「なんのために学ぶのか」池上 彰
2020/04/14公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
要約と感想レビュー
池上さんは、NHK記者からスタートして「週刊こどもニュース」での分かりやすい解説で有名になりました。その後、現場で取材を続けたいと54歳でNHKを退職し、フリーのジャーナリストとなったのです。退職後は、大学の社会人講座で財務、為替、東南アジアについて学び直しています。池上さんは警察の番記者時代から英語や経済の勉強をしており、学ぶことに前向きであることがわかります。
この本で印象的だったのは、池上さんが目の前の仕事に全力投球してきたということです。本業のために学ぶ。だから、英会話を勉強したり、経済の本も読むわけです。どうせ仕事をするなら、社内外から知られるくらい名前を轟かせればいい。そうすれば池上さんのように退職後に他局から声をかけてもらえるのです。
・どうすれば社外にまで名前を売ることができるのか。私が思うのは、「自分に投資をする」ということです。まずは、目の前の仕事を人並み以上にちゃんとやる(p127)
池上さんにとっての「なんのために学ぶのか」はジャーナリストとして一流になるためでした。日本人は学生だけでなく、社会人になっても勉強しない人が多いらしい。勉強しない人の退職後が心配です。
池上さんの学びのすすめに元気をもらいました。池上さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・多くの大学が社会人向け講座を開設している・・・ある講師の講義が非常に下手だった・・・「どうしてこの講義はつまらないんだろう」・・・「うまく教えるとはどういうことか」に自ずとたどり着きました(p32)
・外国の人と親しく交わるようになれば、日本のことをどれだけ語れるかが問われるのです(p54)
・日本は江戸時代に全国各地に寺子屋が広まって、一般庶民の子どもたちがそこで教育を受けていました・・・外国の人から見ると、明治になって開国し、そこから日本が大きく成長したように見えますが、実はそうではありません。江戸時代、すでに日本は世界でも有数の文明国であり、豊富な知識を蓄えていました。だからこそ明治に入って一気に発展したのです(p204)
・なるべく早いうちに挫折を経験しておく・・・信じた結果、場合によっては裏切られることがあるかもしれません。現実にそういうことはよくあります。信じた人に裏切られるのは衝撃的な体験ですが、ものは考えようで、それを通して人間は成長し、精神的に強くなれるのです(p85)
・私が大学生のときゼミナールの先生・・経済学部で経済学を勉強していました・・その先生は「すべてを疑え」と言っていました(p67)
池上 彰、SBクリエイティブ
【私の評価】★★★★☆(82点)
目次
1章 勉強が好きじゃなくてもいい
―おもしろいことが一つあればいい
2章 どうして勉強しなくちゃいけないの?
―学校で学ぶということ
3章 失敗・挫折から学ぶ
―こうして「池上彰」ができあがった
4章 読書が好き
―よい本との出合いは人生の宝だ
5章 生きることは学び続けること
著者経歴
池上 彰(いけがみ あきら)・・・1950年、長野県生まれ。慶応義塾大学卒業後、NHKに記者として入局。事件、事故、災害、消費者問題、教育問題等を取材。2005年に独立。名城大学教授、東京工業大学特命教授。
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