「成功と幸せを同時に手に入れる ほんとうに役立つNLP」山崎 啓支

【私の評価】★★★★☆（87点）

要約と感想レビュー

幸せのうちに成功する状態

ＮＬＰ（Neuro Linguistic Programming）、神経言語プログラミングとは3人の天才セラピストをモデリングし、その技術を体系化したものです。イメージによってセルフイメージを書き換えるイメージトレーニングのようなものといえるでしょう。この本では、ＮＬＰの手法（ワーク）を使って劣等感から努力し成功する状態から、幸せのうちに成功する状態へ成長することを目指します。つまり、成功するから幸せになるわけではなくて、幸せのうちに成功することができるということです。

まず、マイナスイメージをプラスにしてみましょう。過去の10年を一歩と考え、実際、歩くことで、過去の辛い出来事から遠ざかってみるというワークがあります。そして30年前の自分を見るかのように客観的に観察します。そして、その状況からどんな成長ができたのか、長い人生にとってどんな肯定的な意味があったのか？などと自問自答してみるのです。

幸せのうちに成功するとは、「手に入れたい希望・願望」とではなく「すでに手に入れている現在形」という言葉を使い、すでにできていると思うことです。つまり、すでに目的は叶っている、できて当然、できる自分を演じるのです。すると、自然と、その状態を引き寄せやすくなるというのです。

逆に自分はできないから練習するということは、できない自分のセルフイメージを植え付けているということにもなるのです。本当に叶えたい目標があるならば、強く追い求め過ぎないという側面もあるという。根拠なき自信というか、できる自分を信じる思い込みも大切なのでしょう。

・幸せな人と幸せでない人を分ける最も大切な要素をあげます。それは、「自分自身を受け入れているかどうか」なのです。「幸せ」とは頭で考えることではなく、「幸せ」だと身体で感じている時であり、言い換えると、自分自身を受け入れている時でもあるのです（ｐ160）

高すぎる「価値基準」を緩める

そもそも著者は、ＮＬＰの世界で金銭的には成功者となりましたが、必ずしも精神的には幸せではなかったらしいのです。著者自身、自覚していませんでしたが「自分は頭が悪い」という劣等感が心の中にあったのです。

ですから十分な収入がありながら、もっと収入がほしい、収入が下がると落ち込んでしまう。著者は優秀であろうとし、失敗する同僚には嫌悪感を抱き、優秀な人には嫉妬するという状態だったのです。

・残念ながら「価値基準」を高すぎる場所に置いている限り、この不幸せな状態を抜け出すことはできません。「セルフイメージ」を高めて幸せを感じる方法を一言で説明すると、この高すぎる「価値基準」を緩めることなのです（ｐ162）

成功してみて本当の成功に気がつく

著者が、そうした自分の劣等感に気づき、今のままの自分でいいじゃないか、と思えるようになってはじめて気が軽くなったという。著者はだからといって、欲を捨てなさいとは言いません。まず、欲があってもいいじゃないか。我欲の努力でもＮＬＰの手法で自分を支え、実際に成功してみて本当の成功に気がつくというプロセスがあってもいいじゃないかということです。

苦しいときにも急に視野が広がることがあるのです。苦しい自分から抜け出して、ちょっと離れてみると、今のままの自分でいいじゃないかと、苦しい状況（箱）から離れることができるようになる可能性があるのです。人間というものは頭が良いようで、体験してみないとわからないところもあるのでしょう。山崎さん、良い本をありがとうございました。

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この本で私が共感した名言

・ウサギがライオンに憧れたら悲劇です。なぜならば、ウサギは一生ライオンにはなれないからです。多くの人がイチロー選手のようにはなれないのと同じです（ｐ202）

・0歳から5歳の頃に、自分はどんな資質を持っていたのだろうかということに焦点を向けましょう（ｐ215）

・一度犬に噛まれると、あらゆる犬が怖くなる・・これら一般化もやはり、真実ではなく思い込みなのです・・・実は大半のストレスも同じような原因で起こるのです（ｐ49）

【私の評価】★★★★☆（87点）

目次

第1章 ストレスは自ら作り出している幻想にすぎない
第2章 ストレスと無縁になる心の状態とは?
第3章 今度こそストレスと縁を切る「対策マニュアル」
第4章 願望を実現するために、今できること
第5章 セルフイメージを根本的に高めるたった一つの方法
第6章 幸せになってから成功する生き方

著者経歴

山崎 啓支（やさまき ひろし）・・・ＮＬＰラーニング代表、米国ＮＬＰ協会認定トレーナー。経営コンサルタント会社を経て、2002年に能力開発トレーナーとして独立。その間、15年以上にわたって心理学、脳機能研究等の科学的分野をはじめ、ヨーガ、密教といった伝統的な能力開発体系にいたるまで独自に研究。また、3,000人以上の経営者やビジネスパーソンのカウンセリングを担当し、独自のシンプルかつ実践的な能力開発法を開発した。現在は、NLP(神経言語プログラミング)の資格認定コースとNLPを応用したコミュニケーション、自己実現、目標管理、リーダーシップなどのテーマのセミナーを全国主要都市で開催している

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