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【書評】「バフェットの投資戦 2000~2022」濱本明 (監修), 桑原晃弥, 中野佑也(著)

2026/06/08公開 更新
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「バフェットの投資戦略 '00~'22」濱本明 (監修), 桑原晃弥, 中野佑也(著)


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー


素晴らしい企業をまずますの価格で買う

退職金はどう運用したものかと、バフェットの投資の考え方を改めて復習しようと手に取った一冊です。


バフェットの投資の考え方は、長期保有を原則とし、自分の判断で投資し、わからないことには投資しないというものです。


バフェットは若い頃は、資産に比べて株価が極端に安い株、会社が倒産しても必ず利益が残る「割安株投資」を好んでいました。


しかし、潰れかけた繊維会社バークシャー・ハサウェイの買収と業態転換で相当な苦労を経験したことで、投資の考え方を安さを追うのではなく、本質的によい会社をまずますの価格で買う「成長株投資」に変わってきたのです。


その後バークシャー・ハサウェイは保険会社を子会社化し、その余裕資金を運用する投資ファンドへと業態転換を果たしてます。


まずますの会社を素晴らしい価格で買うよりも、素晴らしい企業をまずますの価格で買うことの方が、はるかによい(p22)

知らないものには手をつけない

バフェットは、よくわからない分野、よくわからない投資先には、決して投資しません。


例えば、リーマンショックの原因となったサブプライムローン債券は、返済能力の低い人向けのローンを束ねて、高い格付けを与えた「安全な商品」として売られていました。バフェットに言わせれば、多数のローンを束ねることで、ますます中身がよくわからなくなる「とんでもない商品」だったのですが、高い利率に目がくらんだ多くの投資家が購入したのです。


バフェットは、投資の判断をするために何十年もアニュアルレポートや書籍を読み続けて、1年に一度、これは!という企業だけに投資します。


バフェットが来日したときに、日本食には手をつけず、ハンバーガーとチェリーコークだけ手をつけたという逸話が、「知らないものには手をつけない」という原則を日常生活でも厳守していることがわかります。
 

アメリカが衰退すると考え、よくわからない国の、よくわからない企業になど投資してはいけない(p72)

よい企業は何十年でも保有する

バフェットは「これは」と確信した企業は、何十年でも保有し続けます。


アメリカン・エキスプレスの子会社が詐欺被害で6,000万ドルの損失を出して株価が急落したとき、バフェットは顧客が同社のサービスを使い続けている現実を自分の目で確かめ、資産の40%にあたる1,300万ドルで株を買い占めました。


1997年に完全子会社化したデイリークイーンについては、「同社のアイスキャンディが10年後も生き残っている可能性は、どんなソフトウェアが生き残っている可能性より高い」と発言しています。シーズキャンディーズは50年、保険会社のガイコは47年、コカ・コーラは34年、アメリカン・エキスプレスは31年と、バフェットの投資期間の長さは10年単位なのです。


一方でバフェットは、高すぎると判断すれば素早く売却します。韓国のポスコへの投資は8年で売却、ペトロチャイナは4年で売却、中国のBYDは2008年から取得した株を2025年に全売却しています。


バークシャーの投資期間
投資先企業 投資開始・終了時期 投資期間
アップル 2016年~2022年現在 6年
コカ・コーラ 1988年~2022年現在 34年
バンク・オブ・アメリカ 2011年~2022年現在 11年
アメリカン・エキスプレス 1991年~2022年現在 31年
ガイコ 1975年※~2022年現在 47年
シーズキャンディーズ 1972年~2022年現在 50年
フルーツ・オブ・ザ・ルーム 2002年~2022年現在 20年
ウェルズ・ファーゴ 1989年~2021年 32年
※2度目の投資。1度目の投資は1951年(p63)

