「徹底検証 テレビ報道「嘘」のからくり」小川 榮太郎
2018/01/29公開 更新

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【私の評価】★★★☆☆(76点)
要約と感想レビュー
■平和安全法制(安保法制)、
テロ等準備罪、加計学園問題・・
様々な政治問題が
テレビで報道されています。
しかし、どうしてテレビ番組は、
正しい情報提供よりも
視聴者をコントロールしようとするのか?
そうした状況のデータを
集めた一冊です。
・テレビは加計問題「閉会中審査」をどう報じたか?前川喜平前文科事務次官・・行政が歪められた・・2時間33分46秒
加戸守行前愛媛県知事・・歪められた行政が正された・・6分1秒(p185)
■普通の人は気付いていると思いますが、
加計学園の問題は、
安倍首相の問題ではなく、
文科省と国家戦略特区の問題。
森友学園の問題は、
安倍首相夫人が絡んでいましたが、
大阪府と財務省の問題。
安保法制は、
戦争をするための法律というより、
アメリカに日本を守ってもらうための
法律でした。
北朝鮮、中国からすれば、
日米の結束が弱くなってほしいわけで、
テレビ局は忖度しているかのように
普通の人には見えるのです。
・テレビと新聞が連日、安保法制反対の大合唱をして、「戦争法案」と叫び、「この法案が通ると徴兵制になる」、「戦争に巻き込まれる」、「赤紙が来る」・・2年が過ぎ、今や、北朝鮮危機の中、安保法制の成立による日米同盟の堅固さのアピールは、日本の安全の命綱となっています(p48)
■どうしてテレビ局は、安倍政権を
終わらせたいのでしょうか?
著者の仮説は、北朝鮮、中国、韓国の
情報工作が浸透しているという
ものですが、状況証拠しかありません。
この本は状況証拠を集めたものですので、
そこから先は国家機関または
テレビ番組のスポンサーの仕事なのでしょう。
小川さん
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・『報道ステーション』(テレビ朝日)、『NEWS23』(TBS)、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)などでは「イギリスなど先進国では首相の解散権は制限されている、それなのに安倍首相は」云々と、ここに来て、突如外国の制度を持ち出して批判・・政権に問題があれば、「解散して国民の信を問え」と叫んできたのはマスコミの方なのです(p13)
・安保法制をねじ曲げて伝えたテレビ報道・・「戦争っていうのはいつの時代でも起きる可能性があるので、いわばなんらかのその安全装置を、やっぱ外してしまうと、とどめもなくそこに、こう流れ込んでいくと思うんですね。今その瀬戸際なんじゃないでしょうかね・・」平成27年1月4日、『サンデーモーニング新春スペシャル』(TBS)での姜尚中(カンサンジュン)氏の発言です(p58)
・古舘伊知郎(司会者)「若い人たちが切実に聞こえるのは、それはもちろん、いろんな考えの人が若い人たちの中にも千差万別あると思うけれども、やっぱりこれから先何かあった時には、駆り出されるかもしれないのは若い人たちですからね!」(p62)
・岸井「私はこれ、衆議院で強行採決した時から、ある種の権力の暴走と呼んでもいいじゃないか。与党の中でも、ブレーキが、自民党、公明党の中に何で出てこないのかな。非常に不思議ですね」・・この法案は、審議時間は約216時間、戦後最長審議の一つです(p76)
・各局報道番組における検証・・特定秘密保護法案・・
ニュースウオッチ9(NHK)賛成46%
NEWSZERO(日本テレビ)33%
報道ステーション(テレビ朝日)17%
NEWS23(TBS)15%
ワールドビジネスサテライト(テレビ東京)42%
NEWS JAPAN(フジテレビ)34%
合計 賛成26%(p78)
・ニューヨークの国連総会・・演説全文をきちんと読めば分かるように、安倍首相は北朝鮮問題の経緯を丁寧に説明しているのであって、圧力を連呼などしていません・・・テレビ各局が強調したのは、やはり安倍首相が「必要なのは対話ではなく、圧力なのです」と断言した場面でした(p101)
・この演説に対してとりわけ厳しい非難を浴びせたのは、テレビ朝日「報道ステーション」でした・・
富川悠太(キャスター)「選挙目当てで危機を煽ったんじゃないかという見方を取られても仕方ないという」
後藤「そうですね、それだけの強い言葉の連発でしたねえ」(p107)
・『報道ステーション』・・テロップには「憲法改正の行方・・『緊急事態条項』独ワイマール憲法の"教訓"」・・古舘氏は次のように語り出します・・「日本、憲法改正というものが徐々に視野に入って・・国家緊急権を悪用する形で結果ナチの台頭があった・・将来、緊急事態条項を、日本で悪用するような、想定外の変な人が出てきた場合、どうなんだろうということも、考えなければという結論に至りまして、私一泊三日でワイマールに行ってまいりました」(p127)
・嘘の情報をばらまく『サンデーモーニング』・・平成29(2017)年4月23日の番組のタイトルが、「"共謀罪"論戦 一般人も捜査対象に?」です・・関口宏「国家権力が国民を監視するというね、なーんかこういういやーな時代に逆戻りしやしないかっていう・・心配もありますよねえ?」岸井成格「そこなんですよね。これはもうね、捜査当局のね、長年の執念なんですよね!・・」・・内心の自由とテロ等準備罪は関係ありません。指揮命令系統を持つ犯罪集団が、メールなど物証を伴った場合、懲役4年以上に該当する重大犯罪の準備段階で、これを逮捕できる・・いっぱいこれのどこに内心の自由の問題が絡んでくるのでしょう(p160)
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【私の評価】★★★☆☆(76点)
目次
第1章 暴走するテレビの選挙報道
第2章 安保法制報道の悪夢
第3章 情報工作が紛れ込む危険地帯―テレビによる北朝鮮報道
第4章 『報道ステーション』という「罠」
第5章 『サンデーモーニング』―日曜日、朝の憂鬱
最終章 テレビはひどい、では視聴者はどうしたらいいのか―コンシューマー運動の提案
巻末参考資料 TBS社による重大かつ明白な放送法4条違反と思料される件に関する声明