「おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?」池上 彰

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おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか? (NHK出版新書)

【私の評価】★★★★☆(81点)


■池上さんが東京工業大学で一般教養を
 教えることになりました。


 その内容は、宗教、宇宙、人類の旅路、
 人間と病気、経済学、歴史、
 日本と日本人です。


 私が理系の新入社員に教えるなら
 財務、統計、QC、
 プレゼン・ディベート(人間関係含む)、
 歴史、経済、英語でしょうか。


・日本というのは、文科系と理科系が
 はっきり分かれてしまっている・・
 理科系の人たちの、非常に視野の狭い
 専門性にも問題があります(p15)


■私が印象的だったのは、
 宗教のところでしょうか。


 中東から始まったユダヤ教、
 キリスト教、イスラム教が
 世界の三大宗教です。


 中東情勢が緊迫化する中、
 これらの宗教の歴史をしっておくことは
 必須なのでしょう。


 過去には宗教から戦争になった
 事例もあるのです。


・今から2000年ほど前のことです。当時、
 パレスチナのあたりはローマ帝国の属領でした。
 イエスの死刑を決めたのはユダヤ人自治組織
 である最高法院です。しかし最高法院自体には、
 死刑執行の権限はありません。そこでイエスを
 ローマ帝国の総督に引き渡して、
 死刑の執行をさせたのです(p49)


■一般教養とはつまり、
 過去の歴史を学ぶという
 ことだと思いました。


 池上さんは、理系は視野が狭いと言いますが、
 理系の私に言わせれば、
 文科系の視野が広いわけではなく、
 普通の人は誰でも視野が狭いのです。


 文科系、理科系にかぎらず
 自分で学ぶことがなければ、
 視野が狭いまま。


 理系が視野が狭いと表現するなら、
 専門のない文科系は視野がないと
 表現すべきではないでしょうか。


 池上さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・理系の専門的な学問をひたすら学ぶので、
 どうしても視野が狭くなってしまう・・・
 歴史のことをまったく知らなかったりする(p16)


・リベラルアーツとは・・・
 ギリシャ・ローマ時代に源流を持ち、
 ヨーロッパの大学で学問の基本だとみなされた
 七科目のことを指します。具体的には
 1文法、2修辞学、3倫理学、4算術、
 5幾何学、6天文学、7音楽(p24)


・戦後になって、戦前の師範学校は、
 視野の狭い教員を送り出したのではないか
 という反省がありました。たとえば
 戦前の先生たちは、教え子たちに
 「戦争に行って、見事に死んでこい」
 と教えていた(p25)


・初期のキリスト教においては、
 十字架はシンボルとして使われていません。
 魚の絵がシンボルでした(p53)


・キリスト教と同じように、イスラム教も
 唯一絶対の神を全面的に信頼して、
 神の教えを守ることで救われるという
 考え方をします(p60)


・コペルニクスの地動説に賛同したブルーノという
 イタリアの哲学者は、投獄された末に火あぶりの
 刑になりました。ガリレオも、キリスト教の
 教義に反するとして宗教裁判にかけられ、
 地動説を捨てるように命じられました(p84)


・第一次世界大戦はなぜ終わったのか。
 実は敵味方、みんなスペイン風邪にかかって
 バタバタと倒れてしまい、戦争を続けることが
 できなくなってしまったからです。
 第一次世界大戦の戦死者の数よりも、
 スペイン風邪で死んだ人のほうが
 はるかに多かったのです(p136)


・資本主義のもとでは、好況と不況を繰り返します・・・
 マルクスは景気が悪いとき、とりわけ恐慌のときに、
 労働者は職にあぶれ悲惨な生活を強いられると
 指摘していますが、ケインズは、その不況を
 克服するような政策を政府が実施すれば、
 失業者の増加を食い止めることができると
 考えました(p162)


・政府の規制はできるかぎり撤廃したほうが、
 経済はうまくいくというのがフリードマンに
 代表される新自由主義の考え方です(p170)


・新自由主義を推進してきたアメリカでは、
 大きな格差が生まれ、格差是正を求める運動も
 起こりました・・その意味では、新自由主義は
 「勝ち組の論理」と言うことも
 できるかもしれません(p173)


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【私の評価】★★★★☆(81点)

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■目次

[目次]
序 章 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?――現代の教養七科目
第一章 宗教――唯一絶対の神はどこから生まれたのか?
第二章 宇宙――ヒッグス粒子が解き明かす私たちの起源
第三章 人類の旅路――私たちは突然変異から生まれた
第四章 人間と病気――世界を震撼させたウイルスの正体
第五章 経済学――歴史を変えた四つの理論とは?
第六章 歴史――過去はたえず書き換えられる
第七章 日本と日本人――いつ、どのようにして生まれたのか?



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