自分を安く売るな!「独立・起業の鬼100則」土井 貴達
2025/01/28公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
独立前に相談してみる
著者は税理士として、経営者の財務・税務支援や経営コンサルを行っています。著者も独立しようと考えた時、先に起業した先輩に、起業後の生活を聞きに行ったという。
著者のお薦めは成功している人に、独立前に起業してからの話を相談してみることです。だれでも最初は初心者なわけで、独立起業の経験者の多くは独立する人を助けてくれるのです。
また、無料で活用できるSNSでやりたい活動をしてみることで、独立してやっていけるのかどうか検証することもできるはずです。
SNS・・「無料」で、「失敗しても損害はなく」、自分の適性がある程度判別できる(p26)
勤めている間に客を集めておく
実際に、独立して最初に考えるのは、どこから収入を得るのかということです。独立したばかりの時期は、知名度もなく、人脈も少なく売上が立たない場合が多いのです。
著者のお薦めは、勤めている間に、口約束でもいいので見込み客を集めておくことです。例えば、今の会社で取引先と良い関係を維持できれば、独立後に取引先が助けてくれる可能性もあるでしょう。
また、著者は業界で誰かが退職すると聞けば、知らない人間であっても誰かを通じて紹介してもらうという。そして現在の業界の状況を教えてもらったり、仕事を手伝ってもらうこともあるというのです。こうした人との繋がりが大切なのです。
独立当初は、稼ぐにはどうすればいいかを一日中考えていた(p19)
安く受注しない
独立してからの落とし穴は、あまりに売上がないために、安く受注してしまうことです。著者も「高過ぎますよ!」と言われることがありますが、儲かっていない人からの褒め言葉と考えることにしているという。安く受注するのは、自分の仕事を自ら貶めることになるのです。
また、そうした儲かっていない人と仕事をすると、貸し倒れのリスクがあります。その場合、回収期間を短くして、2週間に1回の入金としたり、預け金や着手金を要求することもあるという。
さらに、起業したばかりで無名な時代に、怪しい人から突然、仕事の依頼が来ることがあるという。「なぜ私に?」と思ったら、たいてい怪しい話の可能性が高いので、受注は慎重にしたいという。美味しい話が、向こうからやってくるはずがないのです。
儲かっていない相手と価格交渉すると大変なことになる(p129)
失敗しても生きていける
独立すると、自分で悩み考えて自分で実行することになります。もちろん、すべて自分だけでやる必要はなく、人に助けを求めたり、人の意見を聞きましょう。それでも決断、実行するのは自分であり、その結果に自分が責任を負うわけで、それが独立の醍醐味なのです。
著者は、もし独立して失敗しても、破産制度も生活保護制度もあるので、大丈夫、生きていけると断言しています。また、失敗したら、各地で失敗した原因やその後について、起業を考えている人たちに、講演をして回ってほしいと言っています。気が楽になりました。
土井さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・営業に行く際にはいつも成果物の事例を見せながらサービス内容を説明した(p127)
・下請けの仕事が増えたからといって、独立が成功したとは思わないことだ・・下請けの替えなどいくらでもあることを認識しておくべきだ(p203)
・固定費と変動費を把握して情勢に対応する(p168)
【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
第1章 起業しよう、と思ったら
第2章 起業のネタと形
第3章 ひっそり楽しむ起業準備
第4章 起業にまつわる不安を払拭する
第5章 起業のために会社を辞める
第6章 売上はつかみ取れ
第7章 起業して初めてわかる「お金のこと」
第8章 起業にまつわる7大トラブル
第9章 会社を長く続けるために
第10章 起業にもしも失敗したら
著者紹介
土井 貴達(どい たかみち)・・・アルファグループ代表。公認会計士・税理士・公認不正検査士・公認内部監査人。1973年生まれ。西陣織の帯職人の家庭に生まれ、億単位の収入生活で育ったものの、親が他人の借金の保証人になったことで始まった億単位のどん底借金生活までを知る。29歳で公認会計士2次試験合格、大手監査法人に勤めた後、独立開業。独立後は、上場企業へのコンサルティングのみならず、中小零細企業や個人事業主に対する税務サービスやコンサルティングを実施し、数百社を顧客に持つ。
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