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「徹底検証「森友・加計事件」―朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」小川榮太郎

(2018年7月31日)|本のソムリエ メルマガ登録
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徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪 (月刊Hanada双書)

【私の評価】★★★★☆(80点)


■先日、あるテレビ番組を見ていたら、
 大学関係者が、理系の獣医学部を
 新設しても加計学院は儲からない・・
 儲かるのは文科系の学部であると
 発言していました。


 そういえば、本棚に
 「森友・加計事件」の本があったな!と
 この本を手にしました。


 では、わざわざ儲からない獣医学部を
 加計学園が新設しようとしたのは
 なぜなのでしょうか。


 それは愛知県知事や関係者が
 不足している獣医学を学ぶ学生を増やすために
 10年以上前から活動してきたのであり、
 加計学園がカネ儲けのために
 申請していたわけではないのです。


・そもそも獣医学部新設を十年にわたり牽引してきたのは前愛媛県知事加戸守行であって加計孝太郎ではない・・・獣医学部新設を一貫して強く主張してきたのは、安倍ではなく国家戦略特区やその下部組織となるワーキンググループの民間委員たちだ(p3)


■朝日新聞の面白いところは、
 一般に「印象操作」と言われる
 見出しと内容が合っていない事例が
 あることでしょう。


 この本では、「総理の意向」の
 文書は文科省の内部文書の一部を切り取って
 あたかも「総理の意向」があったと
 ミスリードしているとしています。


 また、"安倍晋三首相の友人が理事長を務める
 学校法人『加計学園』"とか、
 "『官邸の最高レベルが言っている』などと
 書かれた文書"という決まり文句で読者の
 潜在意識に暗示をかける手法も紹介しています。


 意図的なのか、それとも単なる
 偶然なのか分かりませんが、
 何重ものチェックの後に
 報道されているはずですので、
 組織としての意思があるのでしょう。


・朝日新聞が・・一面トップで・・「新学部『総理の意向』」と横に大きくぶち抜き・・朝日新聞は、入手したスクープ文書の写真を一面左に大きく掲載しているのに、周囲に黒い円形のグラデーションを掛けて、一部しか読めないように細工を施している・・「総理のご意向」が書かれた同じ文書のすぐ下に、「総理が議長なので、総理からの指示に見えるのではないか」と書かれている・・指示がなかったからこそ「総理からの指示に見える」ような操作が必要だ‐この文書はそう読める(p152)


■なお、朝日新聞はこの本に「誹謗・中傷」が
 あったとして、著者と出版社に
 5000万円の損害賠償を求めて提訴しています。
https://www.asahi.com/corporate/info/11264607


 衝撃的なのは、訴状に
 「安倍晋三首相が関与したとは報じていない」
 と書いてあることでしょう。


 これだけの報道をしておきながら、
 「安倍晋三首相が関与したとは報じていない」
 とは、すごい。


 本書の内容としては、
 感情的な表現はありますが、
 できるだけ得られた情報を
 読者に伝えようとしていると感じました。


 なお、このメルマガは
 書籍の内容を紹介しているだけで
 「朝日新聞が印象操作をしているとは
 報じていない」ので、念のため。


 小川さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・朝日新聞は、この豊中市への売却価格に比べ、森友学園の価格は「同じ規模の近隣国有地の10分の1だった」と報道し、以後、他のマスコミも、その線に乗ったが、実は全く違う・・・豊中市には、同時期、国交省の住宅市街地総合整備事業国庫補助金として7.1億円と、地域活性化と公共投資臨時交付金として総務省、内閣府から6.9億円が支給されているのである・・豊中市の実質負担金は2千万円で、籠池の実質負担額より安い(p120)


・結果的に、資金繰りが困難で詐欺を働いていた事業者と契約するという行政判断の誤りが生じたのである。重大なことがある。安倍昭恵の名誉校長就任はこの四ヶ月後の事だ。以上のルーズな決定に、昭恵への「忖度」はありようもなかったのである(p136)


