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「不可能を可能にする イーロン・マスクの名言」桑原晃弥

2024/04/05公開 更新
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「不可能を可能にする イーロン・マスクの名言」桑原晃弥


【私の評価】★★★★☆(85点)


要約と感想レビュー

イーロン・マスクは失敗もしている

イーロン・マスク関係の本を読んでいましたが、この本を読んだほうが早いのでご紹介します。


イーロン・マスクはネット決済サービスのペイパルで軍資金を作り、その資金で電気自動車テスラ、ロケット開発のスペースXを創業し、成功させています。オープンAIに関わったり、ツイッターを買収して大規模なリストラを実施するなど、イーロン・マスクが世界を変えようとしているのは事実でしょう。


イーロン・マスクは、多くの事業で成功しているように見えますが、実は多くの失敗も経験しているのです。


イーロン・マスクはネット電話帳サービスZip2を創業しますが、外部から資金を導入したことで、経営方針で対立し、最終的に売却しています。ネット決済サービスでもペイパルで経営方針で対立し、持株を売却することで巨額の資金を得ています。しかし、経営権を持たなければ、自分の自由に経営できないことを学んだのです。


ニッチな決済システムになりたいのなら、ペイパルの方がいいでしょう。でも、世界の金融システムを乗っ取りたいなら、Xという名前の方がいい(p20)

正しい戦略によって実現化を目指す

イーロン・マスクのすごいところは、普通の人が不可能と考えることを、正しい戦略によって実現化してることでしょう。


例えば、ロケット開発のスペースXでは比較的費用のかからない小型ロケットから開発して、小型衛星を打ち上げるて利益と信頼を獲得する戦略を実行しています。それでも最初の3回のロケット実験では失敗し、4回目にして、やっと成功しているので、首の皮一枚で助かったようなものなのです。


電気自動車のテスラでは、高級車から開発し、その後、低価格のモデルを順次出していく戦略を取っています。最初の量産化でうまくいかず、イーロン・マスク自身が工場に寝泊まりして対応しています。イーロン・マスクは、24時間戦えますかの根性ビジネスマンなのです。


もちろん乾電池を大量に搭載したり、車体をアルミで一体成型するという技術的ブレークスルーもすごいのですが、イーロン・マスクの世の中にないものを生み出す力はすごいとしか言いようがありません。


さーと作れば、さっと結果がわかります。そしたら、さっと修正できるわけです(p54)

スピードを重視する

イーロン・マスクの考え方は、私たちの仕事のやり方にも反映できそうな点がいくつもあります。


例えば、イーロン・マスクの工場は、設計、エンジニアリング、製造を1か所にまとめています。また、コロナで在宅勤務が増えた時期には、幹部社員に対して、週40時間の出社を求め、もし出社しなければ、辞職したとみなすと通知しているのです。これは意思疎通のスピードアップのためでしょう。


組織については、「審判がどんどん増え、プレイヤーはどんどん減っていく」と言っています。とにかく行動して実験してみることを重要視しているのです。社員をすぐにクビにしたり、リストラで大量の社員を解雇したりしていますが、これも自分の目指す方針に集中するため、それ以外のことは排除する考え方のように見えるのです。


クビにするタイミングを先送りすればするほど、とっととクビにしておけばよかったと後悔する時間も長くなる(p126)

正論を語る

イーロン・マスクは日本の人口減少について、「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなる」と語っています。確かに数学的に考えれば、日本の人口は減って最終的には0になるのです。


また、ロボットについても、「好むと好まざるとにかかわらず、人間ロボットは生まれる。であれば、それがいい方向に進むよう、導くべきだ」と語っています。イーロン・マスクに言わせれば、核兵器もなくならないので、最悪の方向に進まない方法を考えるべきなのでしょう。


イーロン・マスクの言葉は、突飛な発想なように見えますが、「王様は裸です」と言った子供のように正論なのだと思いました。もう少しイーロン・マスクについては調べてみます。桑原さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・インターネット革命は一生に一度のチャンスだ・・ウェブサイトの開発などを支援するソフトウエアを提供するアイデアを思いついたことが休学の理由でした(p103)


・オープンAI・・リナックス的なAIを作りたい、と考えたわけです(p36)


・「私たちは世界に役立つことをしている」それが一番大事で、それこそが私のモットーです(p142)


・ビジネスの学位を持つ人の下で働くのは絶対に避けること、これが目標でした(p150)


▼引用は、この本からです
「不可能を可能にする イーロン・マスクの名言」桑原晃弥
桑原晃弥、ぱる出版


【私の評価】★★★★☆(85点)


目次

第1章:壮大なビジョンを掲げる
第2章:失敗を恐れることなく信じる道を行く
第3章:つくるものに愛情と知恵を注ぎ込む
第4章:チャンスは絶対につかみ取れ
第5章:トップとして最前線に立ち続ける
第6章:人生の目標の掲げ方。どう生きるか
第7章:お金の使い方にこだわり続けろ



著者経歴

桑原晃弥(くわばら てるや)・・・1956年、広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。業界紙記者などを経てフリージャーナリストとして独立。トヨタ式の普及で有名な若松義人氏の会社の顧問として、トヨタ式の実践現場や、大野耐一氏直系のトヨタマンを幅広く取材、トヨタ式の書籍やテキストなどの制作を主導した。一方でスティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾス、イーロン・マスクなどの起業家や、ウォーレン・バフェットなどの投資家、本田宗一郎や松下幸之助など成功した経営者の研究をライフワークとし、人材育成から成功法まで鋭い発信を続けている。


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