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「わたしがわたしの親になる: 人生が好転する8つのレッスン」吉田こうじ

2025/01/27公開 更新
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「わたしがわたしの親になる: 人生が好転する8つのレッスン」吉田こうじ


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー


毒親の記憶を手放すには

著者はメンタルトレーナーとして活動しています。この本では、日常生活の中で、自分が本当にどうしたいのかがよくわからない、自分の思いを表現できない、嫌でも断ることができない、いつもトラブルを抱えている人に惹かれるなどの心の問題を持っている人へ解決策の一つを提案します。


著者のアプローチは、子どもの頃に親の態度に問題があった場合、その記憶への自分の対処の方法を変えていくものです。言い換えれば、毒親を持つ人の心のわだかまりを取ってあげるようなものでしょうか。つまり、幼い頃に傷ついた心を癒やすことで、現在の課題が解決できるのという考え方です。


実際、著者のクライアントは、著者のカウンセリングにより過去の心のわだかまりがクリアになり、人生が大きく好転していった人が多いという。


もし幼い頃に傷ついた心が、大人になっても今もなお痛みを訴え、それが悩ましい現実を生みだしているのだとしたら、どうすればその傷を癒すことができるのでしょうか(p2)

親は精神的に未熟である

そうした毒親の影響として、葛藤や他人との距離感の欠如、過剰な失敗への恐怖、自己否定や罪悪感などのいくつかのパターンがあるという。そうした心の歪みの原因は、生まれつきの性格ではなく、親の振る舞いから生じた偽りの自己だというのです。


つまり「親が望む子ども」になろうと必死に頑張っても、いっこうに心のつながりを感じられない。そうした満たされない気持ちが偽りの自己を作るのです。ただ、子どもにとって、親が精神的に未熟な人だと理解することは難しいのです。子どもはその違和感の原因を親ではなく自分に求めてしまうわけです。


修正すべきは反応パターンではなく「偽りの自己」そのものなのです(p46)

心の内をノートに書いてみる

著者の心のわだかまりを手放すエクササイズは、ノートに書き出したり、心のわだかまりを物体化して対話してみるものです。


例えば、不適切な自分の心の罪悪感を手放すエクササイズは、ノートに気持ちを書き出すだけです。まず最初に、親に謝罪することだけ考えながら、心の内をノートの左側に書いてみます。すると心に正反対の声が出てきたりしますので、その次には今書いた謝罪のページの右側に、今の気持ちを書いていくのです。


自分の気持ちを書き出すことで、客観的に第三者の立ち位置で自分の気持ちに向き合える体験になるのでしょう。普段の親の振る舞いを冷静に振り返り、親の精神的な未熟さを感じ取り、こんな未熟な親が自分を精一杯育てたんだなと理解するのです。


親の精神的な未熟さにあなたはなんの責任もないのです(p60)

未来の自分のために行動する

著者はNLP(神経言語プログラミング)の資格を持っており、NLP的なワークに基づくものと感じました。誰もが過去の記憶に基づいて今を生きていますので、その過去の記憶の解釈を変えることで今の問題が解決することもあるのでしょう。過去を自分自身で振り返り、それを手放すことは難しいので、著者のようなメンタルトレーナーが求められるのです。


ここで「手放す」とは、親を責め続けることをやめ、未来の自分のために行動していくことです。最終的には、自分のやりたいことを自分で決め、自分で人生の選択ができるようになることを目指すのです。吉田さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・「インナーチャイルド=ありのままの純真無垢な子どもの心」・・ユングは「神聖な子ども」、ウィニコットは「真の自己」など、他にも「超意識」「高次の自己」「ハイヤーセルフ」などと呼ばれることもあります(p13)


・自分の気持ちを過小評価するなどして距離をおいてしまうと、自分で自分の気持ちがわからなくなったり・・(p105)


・タイムライン思考・・10年後の自分から見たら、内向的な自分に対してどんなアドバイスをするだろう?(p174)


・自他尊重・・私は自分の気持ちを伝えてもいいし、伝えなくてもいい。私は相手の話を聴いてもいいし、聴かなくてもいい(p186)


▼引用は、この本からです
「わたしがわたしの親になる: 人生が好転する8つのレッスン」吉田こうじ
吉田こうじ、個人出版


【私の評価】★★★★☆(84点)


目次

はじめに  がんばっているのに自分を幸せにできないあなたへ
第1章 忘れられた内なる子ども
第2章 自作自演で不幸をつくりだす仕組み
第3章 親と向き合う
第4章 癒されていない心の痛みと向き合う
第5章 心のわだかまりを手放す
第6章 インナーチャイルドを育む 
第7章 人生の課題をクリアするヒント
第8章 気持ちを伝える、表現できる自分になる



著者紹介

吉田こうじ(よしだ こうじ)・・・宮城県仙台市在住。全米NLP協会認定トレーナー・米国NLP協会認定コーチ・LABプロファイルコンサルタントトレーナー。営業経験を経て人事部の採用・教育を担当。職場のハラスメント相談にも関わる。その後コールセンターの教育責任者として培ったマネジメント、クレーム対応などのノウハウを活かし、研修講師としてビジネスと心理学を融合させた独自の研修プログラムを提供。そのかたわらで、毒親問題・職場の人間関係問題・中年の危機問題など、生きづらさを抱えた方向けにマンツーマンのサポートを行い、メンタルセッションはいつも予約待ちの状態。


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