「スノーボール (上) ウォーレン・バフェット伝」アリス・シュローダー
2016/01/25|

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【私の評価】★★★★★(95点)
内容と感想
■7兆円もの資産を持つ米国の投資家
ウォーレン・バフェット。
その思考はどうなっているのか、
興味があって手にした一冊です。
バフェットは、子どもの頃、
ゴルフ場で拾ったゴルフボールを売ったり
競馬場で落ちている当たり馬券を探して
小金を稼いでいました。
金が好きだったというよりも、
金を集めるゲームを
楽しんでいるようでした。
・この五セントで遊ぶマシンを置きましょう・・お客さんは待っているあいだ、それで遊びます。売上は折半にしましょう・・ピンボールマシンは、七、八台に増えた。ウォーレンは資本の驚異的な働きを知った。お金はまるでそれ自身が仕事を持っているみたいに、持ち主のために働いてくれる(p167)
■バフェットはコロンビア大で
バリュー株投資(割安株投資)の
グレアムに出会い、その手法を学びます。
そして、自己資金を投資しながら、
株式ブローカーの仕事をしたり、
グレアムの会社で社員として
投資の実務をしています。
26歳のときに、仕事を引退。
グレアムの会社を辞め、
ヘッジファンドのような
パートナーシップを設立しました。
そのパートナーシップでは、
投資によって得た利率が
4%を超えた分の半分を手数料として取り、
4%に達しなければその差の1/4を負担する。
つまり、ペナルティ付実績報酬型の
投資ファンドでした。バフェットは、
その資金で割安株を購入していったのです。
・グレアムは、さまざまなやり方で安全マージンを組み込んでいる・・どんな会社の株でもごく少量しか買わなかった・・ウォーレンは熱心がグレアム信奉者だったが、株の種類が多くなければならないという考え方には不満だった。ウォーレンは一種類に多くを注ぎ込んでいた(p238)
■バフェットも人としては、
頭のいいオタクのようでした。
そして、癇癪持ちの母親の影響で、
若い時には自己重要感を
持てなかったということに
驚きました。
そうしたバフェットを支えたのが、
社交的な妻スージーなのです。
下巻も楽しめそうです。
シュローダーさん、
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・ウォーレンは、あらゆる会社の基本情報をあますところなく知ろうとした。まず全貌を眺め渡してから、範囲を絞って、さらなる綿密な調査に値するひと握りの株を選び出し、もっとも確実な投資対象と見なしたものに金を投じた(p296)
・ウォーレンは、数少ないものをできるだけ多く集めるのが肝心だということを知っていた。車のナンバープレートにはじまり、シスターの指紋、コイン、切手、ユニオン市街電車、そしてナショナル・アメリカンにいたるまで、いつも同じ考え方でやってきた。生まれながらの収集家なのだ(p342)
・十五年分の《リーダーズ・ダイジェスト》・・ウォーレンは幼い頃からジェイ・クック・・ジョン・D・ロックフェラー、アンドリュー・カーネギーといった人物の人生について学んでいた。こうした書物を何度もくりかえし読んだ(p162)
・人がどうふるまうかを大きく左右するのは、内なるスコアカードがあるか、それとも外のスコアカードがあるかということなんだ・・私の父は、内なるスコアカードが100%の人だった。つまり、徹底した一匹狼だったんだ(p61)
・"ぼくにとっていちばんの大事な顧客はだれだろう"・・まず自分自身が顧客となり、つぎに他人のために働くべきだ。一日一時間を自分に充てるべきだ(p366)
日本経済新聞出版社
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【私の評価】★★★★★(95点)
目次
第1部 バブル
第2部 内なるスコアカード
第3部 競馬場
第4部 歌うスージー
読んでいただきありがとうございました!