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「モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くしたオックスフォード児童発達学博士が語る自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方」島村 華子

2025/03/05公開 更新
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「モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くしたオックスフォード児童発達学博士が語る自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方」島村 華子


【私の評価】★★★★☆(87点)


要約と感想レビュー


モンテッソーリ教育とは

著者はモンテッソーリ教育を欧米で学び、「褒美や罰」ではなく子どもを信頼することが、子どもの無限の可能性を育てることを知りました。モンテッソーリ教育の根底には、子どもを一人の人間として尊重するという思想があります。つまり、子どもは大人と同じような尊厳をもった自律した存在なのです。


もし、褒美と罰で子どもをコントロールしようとすれば、子どもは褒美と罰によって行動を変える人間になります。モンテッソーリ教育では、なぜその行動をするのか、考え方や行動の理由を一緒に考えます。


つまり、他人の目を気にして、他人の価値観で生きる人間を育てるのか、それとも、自分の価値観を考え、自分の価値観を大切にする人間を育てるのか、という教育の目的が違うのです。


普段の自分の接し方がこの子育ての長期的なゴールの妨げになっていないかを一度考えてみる(p42)

モンテッソーリ教育の手法

ではモンテッソーリ教育では、具体的にどのような手法を取っているのでしょうか。それは、「プロセスほめ」と「理由のある叱り」と「傾聴・尊重」です。


「プロセスほめ」とは、努力した過程や、試行錯誤した手順を中心に褒める方法です。「がんばって最後までやりきったね」「失敗してもあきらめなかったね」といった言葉になります。結果を褒めるのではなく、その人の能力をほめるのでもなく、その人の取り組んだ行動とプロセスと考え方をほめるのです。


むやみやたらにコメントしない・・・うなずくだけでもいいし、抱きしめたり、笑顔を返したりする、それだけでもいいのです(p63)
 

モンテッソーリ教育の叱る方法

「理由のある叱り」は、アンガーマネジメントと同じ中身となっています。叱りたい場面では、理由や自分が感じたことを添えて、やってもらいたいことを伝えるのです。例えば、子どもがスーパーで走ったら、「走るとぶつかったりして、他の人がけがするかもしれないから、ここは一緒に歩こうね」と伝えるのです。


子どもが部屋を散らかしているとき、「なんで片付けないの!」と叱るより、「掃除機がかけにくいから、物が床にないと助かるな」と理由を伝えて、「片付け、一緒にやってみようか」と提案すれば、子どもも受け入れやすいわけです。


もちろん、社会のルールや犯罪、安全に関わる場面では、厳しく叱ることは大切です。それでも、感情的に強く叱る必要のある場面は、少ないのではないでしょうか。


親の気持ちを正直に伝える・・支度をしてくれない子ども・・時間どおりにおうちを出られたら、私は安心するんだけどな(p103)

相互尊重の気持ち

最後の「傾聴・尊重」は、良い関係作りのことです。親子であっても相手を否定せず、相互に理解しあえているという安心感は必要です。そのためには、励ます、傾聴する、信頼する、尊重する、違いを話し合う、受け入れるという相互尊重の気持ちが必要だという。


人は期待された通りの人間になると言われますが、心の波動が子どもにも伝わるのです。自分で考えることのできる子どもと信じれば、子どもはその方向に向かうのでしょう。島村さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・よきリーダーは、子どもの自立したい気もちを尊重し応援しながらも、自由に伴う責任の大切さも提示します(p39)


・字が上手に書けたとき・・すごく集中して何度も書いていたね・・文字がイキイキしているね・・書いてみてどう思った?(p67)


・壁に落書きをしたとき・・壁以外にどこに描けるか一緒に考えてみようか・・消すのが大変だから、紙に描いてみようか(p109)


・子どもがテストで40点・・自分の目標には届かなったみたいだね。次はどういうやり方をしたらもっと学べるようになるのかな?(p100)


▼引用は、この本からです
「モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くしたオックスフォード児童発達学博士が語る自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方」島村 華子
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島村 華子、ディスカヴァー・トゥエンティワン


【私の評価】★★★★☆(87点)


目次

第1章 親の声かけ次第で、子どもは変わる
第2章 自分でできる子に育つほめ方
第3章 自分でできる子に育つ叱り方
第4章 子どもとつながる聞く習慣
第5章 こんなとき、どうすればいい?Q&A


著者紹介

島村華子(しまむら はなこ)・・・オックスフォード大学修士・博士課程修了(児童発達学)。モンテッソーリ&レッジョ・エミリア教育研究者。上智大学卒業後、カナダのバンクーバーに渡りモンテッソーリ国際協会(AMI)の教員資格免許を取得。カナダのモンテッソーリ幼稚園での教員生活を経て、オックスフォード大学にて児童発達学の修士、博士課程修了。現在はカナダの大学にて幼児教育の教員養成に関わる。


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