会社を変えていく人材像「BQ~次代を生き抜く新しい能力」林野宏
2021/01/26公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(84点)
要約と感想レビュー
感性経営とはカッコイイサービスを提供
会社の推奨本となっていましたので手にした一冊です。BQとはビジネス感度 Business Quotient。知性+理性・人間性(人望・人徳)に感性(ひらめき、直感力)を加えたものです。著者はクレディ・セゾン社長であり、セゾングループで堤清二から感性経営を学んだという。
感性経営とは、つまり勝てるカッコイイ製品、サービスを提供するということです。BQの高いリーダーは、負ける勝負に手を出さないので、勝ち続けることができるのです。
堤(清二)さんが名づけたブランド・・・『無印良品』、『パルコ』・・・企業グループ名『セゾン』も堤さんのアイデアです・・・堤さんが名づけた『J-WAVE』は、事業としても成功を収めました(p20)
10年で業界ナンバーワンにする
著者は、カード会社に転籍したとき、「クレディ・セゾンを10年で業界ナンバーワンにする」と宣言しました。そしてカードの審査基準を下げ、決済時のサインを廃止し、有効期限をなくした「永久不滅ポイント」を導入したのです。結果して20年でクレディ・セゾンは、 業界ナンバーワンになったという。
著者が言いたいのは、サービスが行き渡った弱肉強食時代には、時代の変化を先取りする感性が必要だということです。変化に強いのは、一人一人が個性的で、全体として多様性が保たれている集団なのです。
ものつくり中心だった高度成長期は、IQの高い人が活躍しました。経済が安定成長期に入ると、人間力の高いEQの高い人が組織で出世しました・・・弱肉強食の時代に求められるのは、変化を感じ取る感性です(p4)
人材の多様性と幅広い教養
最後の章に、マージャン仲間のサイバーエージェントの藤田晋社長が出てきます。藤田社長と著者は、頭が良ければマージャンが強いわけではない。格が良ければマージャンに勝てるわけでもない。そこにプラスして感性というか勝負感が必要だという。
そうした感性を持った組織には、人材の多様性が必要であり、幅広い教養を学ぶことが必要だという。実際、クレディ・セゾンでは幹部用研修「教養サロン」で経済、組織理論、世界情勢、歴史、エネルギー、芸術、宇宙科学など幅広いテーマを学ぶというのです。林野さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・タイムカードに打刻するレコーダーが5台しかなく、毎朝、長蛇の列・・・BQの高い人はどうやって解決するのか・・・じつは私が実際に選んだのも、タイムカードをなくすことでした(p26)
・弱者はどのような戦略をとればいいのか。私なら、自分が勝てる土俵を自ら作ります。高校生のころ、私は自分たちでバドミントン部をつくりました(p176)
・私の場合、一つの企画書を作成するときは2時間というタイムリミットを自分に課していました。それ以上やるのは、時間のムダ(p37)
・つまらないと感じていた仕事でも、結果を出して上司から「この仕事でキミの右に出る者はいないな」と褒められると、途端に仕事が好きになったりします・・・夢中になるのが先か、それとも結果を出すのが先か(p90)
・就職でも、TOEICの点数を誇るより、神社検定や日本城郭検定など「それを知ってどうするいの?」という知識を持っている人のほうを私は評価します(p99)
・世の中では、理詰めで賢そうに見える人のほうが評価されたりするじゃないですか。でも、現実は理屈どおりに動かずに、理屈っぽい人ほど壁に突き当たっている(藤田晋)(p186)
・ニトリが買収した家具メーカーが海外に自社工場をつくったのは、デフレが本格化する前の1994年。場所はインドネシアです。さらに2004年にはベトナムにも工場を作っています・・・中国の人件費が高騰・・・他社と比べて、二歩も三歩も先を行っていたわけです(p64)
・100年以上続いた企業は、たびたびドメインを変えています。たとえば世界第三位の化学会社デュポンは、もともと火薬メーカーでした。また携帯電話のトップメーカーだったノキアは、もともとはゴム製品の会社でした(p148)
【私の評価】★★★★☆(84点)
目次
第1章 「BQ」でビジネスが変わるーIQ×EQ×SQ=BQ
第2章 BQとは何かー人生を切り開く真実の指標
第3章 BQはいまからでも伸びる!-人生を豊かにする11のレッスン
第4章 なぜこれからの日本でBQが必要なのかー日本の消費社会はどう変わるのか
第5章 BQで革新型リーダーを目指せーBQで築く新時代の経営術
第6章 BQ対談ー林野宏(クレディセゾン社長)VS藤田晋(サイバーエージェント社長)
著者経歴
林野宏(りんの ひろし)・・・1965年、西武百貨店入社。人事部、企画室、営業企画室、マーケティング部長兼営業開発部長を経て、同百貨店宇都宮次長。1982年、西武クレジット(現・クレディセゾン)に、クレジット本部営業企画部長として転籍し、平成2000年よりクレディセゾン社長。2019年 クレディセゾン代表取締役会長CEO。
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