・証人喚問での主要なテーマは国有地売却を巡る経緯だった・・驚くべきは翌日の朝日新聞である・・一面の見出しは「昭恵夫人付職員が関与」だった・・・見出しは上から順に、「籠池氏『昭恵夫人から、口止めとも取れるメール』」「お人払いをされ、100万円を頂き金庫に」「夫人から財務省に、動きをかけて頂いた」・・朝日の見出しは、喚問全体の印象とは全く照応していない(p99)


・自民党の葉梨康弘は、平成26年に安倍晋三記念小学校と記載された振込用紙が某人に郵送されている事実を指摘・・午前中、籠池が、安倍が総理になる前の平成24年秋にはこの用紙を「消却」していたというのは偽証だったことになる(p94)


・籠池のように資金力もなく、平気で虚偽書類を提出する人物を、国有地売却と私立学校設立という公共性が重複する事案において、国の地方機関も府の機関も、全くチェックできなかった。特段の違法性や圧力の問題というより、府の私学課と近畿財務局の問題処理の杜撰さの問題であり、民間審議会のチェック機能の詰めの甘さの問題である(p135)


・森友の一件・・この問題を提訴した木村真市議は・・「連帯ユニオン議員ネット」副代表となっているが・・そもそも関西マナコンは過激な極左活動団体なのである・・・沖縄の反基地闘争に注力、「安倍政権打倒」等を掲げ、委員長の武健一は逮捕歴が実に三回・・同時に逮捕された武のボディーガード役は元山口組系の元組長(樺山勝美)であり、また、武は2003年、辻元清美議員に一千万円の献金をしている(p20)


・中でも、最たる記事は、三月十六日「籠池氏取材した作家が発言紹介」「稲田氏と握手し話した」と見出しを打たれた記事であろうか・・・朝日新聞はこの籠池の発言を菅野完に取材して記事にしている・・菅野は・・首都圏反原発連合(反原連)に参加・・「レイシストをしばく」と称する団体の結成メンバーだった・・朝日新聞が「作家」と銘打ち公然と取材源としていいような人物なのだろうか(p70)


・テレビは加計問題「閉会中審査」をどう報じたか?「加計問題」報道全体の時間=8時間36分23秒
 うち参考人を直接引用した各時間は・・2時間42分22秒
 前川喜平・前文科事務次官の発言を放送した時間2時間33分46秒
 加戸守行・前愛媛県知事の発言を放送した時間 6分1秒
 原英史・国家戦略特区ワーキンググループ委員の発言を放送した時間 2分35秒(p227)


・「総理の意向」の発言をしたとされるのは藤原豊審議官である・・藤原は経済産業省大臣官房付審議官、その序列は局長と課長の間であり、カウンターは文科省担当課長だった・・・課長とカウンターの藤原が総理と用談できるはずもない。そうした藤原が「総理の意向」を持ち出しても実際には安倍の具体的な意向と関係ないことなど霞が関の常識だ(p178)


・同じ戦略特区でも、42年ぶりに医学部として開学した国際医療福祉大学の方は・・・以下の人たちが天下りで役員や理事などに入り込んでいるのである。
  宮地貫一(元文科事務次官)副理事長
  佐藤禎一(元文科事務次官)教授
  渡部俊介(日経新聞論説委員)教授
  丸木一成(読売新聞医療情報部長)教授・医療福祉学部長
  水巻中正(読売新聞社会保障部長)教授
  金野充博(読売新聞政治部)教授
  木村伊量(朝日新聞前社長)特任教授
  大熊由紀子(朝日新聞論説委員)教授・・・
 全メディアがこれだけ遠慮会釈なく叩かれ続けるのも同様で、安倍自身が利権とよほど縁のない政治家だという証左と言えるであろう(p206)


・獣医師会会長の藏内勇夫は自民党福岡県議会議員の実力者で、麻生と懇意である。また、日本獣医師政治連盟委員長の北村直人は元自民党衆議院議員で、石破茂と親密な友人だ(p240)


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【私の評価】★★★★☆(80点)


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■目次

第一章 報道犯罪としての森友学園騒動
第二章 籠池劇場――喜劇と悲劇
第三章 森友問題の核心――九億六千万はなぜ一億三千万になったのか
第四章 加計学園――朝日新聞はいかなる謀略を展開したか
第五章 加計問題の真相に迫る



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