「60歳からはやりたい放題」和田 秀樹
2025/03/10公開 更新

Tweet
【私の評価】★★★★☆(89点)
要約と感想レビュー
若々しさを保つ秘訣
タイトルどおり60代からはやりたい放題に生きることが、若々しさを保つ秘訣です。特に60代の男性こそやりたい放題で、意欲的で社交的に生きていくことを推奨しています。
なぜなら、男性は歳とともに男性ホルモンの分泌が減り、だんだん意欲を失っていくのに対し、女性は男性ホルモンが比較的増え、元気で社交的になっていくことが多いからです。
また、ストレスをなくして、嫌いなことはなるべくやらず、楽しいことを優先しましょう。そうすれば、免疫機能も高まるのです。
「今日は肉が食べたい」「今日は甘いものが食べたい」・・60代以降の方は、好きな食事を好きなように食べるほうが健康に良いのではないかと思っています(p48)
余命と生活の質を考える
医学的にも最近の調査では、痩せ型の人よりも小太りの人が6~8年は長生きすることが発表されているという。好きなものを食べてもよいのです。
また、血圧が高いから食べ物を制限したり、薬を飲む人もいると思いますが、実は、血圧の高さが健康や寿命に関与しているかというと、わからない点が大きいというのです。さらに薬で血圧を下げることで、めまいという副作用に苦しむ人もいるくらいなので、160~170前後の血圧であれば、それほど気にしなくても問題ないという。
そもそも高齢者は余命が少ないので、病気を治療すべきか、それとも生活の質を優先するか考えるべきなのです。例えば、80代になって、「ガンで余命はあと3年です」と言われた場合、抗がん剤の副作用で苦しむのか、それとも治療せずに残された時間でおいしい食事や楽しい旅行を楽しむという選択肢もあるわけです。
「薬が多過ぎる」と思ったら医師に伝えよう(p102)
会社以外の居場所を作る
日本の多くの人は60歳から65歳で定年を迎え、会社という居場所がなくなります。さらに、60代で子どもも成長して親元を離れ、ちょうど親の介護もはじまり、精神的に落ち込む人が増えるという。
そうした落ち込みを避ける著者のお薦めは、自分の興味のある仕事であれば、リタイアせずに働き続けることです。また、会社以外の居場所を作っておくことも大切で、会社を辞めたときの喪失感を回避できるという。
「会社以外の居場所」を作っておくことで、会社を辞めたときの喪失感を回避することができます(p126)
お金は使うほど幸福になる
不安からお金を溜め込む人もいますが、ある程度の貯蓄があれば、必要なお金は使えば使うほど幸福感が高まるという。例えば、自分がワクワクできる旅行に行ったり、おいしいものを食べたり、孫や子どもとの思い出作るのにお金を使うのです。
結局、人生はやり直しができませんので、やりたい放題がよいのではないでしょうか。著者の持論は、人生はありとあらゆることが実験だということです。うまくいけばそれでいいし、ダメでも、「実験が失敗した」といことなのです。和田さん、良い本をありがとうございました。
無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信) 3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。 |
この本で私が共感した名言
・できるだけ「日々に変化をつけること」を大切にしてください(p70)
・ひとり暮らしは認知症が進まない・・日々の生活で頭を使う機会が多いからです(p117)
・健康診断を受ける価値はない・・・受ける価値があるのは「心臓ドック」と「脳ドック」(p97)
▼引用は、この本からです
Amazon.co.jpで詳細を見る
和田 秀樹、扶桑社
【私の評価】★★★★☆(89点)
目次
第1章 60代以降は「嫌なことはやらない」
第2章 好物を食べれば脳も体も健康に!
第3章 「新しい体験」で前頭葉を活発に
第4章 良い医師や病院の選び方とは?
第5章 「認知症、うつ病、ガン」を怖がりすぎない
第6章 嫌な人と付き合うよりは孤独でいい
第7章 お金を使うほど幸福感は高まる
第8章 60代からこそ、人生を最高に楽しめる!
著者経歴
和田秀樹(わだ ひでき)・・・1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている
この記事が参考になったと思った方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
この記事が気に入ったらいいね!
コメントする