「この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう 池上彰教授の東工大講義 世界篇」池上 彰

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この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう 池上彰教授の東工大講義 世界篇 (文春文庫)

【私の評価】★★★★☆(82点)


■福島原発事故のときの首相は
 菅直人であり、菅直人は東工大出身で
 大学では学生運動の活動家でした。


 将来理系のリーダーになるであろう
 東工大の学生に池上さんが伝えたいのは
 何なのか。


 私には歴史と背景を把握し
 判断するという
 「事実に基づく眼力」
 ではないかと感じました。


 あなたたちが間違うと
 国家そのものが危なくなるかもしれない
 という危機感があるのだと思うのです。


・東工大の卒業生だった菅直人総理は、
 (311)危機に際して、十分な指揮が
 取れなかったのはなぜか(p8)


■例えば、原子力問題でいえば、
 なぜ、日本より1年も遅く研究を始めた
 アメリカで核兵器が完成したのか。
 日本は何をしていたのか。


 原子力に対する日本国としての
 スタンスの根拠はどこにあり、
 なぜ、原子力発電が
 国家の主導で導入されたのか。


 そうしたマスコミでは報道されない
 根本的なことを押さえたうえで、
 判断してほしいということです。


・1969年、外務省は「わが国の外交政策大綱」を
 まとめ、この中で、「核兵器については、
 NPTに参加すると否とにかかわらず、
 当面核兵器は保有しない政策をとるが、
 核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャルは
 常に保持するとともにこれに対する掣肘
 (せいちゅう)を受けないよう
 配慮する」と記しています(p20)


■池上版の白熱教室でした。
 掘り下げてみると
 世の中は面白い。


 メディアでは報道されない、
 報道できないことがあるのだと
 学生には伝わったでしょうか。


 池上さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・オリンパス株式会社が、巨額の損失を
 「飛ばし」という手法で長期にわたって
 隠し続け、不正な粉飾会計で処理した
 事件が明るみに出ました・・・
 なぜ粉飾会計がまかり通ったのか(p70)


・何かの行動をとるとき、あなたは、
 別の何かの可能性を犠牲にし、
 機会費用を払っているのです・・・
 では、あなたは、なぜ高校で就職しないで、
 大学に進学したのでしょうか(p90)


・高給のお笑いタレントの母親が
 生活保護を受給していたことが
 マスコミで大きく取り上げられ、
 「受給資格を厳格化すべきではないか」
 という動きもあります・・
 現在の制度では仮に生活の面倒をみて
 いなかったとしても違法ではありません(p120)


・年金官僚の無駄遣い・・・
 厚生年金の保険料を使って、
 「グリーンピア(大規模年金保養基地)」が
 各地に建設され・・採算を度外視した
 豪華な施設で、利用者が増えることもなく、
 大赤字となり・・すべてが廃止され、
 自治体などに譲渡されました・・
 このグリーンピアの建設・運営には
 年金保険料1953億円が投じられましたが、
 売却総額は、わずか48億円でした(p130)


・オウム真理教を始めた松本智津夫死刑囚は・・
 1984年にヨガの道場の「オウムの会」を開設します・・
 1987年に「オウム真理教」・・
 1989年に東京都から宗教法人としての
 認証を受けました・・・
 出家する際には、現世への未練を断ち切るため
 全財産を教団に寄進するように求めました・・
 信者に出家を強く勧めるようにななり、
 嫌がる信者を拉致したり、
 信者の家族を追い払ったりする
 トラブルが相次ぐようになりました(p149)


・中国の憲法には、以下の文章があります。
 「中国の諸民族人民は、引き続き
 中国共産党の指導のもと・・
 北朝鮮では、国家も人民も朝鮮労働党の
 「領導」を受けなければなりません・・
 労働党や共産党が、憲法の上に位置します(p40)


・中国共産党が設立されたのは
 1921年7月のことでした・・・
 当初は、世界革命をめざすソ連共産党の
 指導を受けたコミンテルン(世界共産党)
 の中国支部として発足しました。
 ちなみに日本共産党の発足は翌年のことです(p192)


・中国が建国されると、直ちに70万人が
 「反革命分子」として公開処刑されました。
 処刑されないまでも、「思想傾向が悪い」
 と判断された人間は、強制労働収容所
 (労改)に入れられました。この制度は
 いまも存在しています(p194)


・天安門事件と反日教育・・・
 「共産党を愛そう・尊敬しよう」
 というキャンペーンは、結果的に
 「反日教育」になっていったのです。
 こうして中国には反日的な若者が
 増えることになりました。
 共産党の過去の都合の悪い歴史は教えず、
 功績だけを称える。この手法が
 使われ続けているのです(p204)


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【私の評価】★★★★☆(82点)

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■目次

1「核」を求めた日本
2 世界地図で世界を見よう
3 憲法とは何だろう
4 お金はなぜお金なのか
5 株式会社は誰のものか
6 経済学とはどんな学問か
7 世界経済の仕組み
8 君たちは年金をもらえるか――社会保障制度の仕組み
9 マスコミの構造を知っておこう
10 宗教の基礎を知っておこう
11「アラブの春」の意味
12 アメリカ大統領選挙でアメリカを知ろう
13 隣人・中国の現代史を知っておこう
14 北朝鮮はなぜ「奇妙な国」なのか
15 徹底討論~サムスンに転職した日本人技術者の体験談から考える



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