【書評】「国会議員に読ませたい「移民」と日本人」産経新聞取材班
2025/05/15公開 更新

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【私の評価】★★★★☆(83点)
要約と感想レビュー
クルド人の犯罪事件
埼玉県川口市などでトルコ国籍のクルド人問題について、「クルド人は出稼ぎで日本に来ているだけだ」と指摘する一冊です。一部のクルド人が、川口市の市民にどのような犯罪や迷惑行為を行っているのかまとめてみました。
犯罪としては、2021年10月に、19歳の無免許のクルド人がトラックで県道を横断中の69歳男性をはねて死亡させ逃走し、出国しようとしたところを逮捕されました。
2023年7月4日に川口でクルド人同士の殺人未遂事件が発生し、市立医療センターにクルド人約100人が集まり、救急受け入れが5時間半停止しました。
2023年8月1日に川口の商業施設に煙幕を出す花火を投げつけたとして14歳のクルド人が逮捕されました。
2023年9月26日に川口警察署内でジャーナリストを「殺す」などと脅して逮捕されたクルド人は、その後、不起訴処分となっています。
2024年3月7日に川口のコンビニ駐車場で、女子中学生に性的暴行をしたとして逮捕されたクルド人がいます。
2023年・・殺人未遂容疑で逮捕されたうちの1人がトルコに強制送還後に再入国し、再び川口市内で生活していた(p68)
クルド人の迷惑行為
それ以外にも交通事故では、車の所有者すらわからず日本人が泣き寝入りしている事案が数多いというのです。迷惑行為としては、クルド人若者グループによる改造車での一方通行の逆走や、道端で大騒ぎするなど何でもありなのです。
例えば、川口市の2階建てアパートでは2023年4月,3部屋にクルド人家族が入居し、深夜に大声で騒くので警察を呼ぶと,クルド人から日本語で「ババア出ていけ。あなたが出ていけば,私が入る。もっと騒いでやる」と威嚇され、女性は転居せざるを得なかったという。
2024年4月末には、資材置き場にクルド人100人以上が集まり,20台以上の車両が路上駐車。大音量で中東の音楽を流すので、警察に通報するも、路上駐車については「邪魔じゃないからいいだろう」と移動を拒み、主催者は「大金をかけて音響施設を用意したので,音は絶対に下げない。音で取り締まりをしてみろ」と凄んでみせたという。
職務質問した警察官を罵倒するところをクルド人トラック運転手が,動画を自らSNSに拡散していた事例もあります。動画では「バカか。在留カードなんか見せないよ。持ってるけど,見せないって決めてるよ。知るか!バカ!」と警察をバカにしています。
解体工事会社を経営する30代のクルド人はフェラーリを所有しており,時速170キロ以上で運転する動画を交流サイトへ投稿していました。速度超過については「映っているのは自分ではない」と否定しているという。
解体工事会社のクルド人経営者は、「仮放免中のため,数カ月に一度,東京入管へ出頭している。不安定な立場だが,仕事は続けられている」と説明していました。入管庁によると特定活動で在留が認められていても,人を雇用する仕事をすることは認められていないというので、法律無視なのです。
さらに、川口市の解体資材置き場では、建築申請のない構築物が7棟建てられたり,木が伐採されたり,市の水路が壊されたりする被害も確認されています。そこで川口市では資材置き場の新設そのものに規制をかけることにして、一定の広さ以上の設置を許可制とする条例を2022年7月に施行しています。
廃材を満載して高速道路を走るトラック。運転手は中東系だったという=2023年、埼玉県内(p29)
なぜクルド人が増えたのか
なぜクルド人が増えたかと言えば、日本とトルコの間で短期滞在の査証(ビザ)免除があるからです。航空券を確保すれば,パスポートだけで来日し,最長90日の短期滞在の在留資格で入国し、3か月後,難民認定を申請して滞在を継続できるのです。
また、民主党政権の2010年に難民申請から6カ月たった申請者に就労できるよう運用を変更したため、就労は認められているのです。その結果、川口市では約2千人のトルコ国籍者がおり、大半が難民認定申請しているクルド人とみられています。
もちろん、難民認定される人はほとんどおらず、「仮放免」中の立場であることも少なくなく、事実上、不法滞在の状態で住民票や在留カードなどもないクルド人が川口市に多数存在しているのです。
