「定期預金しか知りませんが、私、本当にお金持ちになれるんですか?」渡邊一慶
2022/10/12公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
要約と感想レビュー
お金の基本についてまとめた一冊です。日本人の家計の株式資産は9.6%。ヨーロッパの家計の株式資産は17.2%と日本は現金・預金の比率が高くなっています。この家計の投資比率を上げるために、日本政府はいろいろな制度を準備しています。それがNISA少額投資非課税制度です。利子への課税が免除されるので、もし投資を考えているならNISAを使わない手はないでしょう。
もちろん投資の王道は大きな失敗をしないことです。そのためにも株式投資するなら個別株式ではなくTOPIXなどの指数に連動した手数料の安いインデックスファンドにして10年、20年といった長期保有をすること。株式、債権、不動産、日本、海外と分散投資をすること。年齢が上がれば、株式の比率を下げて債権や不動産などの安定投資の比率を上げていくなどの基本は守りたいものです。
・少額投資非課税制度・・・NISAは年間120万円×5年間の非課税期間なので、最大600万円・・つみたてNISA制度は、年間40万円の非課税枠が最長20年(p198)
最低でも手取りの2割を投資、1割を預金に確保しておくことと、資金確保の基本を教えてくれるところがありがたいですね。どうしてもムダなものを買ってしまったり、サブスクでマンガやゲームや動画を毎月一定額で見れる契約をしがちなのが普通の人でしょう。そうした固定費を見直すことが節約の王道であり、特に保険や自動車保有の見直しが有効なのです。
また株が上がった、下がったに一喜一憂するのではなく、10年、20年といった中長期で投資を考えることで失敗の可能性は減っていきます。どんなに株式が暴落しても20年、30年と下がり続けることはないのです。実際、日本もバブル崩壊から30年で最高値水準まで戻しているのです。
・節約できるものは節約する。特に保険の見直しは有効(p260)
株式投資とは、お金が余っている人が、お金を必要としている事業家にお金を出してあげるいうことです。投資というと「危険」なイメージがありますが、余裕資金を必要な人に「返さなくていいよ」と出してあげて、儲かったら一部をご祝儀としてもらうというのが正確な表現でしょう。
日本でも個人が株式を購入するようになれば、銀行からお金を借りなくとも、株式を上場して資金調達することが容易になるはずです。投資では大失敗しないことが大切と、元証券会社社員らしくないアドバイスが素敵だと思いました。基本的な内容ということで★3とします。渡邊さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・投資とは、お金が余っている人が、お金を必要としている人に出資することにより、私たちの経済を回すこと(p39)
・やがてバブルははじけます・・・投資では、大成功をすることよりも大失敗をしないことのほうが大切なんです(p128)
・アメリカは株式型、日本は預金型、ヨーロッパはバランス型(p56)
・預金、投資、保険を3割ずつ保有しよう(p71)
・メインバンクが発行した金融債・・・"銀行の倒産"という同じリスクを取っているのであれば、リターンが高いほうが賢い(p124)
【私の評価】★★★☆☆(74点)
目次
序章 私、本当にお金持ちになれるんですか?
第1章 「資産運用の王道」を教えてください
第2章 お金持ちって債券が好きなんですね
第3章 「最強ポートフォリオ」の作り方って?
第4章 いつまで投資してればいいんですか?
第5章 それでも迷ったり困ったりしたら
著者経歴
渡邊一慶(わたなべ かずよし)・・・株式会社マネージュ代表取締役社長。ファイナンシャル・プランナー、マネー教育アドバイザー。1983年、愛知県生まれ。関西外国語大学を卒業後、三菱UFJ証券に入社。毎月1000万円以上の新規開拓に成功し、1年目で社長賞を受賞。2年目も投資信託販売キャンペーンでトップの成績を残し表彰。アメリカのシティバンク銀行からヘッドハンティングされて転職。当時の最短記録でCitigold Executiveに昇進し、アジアパシフィックでAwardを受賞。その後、スイスのUBS銀行へ転職。クライアントアドバイザーとして、金融資産2億円以上の富裕層顧客の資産管理を担当。2016年に独立して現職。
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