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「自己肯定感を高める、アドラーの名言」桑原晃弥

2023/08/08公開 更新
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「自己肯定感を高める、アドラーの名言」桑原晃弥


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー

アドラーは今の意識や行動を重視

アドラーとはオーストリアの精神科医で、アドラー心理学は、フロイト、ユングと並ぶ代表的な心理学です。私の印象では、アドラー心理学は、現代の成功哲学とほぼ同じ内容のように感じます。フロイトが夢や性的欲求を重視して心の苦しみの原因を過去に求めるのに対し、アドラーは劣等感や勇気や共同体意識といった今の意識や行動を重視しています。


つまり、人の多くは、「目立ちたい」「臆病と見られたくない」という劣等感から行動を選択しがちなのでが、その劣等感に耐える勇気があれば、人間として成長できるという立場なのです。アドラーは「不完全である」「失敗、誤っている」ことが明らかにされることを避けないこと。不完全である自分に対し、失敗を恐れることなく挑戦する「勇気」を求めているのです。


・大切なのは「へたくそだからやめる」のではなく、「でも、好きだしやりたいからやってみよう」と一歩を踏み出す勇気なのです(p3)


人は成長するための無限の可能性を持っている

アドラーの人間観は、人は成長するための無限の可能性を持っている、人は努力と訓練によって、何者かになることができるというものです。そして、仮に今の環境や境遇が不運だとしても、置かれた場所で最善を尽くしましょう。状況を今をより良いものに変えていくためには、不満やグチを言っていては何も変わりません、今の自分を変えていく他ないのです。


偉大なこと、新しいことをはじめるのは、誰にとっても大変ですが、だからこそ「とにかくやり始めて」みよう。やり始めれば、続けることができる。「1人になったから、諦める」のではなく、「1人でも、行動する」。その一歩が周りの人を動かすことになるとアドラーは知っているのです。もし、誤りに気づいたら、変えればよい。辛い時は、「今、自分は成長している」と考えればいいのです。「これもいずれは過ぎゆくもの」なのです。


・遺伝や家系にこだわるな・・家族に伝統を与える「1人の非常に有能な人」になればいい(p58)


人間は対等であり、仲間である

興味深かったのは、アドラーが軍医として従軍し、戦争を私たちの同胞に対する組織的な殺人と拷問であると定義し、戦争を回避する方法を考えていたことです。アドラーは戦争や対立を回避するためには、「人間は対等であり、仲間である」と認識すれば、良い関係、良い付き合いが可能になると考えました。


このようにアドラー心理学では環境を変えることは難しいので、環境を変えようとすることより、自分を変えることを重視しています。しかし、戦争を止めるためには指導者や独裁者を変えなくては不可能なのです。そういう矛盾を主張しているアドラーは、限界を感じていたのではないでしょうか。桑原さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・自分に価値があると思う時にだけ、勇気を持てる(p26)


・夢や占いに未来を左右されるのはもったいない。占いの結果よりも自分の決心を優先しよう(p150)


・「嫌われてもいい」と開き直って、時に「ノー」と言い、時に相手のために言うべきことを言う。そんな人をこそ人は「本当の友人」として信頼するのです(p189)


▼引用は、この本からです
「自己肯定感を高める、アドラーの名言」桑原晃弥
桑原晃弥、ぱる出版


【私の評価】★★★★☆(84点)


目次

第1章「自分で自分を信じる」ことから始めよう
第2章「変わり続ける勇気」を持とう
第3章「まず自分が動く」からすべてが始まる
第4章「失敗を覚悟する」と心は軽くなる
第5章「今できること」に集中すると心は楽になる
第6章「言い訳をやめる」と一歩を軽く踏み出せる
第7章 仲間を信じて「協力する力」を磨きぬけ
第8章 人を信じ勇気を持って生きていこう



著者経歴

桑原晃弥(くわばら てるや)・・・1956年、広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。業界紙記者などを経てフリージャーナリストとして独立。トヨタ式の若松義人氏の会社の顧問として、トヨタ式の書籍やテキストなどの制作した。成功した経営者の研究をライフワークとしている。


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