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「細木数子の黒い真実」野崎 輝

2024/06/23公開 更新
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「細木数子の黒い真実」野崎 輝


【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー

水商売時代

細木の実家は渋谷でバー「千代」を経営していました。父親が1946年、細木が8歳の頃に亡くなると、店は「千代」から「娘茶屋」へ名前を変え、母と娘5人で運営し繁盛していたという。


細木は17歳で、それまでに貯めた37万円で、東京駅近くに「ポニー」を開店し1年で売却し、次は新橋ガード付近にクラブ「クラブ潤」を開店し、ここも1年足らずで230万円で売却したという。公務員の初任給が1万円に満たない時代に、事業を立ち上げ安定したら売却する手腕は天才的です。


その後銀座のクラブのオーナーママとなりますが、詐欺師に騙され10億円の借金を抱えます。細木は小金井一家の幹部である堀尾昌志と交際をはじめ、堀尾に1億円を支払ってもらい、細木は夫婦同然となるのです。


細木の実姉は当時渋谷を風靡していた「安藤組」大幹部の妻・・東京・新宿をシマとしていた小金井一家の総長・堀尾昌志なる、細木の夫同然の人物(p43)

暴力団の姐さん時代

暴力団の姐さん時代に有名なのは、島倉千代子の借金事件でしょう。島倉が騙されて保証人になって4億円の借金を負ったのを、肩代わりしたというものです。本当に肩代わりしたのか、それともグルで島倉を嵌めたのかわかりませんが、島倉は借金の肩代わりしてもらった代わりに、芸能事務所社長となった細木に働かせられることになるのです。


細木はNHK紅白歌合戦にも出る島倉を昼間はふつうの舞台、夜はキャバレーで歌わせていたという。島倉にバニースタイルで黒いあみタイツをはかせたこともあるというのです。暴力団とつながりのある細木には逆らえず、最終的には、日本コロムビアが2億円を細木に支払って島倉さんは自由になったという。


また、細木は右翼の大物・昭和の偉人といわれる85歳の安岡正篤と出会います。45歳の未婚のヤクザの姐さん細木数子は、ボケている先生に結婚誓約書を書かせ、勝手に婚姻届けを出すのです。安岡親族は「婚姻無効」の調停申し立てを行っています。


安岡氏はがんで入院しますが、細木は病院に、報道陣を引き連れてあらわれ「主人を返しなさい!」と迫ったという。これは暴力団の手口でしょう。その約1週間後、安岡正篤氏は他界したのです。


安岡正篤氏の死後、京都市右京区に総額30億円、600坪の豪邸を建て、本拠地を移した細木・・自宅の中心に据えられているのそれは故・安岡正篤氏の仏壇である(p168)

霊感商法と占い師時代

細木はある女性占い師に占いを学びます。細木が占いを何に使っていたかといえば、霊感商法です。細木数子に騙されたという女性の訴状によれば、娘の留学について占ってもらったら、細木は次のように脅したという。「この娘は23歳で必ず自殺する因縁を持っています。その因縁を断ちきるには、五輪の塔の墓を建てなさい」


細木は占い師として顧客を脅し、高額な塔や墓を買わせて、その手数料を手に入れていたのです。霊感商法の走りといえるのでしょう。


また、細木が占いの書籍を出版するというので、細木は恩師である女性占い師に「占いの資料を貸してほしい」とお願いし、女性占い師は資料を貸したが、細木からその資料が返却されることはなかったという。その書籍が大ヒットし、細木数子は占い師として、テレビに出演するようになってしまったのです。


テレビ出演で有名になったため、霊感商法で塔や墓石販売で稼ぐという闇商売がマスコミに知られる前に、墓石業者の登記から名前を細木は抜いたという。


某有名占い師が、・・どう人を占えばいいのか指導したという。その内容は、「上段がまえにものをいい、人は一段見くだし、断言して相手を鑑定する」(p140)

細木数子とは何だったのか

細木数子の人生を見てみると、典型的な人から奪うだけのテイカーだと思いました。自分にメリットがあれば、脅しても嘘を言っても何でもしてそれを達成しようとするのです。


テレビ番組で初対面のハマコーに細木が「しばらく」と握手を求めたら、ハマコーが「あんたと会ったことはねぇよ」と握手を拒否したのは有名な話です。細木数子らしいエピソードだと思いました。野崎さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・番組で初対面、パネル席の前に座るハマコーに、「しばらく」と細木が握手を求め、手を差し出した。ところが開口一番「あんたと会ったことはねぇよ」と握手を拒否された(p91)


・細木の父の経営する「千代」の用心棒にも、安藤組が入っていた・・安藤組幹部数名のなかに、志賀日出夫という男がいる・・この志賀と細木の実姉のひとりが結婚している(p137)


▼引用は、この本からです
「細木数子の黒い真実」野崎 輝


【私の評価】★★★☆☆(78点)


目次

序 章 こんな占い信じられない!細木数子よ、どこへゆく!
第1章 細木数子、その生い立ちから島倉千代子問題まで
第2章 六占星術は他人のパクリ? インチキ占いで大儲け
第3章 ビッグネームの安岡正篤氏をダマして結婚
第4章 細木のまわりにはヤクザがいっぱい!
第5章 実弟・久慶をめぐるカズカズの黒い噂
終 章 細木数子流 お金のダマしとりかた



著者経歴

野崎 輝(のざき )・・元週刊文春記者。


細木数子関係書籍

「細木数子 魔女の履歴書」溝口 敦
「細木数子地獄への道 改訂新版」細木数子被害者の会
「細木数子の黒い真実」野崎 輝


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