の貸しはがし、銀行の破綻など
 経済的には最低のときでした。


・「系列」のシステムも危うくなった・・・
 BIS規制を受け入れたことで崩壊し、
 銀行は系列を離れて合併を繰り返し、
 自己資本比率の向上のみを追求した結果、
 貸し渋りが横行して、日本経済の体力を
 著しく殺ぎ落とす結果となった。
 その結果、銀行も、企業も、安く買い叩かれて、
 買収された行き先はどこなのか、
 よく考えてみるとよい(p129)


■面白いところでは、
 1997年のアジア通貨危機での
 通貨の売り浴びせという
 マネーゲームを批判しているところ。


 また、グローバリゼーションという
 名の欧米スタンダードの強制にも
 不信感を持っていることでしょう。


 そしてそうした欧米の主張に
 従順に従う日本の姿勢こそが
 日本の危機であると主張しているのです。


・グローバリゼーションとは・・世界の標準化、
 同一規格化、ルール化である・・これによって
 得をする者は、西欧、特に自国のシステムを
 世界システムに適用しようとしているアメリカの
 企業家たちであることは明白であろう(p79)


■欧米のうまいところは、
 自分が不利になると
 自分が有利になるように
 ルールを変更してしまうことでしょう。


 それは銀行のBIS規制であり、
 経済では環太平洋パートナーシップ協定(TPP)、
 スポーツの世界でもルールを
 自分の有利なように変えてしまう。


 今後はアジア人がルールを
 作れるようになるのでしょうか。


 マハティールさん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・最近の日本の首相の平均任期は、
 実質二年ほどではなかろうか・・・
 一度リーダーを選出したら、そのリーダーが
 結果を出すだけの時間を与えることは
 重要である・・(p134)


・円高政策は、経済摩擦の非難をかわすために
 取られた対米妥協政策だったが、中国への
 シフトが終了した現在、いかに円安政策を
 取ろうとも、いまさら日本に対する投資が
 拡大することはないだろう(p139)


・野党の議員は、批判が職業である。
 批評家は、実際に物事を企画して
 作っていく仕事より気楽で責任がない。
 当然、国民の不満に応えるような
 政府批判は一般受けする。では、
 彼らが実際に国民の不満を打破するような
 政策を実行できるかというと、
 そうでもない(p185)


・マレーシアの将来の発展を真剣に考え抜いた際に
 到達した結論が「隣人を富ませよ」という
 政策だった・・われわれには産業がなかった。
 産業化に必要な技術力も、資金も、知識も、
 経営力もなかった。
 それでわれわれは外資の導入を促進した。
 われわれは日本企業を誘致し、日本企業は
 マレーシアに職をもたらした(p45)


・西欧の征服者は、征服した土地にキリスト教を
 もち込み、西欧的価値観を植え付ける一方で、
 現地の民族性や文化性は、変革するべきものか、
 または排除すべきものとして位置付けた(p78)


・ある通貨を大量に、一気に売り浴びせることで、
 通貨価格を下げ、価格が下がったところで
 一気に買い込んで、価格の上昇分の利ざやを
 稼ぐといった手口で利益を得出した・・
 このようなことがまかり通ること自体が
 道徳的にも、倫理的にもおかしい(p59)


・実際のところ日本人に支配されるくらいなら、
 イギリスの支配のほうがましだとさえ思っていた。
 ただ、それとは別の次元で・・同じアシアの国が
 西欧の強国を負かすことができるのだという事実が、
 衝撃としてわれわれの間に走ったのだった(p114)


・日本も、独自の民主主義、独自の文化、
 独自の進み方があってよいのである・・・
 実は、日本にとって最大の危機は・・
 日本人が日本に自信をなくし、
 外国のシステムの同調することで
 自らを救おうとしていることこそが、
 最大の危機なのではないかと
 思えてならない(p125)


・リーダーはまず、人々に目的地を見せて、
 なぜそこに行かなければならないかを
 説明しなければならない・・
 リーダーは人々が歩むべき道を
 作らなければならない。障害物があれば、
 リーダーはそれを取り除くための手段を
 示さなければならない(p204)


・メディアに情報コントロールは付き物である・・
 情報伝達の過程で、社主がコントロールし、
 編集長がコントロールし、さらには
 副編集長がコントロールする。コントロールには、
 必ずしも情報操作を必要としない。
 載せたくない情報は、黙殺すれば
 それでよいのである(p32)


・二十世紀のやり方は、力で決着を
 つけるやり方である・・・戦争になると、
 多くの血が流れ、多くの犠牲者が出る・・
 二十一世紀に、戦争は必要ではない(p211)


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■目次

序章 次世代のリーダーたちに
第1章 イラク戦争と五つの虚構
第2章 戦争の神はいない
第3章 世界規模の問題にどう対処するか
第4章 西洋の物質主義と東洋の精神主義
第5章 中国という無視できない現実
第6章 日本人よ。成功の原点に戻れ
第7章 教育と家族の大切さ
第8章 リーダーシップとは
おわりにかえて―二十一世紀は「世界の世紀」



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