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【書評】「バフェット 伝説の投資教室 パートナーへの手紙が教える賢者の哲学」ジェレミー・ミラー

2026/02/18公開 更新
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「バフェット 伝説の投資教室 パートナーへの手紙が教える賢者の哲学」ジェレミー・ミラー


【私の評価】★★★★☆(85点)


要約と感想レビュー


バフェット・パートナーシップ発足

ウォーレン・バフェットの初期のパートナーシップ時代の投資の考え方をまとめた一冊です。ウォーレン・バフェットは1956年、家族や友人から10万ドルを集めて、パートナーシップを設立しました。


パートナーシップの仕組みは、バフェットが投資判断を行い、年間6%の利益を超えた分の25%をバフェットが受けとることになっていました。つまり、バフェットは市場の平均リターン6%を超える実績を出さなければ報酬を受け取れなかったのです。


さらに、初期のパートナーシップには損失分担条項があり、損失が出た場合、バフェットは損失の一定割合を負担することになっていました。現在のアクティブ投資ファンドの多くが成果があってもなくても2%くらいの管理手数料をぼったくるのとは大違いです。


さらに多くの投資ファンドの運用実績は市場平均を下回っているのに、バフェットは50年間年率21.6%で資金を増やし続けてきたのです。


初期のパートナーシップには損失分担条項が定められ,バフェットは損失の一定割合を個人的にかぶった(p97)

初期のバフェットの投資法

初期のバフェットの投資先は、実際の資産価値よりも安く売られているシケモク(タバコの吸い殻)企業でした。


例えば、コモンウェルス・トラストは、1株あたり125ドルの内在価値があるとバフェットは見ており、株価50ドルで購入しました。その後、バフェットはコモンウェルス・トラストを1株80ドルで売って利益を確定しています。


また、ウェスタン・インシュランス・セキュリティーズは1株あたり20ドルの利益を出していましたが、1株あたり3ドルで売られたいました。バフェットはこうした企業を大量に買い入れていたのです。


こうした株価の安いシケモク企業は、収益率が低下していることが多く、経営陣が収益を高める努力を行い、業績が回復してリターンが大きくなるチャンスもあったのです。


また、バフェットは、別の金儲けにも資金を回していました。


例えば、企業のM&Aが発表されると、買い付け期間に公表された買収価格と、市場の株価の価格差が生まれます。買収が実際に成立すると価格は一致するので、バフェットは事前に安く株を買って裁定取引(サヤ取り)をしていました。この裁定取引には、パートナーシップ資金の25%までとし、買収成立が確実なものだけに厳選していたという。


バフェットは、どう転んでもうまくいくと確信できた投資先だけに集中投資していたのです。


業界や企業に対する知識が足りず,分別ある判断をくだせないことが大多数なので,そういう場合には投資を見送ります(p158)

優良企業への長期投資

ところが、資金が増えてくると、シケモク企業を見つけることが難しくなってきました。適正価格より安く売られている企業は、多くの投資家から見捨てられた小さな企業が多かったのです。


バフェットは1964年にアメックスを1966年にディズニーを、株価が暴落したところで購入しています。帳簿価格の2~3倍で売られていても,バーゲン品が存在するとバフェットは気づいたのです。優良企業は割高に見えますが、長期にわたって高い率で成長します。そして長期保有していれば、含み益に税金はかからないのです。


また、バフェットはハゲタカファンドのような、企業の買収・リストラ・売却という手法を1度だけやっています。バフェットは倒産寸前の農機具・風車メーカー「デンプスタ―・ミル」を買収したのです。

 
過剰在庫の削減に取り組み、販売価格を引き上げ、業績の悪い事業から撤退し、リストラを行い、最後は製造機械とデンプスターの名称を売却しました。リターンの大きい投資でしたが、バフェットは新聞で「清算人」と批判され、二度と同じ投資をすることはありませんでした。


私たちが正しいかどうかは,企業評価が正確かどうかでおおむね決まります。言い換えれば,いつ起こるかではなく,何が起こるかに主眼を置くのです(p30)

妻の遺産はインデックスファンドで運用

バフェットにパートナーシップに10ドル投資した人は,複利年率22%で58年間運用した結果100万ドル以上を手にすることになりました。バフェットは割安と考えられる企業と鞘取りに集中投資し、常に市場を超える運用を続けたのです。


バフェットは、6~8銘柄に分散投資すれば、期待される累積利回りは高まるはずだと指摘しています。


また、バフェットは市場よりうまく資産運用する難しさを理解しています。そのため、妻への信託財産は、10%を短期国債に,90%を低コストのS&P500インデックスファンドに投じるよう命じているのです。


バフェットは1970年にパートナーシップを解散し、バークシャー・ハサウェイという企業を投資ファンドのように運営しながら、さらにお金を増やしていくのです。


ミラーさん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・短期的に見ると市場は,すっかり混乱し不条理なときもあるが,長期的に見ると,その証券に内在価値に見合った価格になる(p25)


・自分の保有株式の市場価値が20%か30%下落したときに感情的もしくは金銭的に苦しくなるようなら,一般的な株式投資のたぐいには手を出さないことです(p40)


・節税を気にしすぎるあまり,他の点では賢い人々が誤った投資判断をしてしまうことが多い(p278)


・オーナーにとっての公正価格だと私たちが考える価格と購入価格のあいだあたりで売れれば,たいていはほぼ満足です(p135)


▼引用は、この本からです
「バフェット 伝説の投資教室 パートナーへの手紙が教える賢者の哲学」ジェレミー・ミラー
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ジェレミー・ミラー (著)、‎ 日本経済新聞出版


【私の評価】★★★★☆(85点)


目次


第1部 第1章 バフェットの投資教室 開講にあたって
    第2章 複利運用について考える
    第3章 インデックス投資―「何もしない」投資戦略
    第4章 運用実績の評価―市場インデックスと比べてみる
    第5章 「パートナーシップ」である理由
第2部 第6章 ジェネラル ―銘柄選定3つのタイプ1
    第7章 ワークアウト―銘柄選定3つのタイプ2
    第8章 コントロール―銘柄選定3つのタイプ3
    第9章 デンプスタ―に飛び込む―資産転換で企業価値を向上
第3部 第10章 「安全志向」対「慣例主義」
    第11章 税金
    第12章 「規模」対「運用実績」
    第13章 高度成長期の対極的な運用戦略「ゴーゴー」対「ノーゴー」
    第14章 有終の美を飾るための知恵


著者経歴


ジェレミー・ミラー(Jeremy Miller)・・・ニューヨークに拠点を置く主要ミューチュアル・ファンドの投資アナリスト。世界最大規模の投資銀行数社で、営業、リサーチなどさまざまな部門を経験してきた。金融業界の最前線で15年以上にわたり活躍している。


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