川口市は、人口約60万人のうち外国人住民数が約4万3千人(2024年1月時点)と人口の7.2%を占める(全国平均は2.7%)(p16)
クルド人は出稼ぎのために来日
クルド人が出稼ぎで来日していることは、2004年に法務省入国管理局が難民認定申請者の多いトルコ南部の複数の村を現地調査し「出稼ぎ」と断定する報告書をまとめています。ところが、日本弁護士連合会が「人権侵害」と問題視したことから、調査結果は公表されなかったというのです。
この本では、報告書で「出稼ぎ村」と断定していたトルコ南部の村を取材しています。村人は「日本はビザなしで簡単に行ける」「働くために日本へ行っている。短期滞在で入国して,翌日からカイタイで働けるのだ」と証言しています。
村人約1100人のうち1割近くの100人ほどが日本にいる村の村長は、「みんな仕事の機会を求めて日本へ行った。単純に経済的な理由だ。一人が行くと、親族や知人が彼を頼って日本へ行く」と証言しています。
日本で13年間働いていた47歳のクルド人男性は「難民なんて嘘。みんな上手にウソをつく。入管で「国に帰ったら殺される」「刑務所へ入れられる」と言うでしょ?全部ウソ。本当にウソ。日本で仕事したいだけ。お金がたまったら、村へ帰る。私の国で迫害なんて絶対ない」と証言しているのです。
さらに状況証拠として、クルド人の難民認定申請には、毎年秋に来日と申請が急増し、その一部は翌年夏までに申請を取り下げてトルコへ帰国するという周期があるという。この背景にはトルコでの生業である牧畜などの農閑期、農繁期のサイクルに合わせて移動しているというわけです。
「トルコ政府からの迫害」を理由としたクルド人・・彼らの多くは就労目的だと思う。なぜなら彼らはパスポートも持っているし、来日する航空機代もある・・彼らは何か問題を起こすとトルコ大使館へ保護を求める(p39)
クルド人問題の闇
この本が問題視しているのは、左側のメディアが、このような川口市やクルド人の現状を伝えずに、地元の市民を「かわいそうなクルド難民をいじめる悪い日本人」として報道していることです。さらに、大手メディアがクルド問題を報じない理由は、「ヘイトスピーチだ」「外国人差別だ」と批判を受けるからだというのです。
クルド人は出稼ぎで日本に来ているという事実を報道しようとすると、批判されるので報道できないのです。産経新聞取材班がこの本を書いているのですから、そうした圧力は事実であり、覚悟をもって書いているのでしょう。
給料の安い移民を推進することで、日本国民の所得は下がります。そもそも日本の低所得の一般市民の味方であるはずの左側の政党や日本弁護士連合会が、移民政策に積極的なことには矛盾があります。裏に何かあるのでしょう。
もう少し調査を進めたいと思います。産経新聞取材班の皆さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・トルコ人ジャーナリスト・・「日本のルールやマナーを守らないのは、彼らがトルコのいなかから、いきなり日本の大都市へ来たからだ。要するに、いなか出身者の行動だ」と指摘。「彼らがルールを守らないなら警察が注意する。それでも聞かなければ罰金を課せばよい」(p237)
・2023年11月29日:トルコ政府が日本クルド文化協会と代表者らについて、PKKに資金提供している「テロ組織支援者」と認定、トルコの資産凍結を公表(p33)
・2024年2月25日:2月18日にJR蕨駅周辺で行われたデモの際、日本クルド文化協会関係者が「日本人死ね」とも聞こえかねない発言をしたと指摘され同協会が釈明、謝罪(p33)
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産経新聞取材班 (著)、産経新聞出版
【私の評価】★★★★☆(83点)
目次
第1章 メディアが報じないクルド人
第2章 川口で何が起きているのか
第3章 難民ビザ、仮放免、強制送還
第4章 絶対に「移民」と言ってはいけない国
第5章 人生を丸ごと引き受ける覚悟はあるか
第6章 クルド人が川口を目指す本当の理由
クルド人関連書籍
「国会議員に読ませたい「移民」と日本人」産経新聞取材班
「移民リスク」三好範英
「ぼくたちクルド人: 日本で生まれても、住み続けられないのはなぜ? 」野村昌二
「クルドの夢 ペルーの家 ー 日本に暮らす難民・移民と入管制度」乾 英理子
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