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世界恐慌の歴史を振り返る「コロナ時代の経済危機-世界恐慌、歴史に学ぶ危機の乗り越え方」池上彰

本のソムリエ 2021/01/27メルマガ登録
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「コロナ時代の経済危機-世界恐慌、歴史に学ぶ危機の乗り越え方」池上彰


【私の評価】★★★☆☆(72点)


要約と感想レビュー

■タイトルどおり90年前の世界恐慌前後を
 振り返り、新型コロナ感染拡大による
 経済危機への対応を考えます。


 1929年の暗黒の木曜日にはじまる
 世界恐慌ではアメリカの労働者の
 25%、1300万人が失業したという。


 実は今回の新型コロナの影響で
 アメリカ労働者の8分の1、
 2000万人が失業しているということで
 世界恐慌に匹敵するのではないか、
 という危機感があるのでしょう。


 ちなみに、スペイン風邪が流行ったのは
 1918年-1920年で、日本では1920年に
 第一次大戦後の好景気バブルがはじけ
 株式の大暴落を経験しています。


・池上:1929年から30年代後半まで続いた世界恐慌でおよそ1300万人の人が失業したのに対して、今回はたった数か月の間に2000万人以上が仕事を失った状態になっています(p34)


■大恐慌に対して当時のフーバー大統領は
 どういった対応を取ったのか。


 フーバー大統領は大恐慌に対し、
 財政均衡主義をとりました。
 また、輸入品に高関税をかけ、
 国内で増税までしています。


 大不況が続く中、1933年からの
 ルーズベルト大統領政権では
 ニューディール政策などの積極財政に転じ、、
 そして第二次世界大戦への参戦により
 やっと不況は終わったのです。


 今回の新型コロナによる不況も
 同じように戦争につながっていくことに
 なるのでしょうか。


・増田:フーバー大統領はまた、輸入品に高関税をかけて、アメリカの産業を守ろうとしました・・・この対策もかえって経済の悪循環に拍車をかけていきます・・・結局、世界恐慌の際は、ヨーロッパの国々もアメリカに対して高関税をかけることで対応します(p52)


■こうしてフーバー大統領の世界恐慌への
 対応をを振り返ってみると、
 日本のバブル崩壊以降の政策と
 似ていると思いました。


 不況時において健全財政を目指し、
 増税するという失敗を
 繰り返しているのです。


 歴史が繰り返すのは、
 人類が愚かだからなのか、
 人間は同じように間違える運命にあるのか、
 もう少し学ぶ必要があるようです。


 池上さん、増田さん
 良い本をありがとうございました。



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この本で私が共感した名言

・当時のフーバー大統領は、そんなアメリカの状況を、「永遠の繁栄」と言っていました・・・1929年10月24日木曜日の株価の下落は恐怖にかられた投資家の間に"売り"の嵐を呼び起こし、ニューヨークのウォール街にある証券取引所で株価の大暴落が起こった(p37)


・池上:フーバー大統領が財政均衡主義をとったことも不況が長期化した原因の一つです・・・健全といえば健全なのですが、不況のときに健全財政を維持すると、被害が大きくなることがこの経験でわかったのです(p49)


・池上:1932年には、フーバーは増税しているんです。これでますます一般の人たちはお金を使わなくなった。本当は減税して、人々に消費を呼びかけなくてはいけなかったのですが(p75)


・経済活動が滞って、事業の収益が悪化する。資金繰りもたいへんになりますから、政府が支払い猶予などの対策を打って、金融機関に対して貸し出している企業の返済を多めに見てくれと働きかけている。これが続くと、貸したお金が回収できなくなる、つまり不良債権化する可能性もあります(p92)


・ケインズが国債発行による財政政策を説くより、高橋(是清)の実践のほうが時代が早いと言われています・・・高橋は、犬養毅内閣でも蔵相となり、金輸出の再禁止を断行し、円の金兌換を停止。金本位制を離れて管理通貨制度に移行し、通貨を増刷しました。その結果、円安となって、繊維産業を中心に輸出が増加。さらに、財源確保のために、日本で初めて赤字国債を発行した人物です(p120)


・池上:アメリカでは大手レンタカー会社のハーツが倒産しました・・・ボーイングも1万6000人もの人員削減を発表しています・・・タイ国際航空の破綻(p27)


・増田:農業でも、例えばヨーロッパでは、ポーランドやルーマニアといった東ヨーロッパからの季節労働者の働きに頼っていた・・・新型コロナ感染拡大の影響で、国境が封鎖され自由に移動ができなくなりました。フランスやイタリアの農業は労働者不足・・(p31)


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▼引用は、この本からです
「コロナ時代の経済危機-世界恐慌、歴史に学ぶ危機の乗り越え方」池上彰
池上 彰、増田 ユリヤ、ポプラ社


【私の評価】★★★☆☆(72点)


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目次

第1章 世界恐慌からコロナショックを考える
第2章 ルーズベルトから学ぶ、危機への対策
第3章 日本は昭和恐慌にどう立ち向かったか
第4章 オイルショック、リーマン・ショックという苦い経験
第5章 危機の時代のリーダーとは
第6章 コロナ時代の新しい生活様式を考える


著者紹介

 池上 彰(いけがみ あきら)・・・1950年、長野県生まれ。慶応義塾大学卒業後、NHKに記者として入局。事件、事故、災害、消費者問題、教育問題等を取材。2005年に独立。名城大学教授、東京工業大学特命教授。


 増田ユリヤ(ますだ ゆりや)・・・神奈川県生まれ。國學院大學卒業。27年にわたり、高校で世界史・日本史・現代社会を教えながら、NHKラジオ・テレビのレポーターを務めた。日本テレビ「世界一受けたい授業」に歴史や地理の先生として出演のほか、現在コメンテーターとしてテレビ朝日系列「グッド!モーニング」などに出演。


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