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【書評】「タワマン理事長-ある電通マンの記録」竹中 信勝

2025/02/14公開 更新
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「タワマン理事長-ある電通マンの記録」竹中 信勝


【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー


販売時の管理費や修繕積立金は安すぎる

著者は首都圏でタワーマンションを購入。そうしているうちに、マンション管理組合の理事長に抽選で当選してしまうのです。そもそもマンションの運営・維持管理は販売後は、住民が構成する管理組合の仕事になります。管理組合が住民から管理費を集め、日常業務を管理会社に委託しているわけです。


そして不動産会社がタワマンを販売するときには、管理費や修繕積立金の金額を低く設定してお買い得感を高めています。したがって、管理組合は自らの責任で、管理費や修繕積立金を値上げしていかなくてはならないという構造になっているのです。
 

不動産会社は管理費や修繕積立金の額をなるべく安く設定することで契約を有利に進めます(p33)

修繕積立金を3倍値上げ

著者のタワマンでも、コンサルタントに30年間の大規模修繕計画を作成してもらったところ、修繕積立金を3倍値上げが必要とわかったという。そもそも低く設定されていた管理費や修繕積立金は値上げの必要があったのに、過去の理事長は一切値上げをしてこなかったツケが回ってきたのです。


著者は事前の説明会開催や、住んでいない所有者にまで連絡し、なんとか議決権総数の4分の3の賛成を得ることができました。タワマンは住戸数が多く、住民全員の同意を得ることが難しいのです。


低く見積もられていた管理費はどうしても値上げが必要でした(p33)

マンション管理士を導入

著者の素晴らしいところは、マンション管理士を導入して、管理会社の提案をチェックするようにしたことでしょう。管理会社に言いなりの管理組合が多いと思われますが、素人では発注先や発注金額のチェックは難しいのです。


タワマンは立地がよく、共用施設も充実していて住みやすい住居だと思いますが、販売時の管理費や修繕積立金を鵜呑みにしてはいけないのでしょう。変な人が理事長になるとトラブルもあるようなので、良い人を選びたいものです。


竹中さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・規定により異なりますが、建て替えを進めるには大体マンション全体の5分の4以上の住民の同意が必要(p39)


・理事長みずから草をむしれば月7万円・・・管理会社は契約外の仕事はやってくれません(p79)


・業者は荷物用ではないエレベーターに台車を入れて運んでいく・・・「養生がされていないすべてのエレベーターで、台車の使用を禁止」(p173)


▼引用は、この本からです
「タワマン理事長-ある電通マンの記録」竹中 信勝
竹中 信勝、ワニブックス


【私の評価】★★★☆☆(78点)


目次

第1章 青天の霹靂!ある日突然タワマン理事長に
第2章 買う前に知りたかったタワマンの知識
第3章 クレームは全て理事長にやってくる~理事長出動の記録(1)
第4章 臨時総会開催を決意!修繕積立金を3倍へ
第5章 タワマンのトラブル集 何でこうなるの?~理事長出動の記録(2)
第6章 それでもやっぱりタワマン生活は最高!


著者紹介

竹中信勝(たけなか のぶかつ)・・・1961年生まれ。広告会社・電通に新卒入社。TVメディア、地方自治体、電力、住宅、自動車、流通、通信、金融等多数の業種を担当、新規顧客開拓で140社以上。2020年、電通を早期退職。人生100年時代における『ライフシフトプラットフォーム(LSP)』のスターティングメンバー。2022年、社会構想大学院大学実務家教員養成課程修了。タワーマンションを購入し、長い間管理組合の活動はスルーしてきたが、ある日管理組合の役員に抽選で決まり、しかも理事長を拝命する。その経験をブログ「タワマン理事長」として情報発信する


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