人生を変えるほど感動する本を紹介するサイトです
本ナビ > 書評一覧 >

「スピノザの診察室」夏川 草介

2024/04/04公開 更新
河西祐子
河西祐子 メルマガ登録[PR]

「スピノザの診察室」夏川 草介


【私の評価】★★★★★(--点)


要約と感想レビュー

はじめに

今回も5W1Hだけではなく、勝手ながらタイトルの意味を考えてみました。ご参考までに読んで頂けたら嬉しいです。


「スピノザ」とは誰?

バールーフ・デ・スピノザ。オランダの哲学者。レンズ磨きを生業の一つとし、思索と執筆に専念する。人間の行動と感情を嘆かず笑わず嘲らず(あざけらず)、ひたすら理解しようと努めた。ヨーロッパの哲学・思想史において常に重要な位置を占め、独自の魅力を放ち続けている。著書に『エチカ』『知性改善論』など。


スピノザって哲学者ではあるけれど、医者ではないんだなぁ~とちょっと意外だったり・・・。診察室って言うくらいだから、医療系の話なんだろうなぁ~と思ったり・・・。これがハウツー系の話だったらおもしろいなぁと思ったり・・・。


なぜ、京都が舞台なの?

矢来餅(やきもち)と阿闍梨餅(あじゃりもち)と長五郎餅(ちょうごろうもち)の有名店があり、それが主人公・雄町先生の大好物だから。


3種の餅の有名店を調べてみました。よかったら参考にして下さいませ。


・矢来餅→ゑびす屋加兵衛本店など。
・阿闍梨餅→阿闍梨餅本舗 京菓子司「満月」など
・長五郎餅→長五郎餅本舗など


5W1Hで考えるとどうなる?

When : 初夏・盛夏・ボーダーライン・秋
Where: 古都(京都)
Who:雄町哲郎(マチ先生)先生
What:どのような診察を好むか・・・。
Why:診察される側と診察する側の違い
How:模索しながら診察している・・・。


ポイント1:親父、まだまだ長生きしてくれよ!

まだ生きとりますねん、と言う言葉が冷たいようで温かい感じのする言葉だと思いました。親子だからここまでサバサバと割り切って言えるんだろうけど・・・。悪ぶってる感じがいいと思い選びました。


いつもすんまへんなぁ、先生。親父の奴、まだ生きとりますねん(p113)

ポイント2:死ぬまでに絶対食べておきたい3つ!

私の死ぬまでに絶対食べておきたいうまいもの三つは、こんなもんじゃぁありません。近江牛のすき焼き、松阪牛のすき焼き、神戸牛のすき焼きです。すき焼き大好きでございます。堪能してみたいです!!


世の中には死ぬまでに絶対食べておくべきうまいものが三つあるんだ。知ってるかい。矢来餅と阿闍梨餅と長五郎餅だ(p118)

ポイント3:空腹と睡魔が戦うとしたらどっちが敵?!

空腹と睡魔との戦いは、どっちが最大の敵だろうと思って選びました。今のところ私もやっぱり空腹感が最大の敵かなぁ・・・。


母さんは、そんなに料理得意じゃなかったですよ。ただ、おいしいものを食べることは大事だっていつも言っていました。それから空腹は最大の敵だって(p119)

評価のまとめ

医者には3パターンがあると思いました。ぶった斬りたいと思います。


①腕も性格もいい医者(雄町先生みたいなタイプ)
②腕はいいけど傲慢でかつプライドが高くて性格が悪い医者
③腕も性格もチョー悪い医者


なぜかはわからないけれど、肉じゃがの具に例えてしまいました・・・。嫌いな方はスキップして下さいませ。


①は肉じゃがの肉みたいにとてもおいしい医者です。豚肉と牛肉との違いがありますが・・・。脂っこさとサッパリ感ということになりますでしょうか。若手とベテランの違いくらいあるでしょうか。若手は豚肉。なぜなら、淡白もしくはドライな人が多いと思うからです。ベテランは牛肉。コッテリギトギト。しつこさがウリです。


ここで顔がいいとさらにいい・・・・、このいいとはどういう意味だろう。ホストみたいな顔の作りもいいというし、無難なところで悪くない、というのも「顔がいい」の意味ではなかろうかと考えてしまうが・・・。この線でいけば3拍子そろってすごいと思います。予約も両国国技館のように満員御礼で予約が取れない状況になるでしょう。


②は、結構いるいる系です。肉じゃがで言うとじゃがいもくらいかなぁ。腕はいいから安心できるけど、性格が悪いと「ん~、微妙」という感じかもしれません。


③はある意味すごいと思います。います、いますこう言う人が。私もこう言う人に診察してもらったことがあってびっくりしています。つい、私でもマジギレしてしまいました。最低です。肉じゃがで言うとちょっとしか入っていない玉ねぎか人参くらいでしょうか。


そういう病院は本当に患者が少ないです。知る人ぞ知る、と言う感じではなくガラガラで気味が悪いです。「なんでこんなにガラガラなんだろう」と思うはずです。よかったら参考にしてみてくださいませ。


こんな人におすすめ!!

・こだわりのある診察に興味のある人
・死に方にこだわりのある人
・矢来餅・阿闍梨餅・長五郎餅に目がない人
・なんでもいいから雄町先生みたいな人にLOVEな人


無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信)
3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。


「スピノザの診察室」夏川 草介
夏川 草介、水鈴社


【私の評価】★★★★★(--点)


目次

第一話 半夏生
第二話 五山
第三話 境界線
第四話 秋


無理矢理かもしれませんが、起承転結に当てはめてみました。起=初夏(半夏生)、承=盛夏(五山)、転=夏と秋のボーダーライン(境界線)、結=秋(秋)でしょうか。


著者経歴

夏川草介(なつかわ そうすけ)・・・1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒業。長野県にて地域医療に従事。2009年『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同書は2010年本屋大賞第2位となり、映画化された。他の著書に、世界数十ヵ国で翻訳された『本を守ろうとする猫の話』、『始まりの木』、コロナ禍の最前線に立つ現役医師である著書が自らの経験をもとに綴り大きな話題となったドキュメント小説『臨床の砦』など。


この記事が参考になったと思った方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ


ブログランキングにほんブログ村



<< 前の記事 | 次の記事 >>

この記事が気に入ったらいいね!

この記事が気に入ったらシェアをお願いします

この著者の本


コメントする