【書評】「不可能を突破する大谷翔平の名言」桑原晃弥
2025/11/04公開 更新
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
常に高い目標を設定
大谷翔平がワールドシリーズを連覇しました!!パチパチパチ。ということで、大谷翔平の本をご紹介します。大谷翔平は実績もさることながら、その考え方も一流です。いわゆる成功哲学を実践していることがわかります。
まず、常に高い目標を設定しています。高校1年生のときの目標は、「ドラフトで8球団から1位指名」と高い目標を設定していました。昨年ワールドシリーズ優勝後に、大谷翔平はドジャースの編成本部長に「あと9回!(優勝)」と連覇でも偉業なのに、はるかに高い目標を伝えているのです。
50点を目指せば100点になることはありません。150点を目指せば100点になる可能性があるのです。50点を目指して50点を取るのか、それとも150点を目指して100点を取るのか。あなたは、どちらのタイプでしょうか。
1位と2位では決定的に違うものなんです。何が何でも優勝するために、できることはなんでもやります(p47)
必要なことをやり切る
高い目標を設定したら、それから逆算してそのために必要なことをリストアップします。そして、やるべきことをやり切るのです。大谷翔平にとって優勝のためにやるべきことはわかっているので、課題は時間がないことだったようです。
大谷翔平は2017年に、「クリスマスに何が欲しいか」と聞かれ、「あと1か月の時間が欲しい」と答えました。2023年、同じように「今は時間は足りていますか」と聞かれたところ、「開幕まで、あと1年という時間があるといい」と答えたのです。
反対に、目標達成に不必要なことは、できるだけ排除しています。例えば、先輩から飲み会に誘われたら、ほとんど断っていたという。テレビへの出演についても、「楽しめますけど、基本的には野球に専念したい」と答えていました。大切なこと1点に集中するのが、成功の基本なのです。
自分「これをやりたいな」と思うことには、他人よりも頑張れる自信はあります(p130)
仕事は前向きに楽しむ
大谷翔平のドジャースの同僚がよく言うのは、「いつも楽しそうに」野球をしているということです。2024年のパドレスとの地区シリーズで1勝2敗であと1敗で敗退となったとき、大谷翔平は「2連勝すればオッケーっていうゲームだと思っています」と発言しています。
ゲーム感覚で仕事を楽しんでいるのです。
そして、ドジャースに加盟したときは、「もっと挑戦したい。ドジャースでさらに大きな難題に直面するでしょうし、直面したい。僕はもう覚悟しています」と発言しています。課題を問題と考えるのではなく、乗り越えるハードルととらえ、そのハードルを超えるゲームを楽しんでいるように見えるのです。
よく考えれば、大谷翔平も私たちも、年を取れば死と向き合うことになります。結局、最後は無に戻るとすれば、一度だけの人生を楽しんだ人の勝ちなのかもしれません。
自分の中の課題であったり、来年につながるようなことを一つでも見つけられたらいいなと、常にそう思って試合に入っていました(p93)
王様になったら終わり
またマスコミに出ることについては、「こうやってチヤホヤされる世界ですし、王様になったら終わりの世界なんで」と話しています。つまり、プロ野球の世界は、実力と結果だけで評価される世界であり、努力を怠り成長しなくなれば終わりだと認識しているのです。
そうした弱肉強食の世界で生きているという認識の一方で、ゴミを拾うのも大谷翔平の特徴です。成功哲学では、徳を積むといいます。
大谷翔平はゴミを拾うことについて、「自分は野球の神様が本当にいると信じているので、道端にゴミが落ちていたら絶対に拾う。自分が嫌われたらどうしようって心配になって」と言っています。やるべきことををやりきったら、後は神に祈るのみというわけです。
仮に、大谷翔平がビジネスマンになっても、きっと成功することでしょう。桑原さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・大谷が高校時代から大切にしてきた言葉に「期待は応えるものじゃなく、超えるもの」があります(p52)
・20代前半という遊びたい盛りの年齢にもかかわらず、「練習第一で、時間をつくって何かしたいはない」とも言い切っていました(p173)
・MLBのスカウト陣の前で好投して・・評価というのは、その時々で変わっていくので当てにならない。・・今後、僕がどんな方向性になっていくのかは自分でもわからない。そんなところでいちいち喜んだりとかはできない(p172)
・大谷自身は「投手としては役に立っていない」という声には、「ああ、今年は投げられませんでした。すみません、ホームラン50本打っただけで」とユーモア交じりで返し(p70)
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桑原晃弥 (著)、ぱる出版
【私の評価】★★★☆☆(79点)
目次
第1章 勝利への執念を燃やす
第2章 プレッシャーを力に変える
第3章 常に進化し続ける
第4章 万全の準備を心がける
第5章 最高のチームであるために
第6章 「人としてどう生きるか」を大切に
著者経歴
桑原晃弥(くわばら てるや)・・・1956年、広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。業界紙記者などを経てフリージャーナリストとして独立。トヨタ式の普及で有名な若松義人氏の会社の顧問として、トヨタ式の実践現場や、大野耐一氏直系のトヨタマンを幅広く取材、トヨタ式の書籍やテキストなどの制作を主導した。一方でスティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾス、イーロン・マスクなどの起業家や、ウォーレン・バフェットなどの投資家、本田宗一郎や松下幸之助など成功した経営者の研究をライフワークとしている。
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