一般の人はインデックスファンドを買うべき

本書を読み終えて、バフェットのようにアニュアルレポートを読み続けることは、自分には無理だと思いました。一日一冊の書籍を読み続けるだけで精一杯だからです。


バフェット自身も「他人のアドバイスで株を買うくらいなら、S&Pインデックスファンドを買うべきだ」と言っています。プロでもない一般の投資家が、市場平均を上回るリターンを継続的に得ることがいかに難しいかを、バフェット自身が認めているのです。


結論としては、バフェットが資産の半分を現金で保有していることも踏まえ、現在の投資資産は維持したうえで、退職金は日本国債に置いておくことにします。バフェットお勧めのS&Pインデックスファンドは、1ドル80円の円高となり、アメリカ株式市場が半値に暴落したら買うかもしれません。


桑原さん, 中野さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・バフェットが福島県いわき市の工具メーカータンガロイの新工場完成式典に出席するために初来日したのは2011年11月だった・・・原発事故の影響もあって、多くの外国人が日本を離れ、来日をためらうなか、バフェットはあえて日本を訪問している(p111)


・バークシャー・ハサウェイ・・・中核ビジネスは保険業務で、全米の自動車保険市場で大きなシェアを誇るガイコやジェネラル再保険といった保険会社を子会社として・・・世界で最も大きな保険会社(p86)


・フィリップ・フィッシャーが提唱する「グロース(成長)株投資」・・・1厳選した数種類の企業にのみ集中投資を行い、2可能な限り長く保有し続ける(p39)


・(バフェットは)伊藤忠商事、三菱商事、三井物産などの日本の商社にも多額の投資を行っている(p9)


▼引用は、この本からです
「バフェットの投資戦略 '00~'22」濱本明 (監修), 桑原晃弥, 中野佑也(著)
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濱本明 (監修), 桑原晃弥, 中野佑也(著)、standards


【私の評価】★★★★☆(83点)


目次


1 バフェットが育てたバークシャー・ハサウェイ
2 バフェットが築き上げた投資法と投資戦略の根幹
3 バークシャーの主軸となるアメリカ国内の投資
4 海外企業への投資 投資判断の転用
5 震災・コロナ・円安 日本企業への投資とその考え
6 自らの考えを覆したIT株への投資
7 2022年のポートフォリオと今後の戦略


著者経歴


桑原晃弥(くわばら てるや)・・・1956年、広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。業界紙記者などを経てフリージャーナリストとして独立。トヨタ式の普及で有名な若松義人氏の会社の顧問として、トヨタ式の実践現場や、大野耐一氏直系のトヨタマンを幅広く取材、トヨタ式の書籍やテキストなどの制作を主導した。一方でスティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾス、イーロン・マスクなどの起業家や、ウォーレン・バフェットなどの投資家、本田宗一郎や松下幸之助など成功した経営者の研究をライフワークとし、人材育成から成功法まで鋭い発信を続けている。


中野 佑也(なかの ゆうや)・・・NewsPicks Brand Designでスポンサードコンテンツの編集を担当。ムック本や書籍の制作に携わり、2019年に独立 。


濱本明(はまもと あきら)・・・日本大学商学部教授、青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科兼担講師として会計学の研究・教育に従事。財務諸表をもとに長期投資をするバフェットの投資術に共感。


ウォーレン・バフェット関連書籍


「バフェットの投資戦略 2000~2022」濱本明 (監修), 桑原晃弥, 中野佑也(著)
「ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ―若き日のバフェットに学ぶ最強の投資哲学」グレン・アーノルド
「スノーボール (上) ウォーレン・バフェット伝」アリス・シュローダー
「バフェットの株式ポートフォリオを読み解く」メアリー・バフェット、デビッド・クラーク
「ビジネスは人なり投資は価値なり-ウォーレン・バフェット」ロジャー・ロウェンスタイン
「バフェットからの手紙 - 「経営者」「起業家」「就職希望者」のバイブル」ローレンス・カニンガム


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